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素行不良で僻地に追いやられた第4王子、自分が転生者だった事を思い出す~神様から貰ったランクアップで楽々領地経営~  作者: まんじ(榊与一)


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第37話 役立たず

精霊達をC-にランクアップさせ既に三日経つが、三人はベッドの上でぴくぴくするだけでいまだ目覚めてこない。


まあ、ある程度予想はしてたけど……


カッパー達にとって、Cランク入りは限界越えとなっていた。

そのため、通常のランクアップより遥かにきつい物となっていたのだ。


壁越えが強烈だってのはタゴルの時に分かってた事だけど……まさか死んだりしないよな?


精霊は簡単には死なないとは言っていたが、流石に三日もぴくぴくしてたら心配になって来る。


因みにかかったポイントは――


Dランクは一段階で4,000ポイント。

C-ランクへは壁を超える為の2万と、それとは別にかかる上げる為の8,000ポイント。

合計、一人頭3万6千ポイントだ。


それが三人分なので、精霊のランクアップには10万8千ポイントもかかっていた――タニヤンも一緒にランクアップさせて欲しいと希望してきたので、彼もランクアップさせている。


カッパー達をランクアップさせた事で、所持ポイントの半分ほどが吹き飛んだ訳だが……


それに関しては、俺は無駄遣いをしたとは一切考えていない。

それだけの働きをしてくれると期待しているから。


それに、クエストのお陰で一人二万ポイント返ってくるからな……


『カッパーをCランクにせよ!』

『ジャガリックをCランクにせよ!』

『タニヤンをCランクにせよ!』


この三つのクエストの報酬がそれぞれ2万ポイント。

三人のパワーアップが終わらないとポイントは受け取れない仕様なので、まだ受け取っていないが、合計6万ポイントが返って来る感じだ。

なので、実質三人のランクアップにかかったのは4万8千ポイントで済んでいたりする。


まあランクアップ失敗で三人とも死んだ日には、大量ポイントを投げ捨てたのと同じになってしまうが……


そうなったら、結構冗談抜きでシャレにならない。

なのでそういう怖い事は考えない様にしておく。

三人の無事の回復を祈るばかりだ。


「カンカンの様子はどうです?」


護衛であるタゴルとアリンを連れ、村へと訪れた俺は村長にカンカンの様子を尋ねた。


「むう……言葉を選ばず申しますと……とんでもない役立たずと言わざるえませんな」


穏やかな性格をしている村長にここまで言われるのだ。

カンカンは全くダメダメな様だ。

まあ我儘に育てられた金持ちのバカ息子だから、はじめっからそうなるだろうとは予想出来てはいたが。


「寝床や食事には文句を言う。簡単で軽い作業をさせてもすぐへたり込み、挙句は辛い辛いと泣き喚く始末。正直、扱いに困っているというのが本音でございます」


「軽作業で辛くて泣くって……」


想像以上に酷いな。

一緒に話を聞いていたタゴルとアリンもあきれ顔である。

まったく、どんだけ豆腐メンタルなんだよ。


「そこまで酷い様なら、強制的にランクアップさせる必要があるみたいだな」


ランクアップの話は初日にカンカンにはしてあった。

だが苦痛を伴うと聞いて拒否されたため、強制はあまりしたくなかったからノータッチだった訳だが……労役中なのに全く何もできないのでは流石に話にならない。

なので、あいつの意思はこの際無視してランクアップさせる事にする。


飯や寝床に関しては、そのうちオルブス商会がやって来てサポートするか慣れるかするだろう。

人間ってのは環境に適応できる生物だからな。


「カンカンの所に連れて行ってくれ」


「かしこまりました」


村長に連れられてカンカンの居場所に――


「ん?」


――連れて行って貰う途中、村の入り口から大きな馬車が数台入ってくるのが見えた。


どうやら、オルブス商会が到着したようだ。

それ以外で馬車に乗ってこの村にやって来る様な奴らはいないので、まず間違いないだろう。


けど……


「台数が少ないな」


村に入ってきた馬車は全部で7台。

建物なんかも自分達で用意する必要がある――そう話はついている――ので、食品も扱うレベルの総合雑貨店を開くには、物資が余りにも少なすぎる様に見えた。


え?

インベントリの様な、空間系のマジックアイテムや魔法を使ってるんじゃないかって?


ないない。


マジックアイテム超が付くレベルで高額だし。

魔法の方も余程高位の魔法使いでもないと扱えないからな。


しかもその上でそこまで物が入らないので、仮に用意できたとしても、大量物資の搬入をそれだけで賄うとかはあり得ない事だ。。


「家畜だけ先に持って来たって事かな?」


オルブス商会には、村用の家畜を依頼していた。

それの納入なら、あの数も納得である。


「あ、カンカンがいましたよ」


馬車に向かって駆けよる、人と球体との中間のフォルムをした人物が見えた。

アリンの言う通り、カンカンだろう。

この貧しい村でぶくぶく太ってるのはあいつぐらいなので、一目瞭然である。


……あ、こけた。

拙作をお読みいただきありがとうございます。


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