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大魔王を倒したらどんな願いでも叶えてくれるそうです。繊細さん(HSP)な僕は殺された彼女を生き返らせます。  作者: かたりべダンロー
異世界城内編

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ご指名ありがとうございます。でも……

 ドラフト会議は僕の不安な気持ちとは裏腹に、ドンドン進んで行く。


 第二位のサイコパスの魔術師クロスギは、二十五位の戦士タイプを指名して来ている。自分とタイプの違う、自分に足りない力を補う様にパートナーを選んでいる。


 やはりその中でも、上位ランカーはステータスの高いランキング上位の人間ばかり指名して来ている。当然、何人かは指名が被り、後にくじ引きが待っているのではあるが……。


 そして、いよいよ第十八位のサチの番になる。もちろんここまで僕を指名して来た人間は誰一人いない。まさに僕はハズレクジを引いた人間の為の残り物要員として存在する、そんな感じのポジションだ。


 僕は祈るように電光掲示板を見ている。とてもじゃないが、サチの表情を見る余裕がない。指名されなかった可能性を考えると恐くて、彼女を見る事が出来ないのだ。


 心臓が飛び出しそうなくらいドキドキしながら、僕はサチの指名者の名前の発表を待つ。時間がすごく長く冷たく感じる。


 そして、黒ローブのリーダーはサチの指名した人間の名を告げる。


「第一回、チーム"サチ"、選択希望パートナー。ユウト、僧侶タイプ」


 僕の顔から笑みがこぼれ、自然と涙が込み上げてくる。


 こんなに嬉しいと思えた瞬間は、ここ最近なかったな、生きててホントに良かった。僕はグッと目を閉じ、喜びを噛み締める。


 そして、僕はサチの方を急いで見る。笑顔のサチと僕の目が合う。

 彼女を信じてホントに良かった。サチ、ホントにありがとう。

 僕は拳をギュッと握り締め、顔を上げる。


 会場が騒然としている。

 

 それは、そうだ。ステータスランキング万年最下位の僕をここで指名して来る奴はまずいない。どうだ見たかと言わんばかりに、自信に満ちた笑顔をバカにして来た奴等に僕は見せ付ける。


 黒ローブのリーダーは淡々と次の進行を始め、次の人間の指名者の名を告げる。相変わらずマイペースだな。そんな事を思いながら、僕は余裕の気持ちで彼の言葉を聞く。


「第一回、チーム"ミホノ"、選択希望パートナー。ユウト、僧侶タイプ」


 再び、会場が騒然となる。


 僕は驚いて、指名したミホノの方をすぐさま見る。ミホノは僕の方を見向きもせずに、サチの方をじっと睨んでいる。サチもミホノの方を睨み付け、一触即発の状態となっている。


 嘘だろ。この展開は予想してなくはなかったけどホントに起こるなんて、勘弁してよ。


 僕は困惑しながら、自分を指名した女性二人を交互に見ている。


 どうするんだよ、これからくじ引きだよ。ミホノが当たりくじを引いたら、大変な事になるよ。


 かなり動揺しながら、僕は頭の中を整理していく。が、やっぱり上手くまとまらない。


 そんな会場の空気や僕の気持ちをよそに、黒ローブのリーダーは冷静に司会を進行して行く。


「第一回、チーム"フトオ"、選択希望パートナー。ユウト、僧侶タイプ」


 またまた会場がどよめく。連続して指名されてるぞ、そんな声も僕の耳に入って来る。


 フトオ……。フトオって誰?


 僕は名前も顔も分からない相手からの指名に呆然とする。そして、急いでその指名した相手を確認する。


 ステータスランキング二十位の人間のようだ。見た目はメガネを掛けて、かなり太っている男だ。汗をいっぱい垂れ流し、タオルで一生懸命顔を拭いている。


 やっぱり知らない人だ。話した記憶がないぞ。


 何で、そんな人間が僕の事を指名するんだ。僕は不思議に思い、じっとフトオと言う男を観察する。が、やっぱり何も分からない。


 サチとミホノも驚きを隠せずに動揺している。女性同士の一騎打ちから一転、三者間の争いとなってしまったのだ。


「それでは、今から指名の重なった方によるくじ引きを行いたいと思います。あ、指名が被らなかった方は、コンビ確定です。おめでとうございまーす」


 黒ローブのリーダーの声に会場がまた盛り上がる。コンビが確定したメンバーから歓声や悲鳴が聞こえる。


 良い結果になる人間、悪い結果になる人間、今の段階では分からない人間。このドラフト会議は、三種類の結末に別れるみたいだ。


 果たして、僕の運命はどうなるのか。

 

 僕は周りの一喜一憂している他の人間を見ながら、これからの自分に訪れる未来の事を考えていた。


 上位ランカーの指名が重なった人間によるくじ引きが始まる。当たりくじを引けば、コンビ確定。ハズレくじなら、指名されなかった人間を改めて指名しなければならない。


 また、ここから新たなドラマが始まる。そんな予感を僕は感じていた。


 他の人達のくじ引きの結果を僕は客観的に見ていた。当たりくじを引いて望んだ相手とパートナーを組める人、ハズレくじを引いて次のパートナー候補を探す人。


 僕の場合はどうなるのだ。一体、僕は誰とパートナーを組む事が出来るのだ。僕は待っている間、ただ不安でしかなかった。ネガティブな結果だけが僕の頭の中で繰り返されていた。


 そして、いよいよ僕を賭けたくじ引きが始まる。指名して来たのは、この三人だ。


 ルーン語の詠唱魔法と召喚魔法を操る、二刀流の魔法使いサチ。


 並外れたスピードと巧みな技術を持っているシーフ、ミホノ。


 そして、謎に包まれた太ったメガネの男、フトオ。


 この三人の内、誰かがくじ引きの結果により、僕の最初のパートナーとなるのだ。


 もちろん、僕はサチに選んで欲しい。そんな気持ちの中、運命のくじ引きが始まる。



 









 

読んで頂き、ありがとうございました。

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