08【日曜の市での出会い】
ここらでは一般に交じって魔女や魔法使い、その子孫なんかが市に出品することがある。
油を使うランプとか、懐中電灯、間接照明・・・
ヒモを引っ張ると消灯点灯だと訓練されている光キノコ・・・
「うーん・・・」
「いらっしゃい」
「え?」
突然周りの情景がぼんやりして、頭の芯がふよふよとめまいみたいなのが起きた。
そこにいたのは美女で、自然と「何かあった時の光るものが欲しくて」と言った。
「それなら、このこ」
「ん・・・?」
美女がしめしたのは、ランプ型の容器に入った光妖精。
主人のエネルギーを吸ってるから、特に物質的なごはんはいらないらしい。
ランプをノックしてみる。
中の光妖精は、へりに凭れて腕組みをしながらかぶりを振った。
「私が回収した時は、夜用に玄関に吊り下げられてたんだ」
「それで、ふてくされているんですか?」
「そうみたいね。早く本当の主人に会いたいみたい」
「ねぇ、それっ・・・」
そこに声をかけてきたのは、同い年くらいに見える美少年。
白魔女さんと私がふりむいて、相手は少し困惑している。
「呼ばれてるような気がするんだけど、それ、なに?」
ランプの中の妖精が、認めるや否や羽根を羽ばたかせて光り出した。
少し雑談をして、結局彼が譲り受けることに。
店に飾るよ、と、地図付きの名刺を渡された。