表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
嘘日記~あかり~  作者: 燈(あかり)
29/31

29【花園】



 雨は一時的に弱まって、しとしとと道路も服も濡れている。


 そして計算した経路通り、危ないじじぃをまいたかもしれない。


 秘密の扉の鍵を、お守り代わりに持っていた。


 なので空地みたいな庭の雑草に隠れている扉の鍵を開けて、ふたりで中に入った。


 中はがらんとしていて、肩で息をしている自分を抑えるために深呼吸。


 ノアちゃんから中に入れて、内鍵をかけた。


 おそらく声を出さなければ、危ないじじぃには気づかれない。


 小声で彼女に「しばらくは大丈夫かも」と言う。


 するとドレスを着たままのノアちゃんは、へなへなと虚脱した。


 すすり泣きを始める。


「の、ノアっ・・・」


「お、俺・・・何も守れない自分が嫌だっ・・・したいっ、どうしようっ?したいっ」


「な、なに?何をしたいのっ?」


「したいよっ・・・どうしよう、こんな時にっ・・・どうしよー・・・欲しいよう」


「どうしたのっ?」


 頭を抱えて泣いているノアちゃんの前でしゃがむ。


 彼女の体が、男性化を始めた。


「あかりちゃんのために、俺、男にしかなりたくないぃ・・・神様ぁ・・・」


 まさかそういうことを言っているのか、って気づいてぎょっとした。


 殺されるかもしれない、ってことは死ぬかもしれない。


 だったら・・・初めては、ノアでいいかもしれない・・・。


「抱きしめていい?」


「早くぅ~・・・怖いよ~・・・」


 抱きしめて、抱き寄せて、おでこやほほや唇に口づけて・・・


 そして声を出さないように、わたしたちは時間をかけて試行錯誤をした。


 その日の夜は疲れて、翌朝、管理人さんに起こされるまでふたりで眠っていたらしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ