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嘘日記~あかり~  作者: 燈(あかり)
27/31

27【台風の予兆】


 しばらく近くに台風が来るらしく、台風対策の手伝いをしていた。


 そしたら、夜に「フェアリノス」で歌うノアちゃんを見に行ってもいいことになった。


 ただし、あまり長居しないことが条件。


 マスターの意向で、ノアちゃんは『プリンセスライン』のドレスを着ている。


 マスターがお酒じゃなくてノンアルコールのカシスオレンジを出してくれた。


 綺麗でとっても素敵な歌声。


 妙に嬉しい。


 歌の途中で視線があって、少しぎょっとしたノアちゃんは微笑した。


 実は来ていることを秘密にしておいた。


 歌が終わって、そしてそこで、店内に『うわさ好きのばばぁ』を発見。


 その横に、『危ないじじぃ』がいて、私に近づいてくる彼女に近づきだした。


「ノア君、危ないっ」


 席から立ち上がった私を一瞥して、『彼女』を見たじじぃとばばぁが二度見した。


 客前で、男性化したノア君。


 店内がざわつく。


「・・・すごいっ!!マジックってこれだったんだっ?」


 私の機転に、店内から拍手が起った。


 ノア君は挨拶のポーズをお客にして、私に近づくと腕をつかんで外へと出た。


「仕方ない。お嬢さん、代金はいらないよ」


 マスターののんびりした声に、中から「アトリメデューナ!」とばばぁが叫ぶ。


「家まで送るよ」


「もし女性化したら夜道は危ないよ」


 その時、店の扉が開いて、おもむろに外に出てきた人物がいる。


 危ないじじぃは、背中をかくような仕草をした。


 そして留めてあったのだろう刃物を取り出し、ガムテープをはがした。


「君たちを・・・犯して殺して・・・食べたい」

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