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嘘日記~あかり~  作者: 燈(あかり)
12/31

12【「フェアリノス」】


 日曜の市で名刺を渡した美少年は、昼間から酒をかっぱらっていた。


 どうやら外猫アンジーをヴィリオンと呼んでいる老爺のカフェの関係者。


 おもむいたカフェのカウンター席に彼はいて、名前を「ノア」と言うらしい。


 近所の婦人たちが、彼が女装家であると言っていた。


 店の中は薄暗く、自然光が外に面した窓の形を影みたいに落としている。


 店に入ると壁際に設置されたランプが光った。


 市で見かけた妖精がいて、光を発生させながらこちらに手を振っている。


 手を振り替えして、そして「ノア」君に声をかけられる。


 どうやら酔っていて、妙にケラケラしている。



「本当は夜にしか酒は出さないけど、マスターの孫特典。いける口?」


「いいえ、まだ特に飲んだことないの」


「何歳?」


「少なくとも15歳」



 大人びた姿のノア君は、去年の夏休み期間に身長が15センチ伸びたらしい。


 それから外国の血が入っていて、店の名前「フェアリノス」は外国での苗字らしい。


 喉仏あたりがセクシーだなぁ、と思ってぽんやりしていた。


「俺に興味あったりする?」


「え?」


「俺はあんたに興味あるんだけど・・・」


「・・・えっ?」


 そこに用事をすませたマスターが近づいて来て、銀盆でノア君の頭を軽く叩いた。


「飲み過ぎだ、アホ」



 ソムリエルと言う伝説のひとのおかげで、数百年たった今でも飲酒は15歳からだ。


 今度デートしようぜ、とノア君に言われて「急に変なことしないなら」と答えた。

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