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11【キノコの家住宅街に住む絵師】
建築にむいているキノコでできた住宅街の一室。
そこには薬酒が必要な絵師さんがいて、届けに行った。
床や壁なんかも絵の具で彩られている。
とにかく絵を描くのが好きで、雑食、ってやつらしい。
「これ、どう思う?」
下絵をノートにメモしてあったらしく、それを見た私は素直に綺麗だと言った。
「こんなん好き?」
別のページをめくられて、好みだと思ったので「素敵」と言った。
そしたらそのページをやぶいて、「あげる」と渡された。
「え、あ、ありがとう」
「うん」
その日はそのあとオオカミさんとの誕生日のお祝いがあった。
なので絵を部屋に飾るかどうかまじまじと思案したのはその翌日。
ふと紙の裏を見てみて、重要と言う文字と電話番号らしきものがメモしてある。
ためしに検索をかけてみると、それは児童園のもの。
絵師さんが児童園出身だと以前に話は聞いていた。
今日はのんびり自宅でごろごろ休もうかと思ったけど、絵を返しに行くことに。
「律儀やなぁ」
現在電話を持ち合わせていない絵師さんは、感心していた。
「何かの事件やったら巻き込まれてるよ。今時、リアルやて」
「・・・そうなんですかね?」
「あんたさん可愛い系だから、重々に気ぃつけえな」
二十二歳の一人暮らしの男の住処にほいほい出入り・・・
端から見ると軽い女に見えるのかしら?




