俺はこいつみたいになりたかったんだ。
ふぅ…。(-。-)y-゜゜゜
俺は煙草を吸いながら教徒共を値踏みしていた。
喫煙所の周りには俗に言う「若者」が群がっていた。(俺もその一人だが)
それにしてもこいつら若いな。
俺より年下もいるし、20代後半がメインでそれ以上はあまり見かけないぞ。
ったくこれからどうなることやら…。俺の愛用の煙草を吸ってもちっとも気分が落ち着かない。
俺は、こいつらが向かう先にとりあえず一緒に付いていき、ホテルの一室というのか…デカい部屋に案内された。ホワイトボードがあるだけの殺風景な部屋だ。そこに既に何10人、いや、100人近くいたと思う。
(え……全員でこんないたの???)
「ゼロ君、ここで座ってていいよ」
ラミナさんが声を掛けてくれた。
「こ、こんな人数横浜にいたっけ……?」
「全員じゃないよ、栃木とか色んなところから皆このイベントの為に来てるんだよ」
「あ、…そうなんだ」
そうか…。
それぐらい価値のあるイベントなんだもんな…。
その部屋の最前列に配置された20個の椅子。ここに俺は座らされた。
…察した。この20の椅子に座る奴等が今回の主役か。
ふざけんなよ、俺そんなガラじゃないのに…。
やることがないので俺は携帯をいじる。
俺の後ろには、100人余りが楽しそうに雑談をしている。
本当は煙草でも吸いに行きたい。 いや、煙草などどうでもいい。
とりあえずやること教えてくんねぇかな…。 不安だからこの部屋出たいんだよ…。
俺の周りの席も全員が座り始めたところで坊主の若い兄やんが前に立った。
「皆さん、こんにちわーーーーーっっ!!!!!」(絶叫)
「こんにちわーーーーーっ!!!」
うお……。後ろにいる教徒共からも同じ反応があった。
マジで絶叫だった。たかが挨拶なんだからここまで叫ばんでも…と思うくらい。
ビビったと同時に俺は笑ったのを覚えている。
「あれ?皆さん返してくれない…。こんにちわーーーー!!!」
今、考える。
俺ライブとか行ったことないし、皆でやる声出しとか、人生でただの一回も本気でやったことがない。まず、やりたくねぇし。前回書いたトークショーでそんな声出しがあった。
「じゃ、皆さん、○○(名台詞)叫びましょうか!!!」
「行きますよー」
「○○ーーーーーーーっっ!!!!!」
俺、恥ずかしかったけど頑張って声出した。
このゲームめっちゃ好きだし、その台詞も俺、家で真似しまくってたし(笑)
でも、そん時の自分の声聞いてビビった。
「恥ずかしいけど、頑張って声出したんだな」って自分で思った。こんなんならやんなきゃ良かったよ。
で、だ。
その俺が、だ。
この時は恥ずかしさや照れくささの邪念などなく、心穏やかに言えた。
「こんちわーっす!!」
なんで俺が笑ったか?
俺はこの人みたいになりたかったんだと思う
明確にそう思えたわけじゃないが、心のどこかでこうなりたい自分が見えていたんだろう。(その10年後の現在、仕事で定時になった瞬間に『帰ろうぜええぇぇっ!!!』と叫べる自分が好きだ)
まさか、俺がこのクソアウェーの状況で大声で挨拶できるとは…。
「皆さん、今日は忙しい中来てくれて有難う御座います。『変わりたい』という気持ちがとても大事です。皆さんのその気持ちを感じて、僕ももっと変わることができればと思います」
…ん? 変わりたい? あぁ、なんかリテュエルがそんなこと言ってたな。 俺はそんな本気で変わりたいなんて思ってないんだけど…
うんぬんかんぬん、『自分を変えること講義』を聞かされた後、今度は拍手の効果性について語り始めた。
「その効果を実際に体験してほしいのでじゃあ……誰か1人、前に立ってみましょう」
「……」
おい、待て待て。
この場に100人ぐらいいるんだぜ、いきなりそれは……。
兄やんは、俺ら20人の顔を見る。
端から順番に見ていって皆さんは下向いたり、そっぽ向いたり…。
『目が合ったら当てられる』
皆さんも同じようなことを考えていたのだろう。
ただ、俺は顔を上げていて目が合った。
兄やんの目線はそのまま通り過ぎ当てられることはなかったが…。
まぁ、これは多分、俺の覇王色の覇気だ(笑)
俺は人前に立つの好きではない。人前どころか人と話すのすら好きではなかった。でも、この兄やんのことはさっき書いたように、俺は尊敬の念を持っていたと思う。だからこそ俺は顔を上げていられた。
もし俺が前に立ってくれなんて言われようもんなら、こう言うつもりだった。
「嫌です。絶対立たないです」
・
・
・
(^^;
まぁまぁまぁ、自分の意見を言えたことは良しとしよう。
嫌われることに怯えていた俺が、クソアウェーの場でこれを言えたのはこの兄やんのおかげだ。
「俺がこの人に否定の意見を言っても大丈夫だ」
この安心感が兄やんにはあった。
結局、指名されたのはデブチンでそわそわしながら前に立った。(立たされた)
「じゃあ、皆さん。彼に拍手をお願いします」
『ぱちパチ888888888888』
学校で表彰されたとき以来に聞く拍手の大きさ。 それがこのデブチン1人に向けられてた。
デブチンは、100人の拍手に驚いたような、照れくさそうな顔をしていた。
この兄やんに言われたら俺だってそこに立つことはできた。
でも…やらなくて正解だった。 俺が驚いて、照れくさそうな顔をしているところなんて100人の前で見せられるかよ。
「どうでした?」
「何もしてないけど、皆さんに凄い褒めらているような…そんな気分になりました」
「拍手は凄い力があるんです。この合宿では誰かが良いことをしたとき、積極的に拍手をしてあげましょうね」
ふーん、分かった。
って、え…? 俺は眉を吊り上げた。
今、なんて言った?
「がっしゅく……?」
『世界』https://twitter.com/zeromenuetto
如何だっただろう?
人前に立つ勇気に悩まされる日々。
次回更新まで、しばし待て。
『ブックマーク』と広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしてくれれば、広がりやすい。
評価ボタンは俺のモチベーションに繋がる。
俺がより感情的になれる。
それを、より論理的に伝えられるんだ。
是非、押していってくれ!!
最後まで読んでくれてありがとさん!!!