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気をつけろ!俺の場合、宗教の勧誘はこんな感じだ。

 

 リテュエルとのデートはまぁまぁ(超)楽しかった。

 感触自体は良かったと思うので俺は、その後も意気揚々とメールしていた。

 それからちょっとしてからか…。


 俺がベッドの上でゴロゴロしてる時に、電話が掛かってきた。

 リテュエルからだ。

 まぁ、俺もバカじゃない。


「まーた、くだらん営業電話でもかかってくるんかな…」

 とかは考えた。

 それでも……


「もしもし…?」


 俺は懲りずに、電話に出た。

 いやぁ、だって相手が女だからね。ダメだと分かっても(分かってない)出てしまうのが男の嵯峨よ。


 内容は覚えていないが…雑談をしていたんだと思う。

 電話してすぐに営業なんて誰もしないだろう。


 そう、営業の電話だ。

 だが…キャバ嬢の、ではない。



 これは…

 宗教の勧誘の電話だった。



 宗教と言ってもよくわからん霊がとか、怪しい壺を売るだとかそんなんではない。

 切り口は前回のデートで俺が言った文言。


「俺、友達いない」(ドヤァ)


 付き合いがめんどくせぇ。

 バイト先のクソ野郎に30万借りパクされたから、友達とか信じられん。信じるのもめんどくせぇ…。



 このことをネタに勧誘してきやがった。


 この宗教は…というか、もしかしたら宗教ではないかもしれない。

 確かに俺も、皆さんに分かりやすく伝えるために、便宜上、宗教と言っているし、人によっては違った表現をする人がいると思う…。


 なにせ、リテュエルですら「宗教」とは思ってないと、思う。

 じゃあ、俺が何で「宗教」と言っているか?

 それは、この宗教は『人間関係』に重点を置いている。いや、人生において、人間関係に()()重点を置いていないからだ。

 だから、俺は宗教と言わせてもらう。


 携帯を止められ、食い物にされていることにも気付かず、友達(教徒)といられて幸せだ、と思ってる奴もいた。

 今、思うと、恐ろしい。

 



 以下、リテュエルのお言葉


 ゼロ君に友達がいないこと。

 人を信じられない気持ちは私も良くわかる。

 

 昔バンドの追っかけをしていた頃、掲示板で自分の悪口が書かれていて、それを書いたのは親友だった。

 それを笑いながら告白された。

 ゼロ君と同じように、私も人を信じたくなかったけど、私の幼馴染があるイベントに誘ってくれて、私は変われた。


 人を信じられないより、信じられる方が絶対に良い


 泊りでやるイベントがある。

 絶対に来た方が良い。

 内容は知らない方がいい。その日のお楽しみだ。

 

 本当ならば10万円の参加費が掛かるけど2万円でいい。

 それでもし、納得いかなかったら私が自腹で返す。

 それぐらい自信があるし、絶対参加した方がいい。

 ゼロ君と私は知り合ったばっかりだし、他のキャバクラのお客さんよりちょっと仲が良いぐらいかもしれない。

 でも、私も人を信じられない気持ちが分かるからこそ、ほっとけない。

 「変わりたい」っていう気持ちが少しでもあるなら参加した方がいい。


 -----------------------------------------

 


 そうか…。何をやるのか教えてくれないのか。

 まぁ知らない方がいい…ってのは一理あるんだが。

 

 それぐらい教えてくんねぇか?

 とはいえ、すげぇ熱意を感じた。(自分の弱さをさらけ出すのは相手を納得させる良いテクニックだ)

 特に、納得いかなかったら返金する…とは俺だったら言え……


 【ゼルダの伝説 TEARS OF THE KINGDOM】

 絶対買った方がいい。

 つまんなかったら俺が全額返金する。(こういうことか)



 俺はこの時会社も倒産し、ニート状態だった。


 だから…


 「わかった、俺、、、行くわ!」


 このイベントに参加することにした。

 さっきも言ったがリテュエルの熱意に心を打たれた。

 こいつ本気だわ。

 本気で俺に変わってほしい…と思ってくれてた。宗教に引きずりこんでやる、なんて想い、微塵もなかったと思う。今でもそう、思える。

 この熱意には能動的に心を動かされた。



「じゃ、お金だけ持って横浜に来てね!」


(うわ、横浜まで行くのめんどくせっ)


 


 それから後日。


 チュンチュン。

 俺は、朝早くに起床し、横浜に向かった。

 なんでこんな朝っぱらから…とか小言を言いながら。


 横浜駅デカすぎて迷った末、指定された場所に行くと、リテュエルが迎えに来てくれた。

 ふーん。デートの時とは打って変わって俺をお出迎えか。

 それにしても改めて思うよ。

(こいつかわいくねぇ…。)


 まぁ、もういいけど。

 

 挨拶をすませて直ぐに言ってきた

 「私の本当の名前は○○(本名を言われた)」


 は?

 イラっとした。

 源氏名が本名って言ってたよな。

 こいつ、この期に及んで俺にまだ嘘ついてやがったのか…。


 本当に腹立った。

 遠路遥々、俺様が朝早くに横浜まで来てやったのに。

 もう帰ってやろうかと…思った。

  

 ここが俺の人生のターニングポイントになったわけなんだが…



 

 俺は、帰れなかった。。。


 なんでか…?

 さっき書いた通り、遠路遥々、横浜まで来て帰るのも癪だった。

 帰ることはいくらでもできた。それぐらいの気力を俺は持ち合わせていたはずだ。


 「意見を変えるには勇気が必要」


 本に書いてあったこの言葉が身に染みる。

 確かに、どんな些細な事だろうが一度そうすると決めたことを変えるのは面倒だ。



 話を戻そう。


 「ほんで、イベントって何すんだよ」


 「行ってみてからのお楽しみ」


 一向に教えてくれない。

 そんな話をしながら、リテュエルに車のロータリーに案内されるとリテュエルの友達であろう奴らが30人くらい待ち構えていた。

 本当に全員リテュエルの友達だった。

 

 おいおいおい…なんなんだ?

 俺は、ただイベントに参加するだけじゃないのかよ…。


 俺は一台の車の近くに案内され、そこにいた数人に紹介された。(やめてくれよ…)

 緊張と不安が走る。

 

 「私の友達、ゼロ君ね」


 「…ょロしくお願いします(◎o◎)」


 そこにいたモノトーンの服にハットを被っていた、お洒落男児。

 こいつは、バロンと名付ける。

  

 「はじめまして、バロンです」

  

 俺は今でこそ、人前に出るときは自分の服装を『衣装』と呼べるくらいのモノに昇華させているつもりだけど、こいつは当時俺と同い年の23歳にも関わらず、そして、プライベートに関わらず衣装レベルのお洒落だった。


 「ぁぁ、ゼロです…宜しくぉ願ぃします」


 もう一人紹介しておく。


 「はじめまして、ゼロ君。ラミナです(^^)私のこと、同い年の友達だと思っていいからね」

 

【ムーンアルミラージ・ラミナ】

 ラミナは超美人。

 いきなりそんなことを美人に言われてしまったものだから、俺も少しデレっとしてしまった。

 リテュエルをこのイベント…いや、宗教に誘った張本人でリテュエルより遥かに可愛い。

 茶髪の巻き髪でよりキャバ嬢っぽい。

 というかそこらのキャバ嬢より美人。

 


 後何人かに紹介されたがそいつらは割愛していく。

 

 いわば…アウェーだ。

 (いや、ちょ、これは……びびるて…。)

 

 リテュエルの友達軍団に何の前置きもなく、俺を紹介するなよ。

 転校生の自己紹介みたいで……それは俺によく効く。

 

 このせいで俺は縮こまっていた。

 粗相のないように(嫌われないように)しなければ…

 

 そんなこと思っていたわけじゃない。

 でも、俺の意識の中で優先されていたのは、そこだろう。


 「じゃ、行こっか」


 リテュエルはそう言うと車に乗り込んだ。


 「え?どこ行くの?」


 「イベントの会場。ここから1時間ぐらいだよ」


 …。そうか。車で行くのか……。



 俺はもう、思考が止まっていた。

 



『不安か?』


 たとえ第三者にこの質問をされても俺は`No`と言っただろう。確実に。


 今、回想すると超超超不安だった。

 けど、そんなことを考えたくなかった。

 考えられなかった。

 リテュエルとラミナさん(^^)が美人局なんて俺にするわけがない。

 この二人が俺にそんなことをするかも…?なんて…ねぇ。


 いや、それよりも二人に襲われるかも…ニチャアアァァ(*_*)

 


 

 んまっ、大丈夫だろっ!

 

 (俺の知っている)リテュエルもいるしな。



 …かくして、俺は千葉にあるこいつらの秘密基地に連れ去られた。




『世界』https://twitter.com/zeromenuetto


如何だっただろう?

次回更新まで、しばし待て。



『ブックマーク』と広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしてくれれば、広がりやすい。


評価ボタンは俺のモチベーションに繋がる。



俺がより感情的になれる。

それを、より論理的に伝えられるんだ。


是非、押していってくれ!!




最後まで読んでくれてありがとさん!!!


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