その六 楽面君と浅井君
望美の誤魔化しを勝手に深読みした宏人。
何を思ったのか、翌日宏人は通の席へと向かいます。
果たして宏人は何をするつもりなのか?
どうぞお楽しみください。
翌日の休み時間。
宏人が通の席へとやって来た。
「なぁ楽面」
「何? 浅井君」
「お前好きな女の子とかいる?」
「え、別にいないけど、何急に?」
戸惑う通の肩を宏人はポンポンと叩く。
その目は隣の席の望美に注がれていた。
(このくらいじゃ動揺は見せないか……)
当の望美はというと、
(楽面君、好きな子いないんだ! 良かったぁ……!)
と聞き耳を立てつつ内心でガッツポーズを決める。
そうとは知らない宏人は、更に一歩踏み込んだ。
「そっかそっか。じゃあ可愛いなって思う女の子とかいる? うちのクラスで」
「えー、そうだなぁ……」
あちこちとさまよった通の視線が、望美のところで止まる。
「五階さんかな」
「!?」
「え、楽面、そうなの、か……?」
片思いだと思っていた二人の動揺をよそに、通はニコニコと話を続ける。
「五階さんって、赤くなったり怒ったり嬉しそうにしたりして、表情がどんどん変わるのが何か可愛いなって思うんだ」
「え、あ、おう……」
予想を更に裏切られ、動揺から立ち直れない宏人。
すると、望美が勢い良く立ち上がり、
「あっあんたに可愛いって言われたって全然嬉しくないんだからねっ! かっ勘違いしないでよねっ!」
「えっ、あ、ごめ」
「ちょっちょっと席外すけど、トイレに行ってくるだけだからねっ! かっ勘違いしないでよねっ!」
言うだけ言って、教室を飛び出して行った。
残された通と宏人は、ポカンとした表情を浮かべる。
「あー、可愛いじゃなくて、キレイって言った方が良かったかなぁ」
「え、お前、え……?」
失敗したと頭をかく通を、信じられないようなものを見る目で見つめる宏人。
少しして戻った望美がいつも通りだったのを見て、通は安堵し、宏人は戦慄を新たにするのだった。
読了ありがとうございます。
みんなポンコツ ずっとずっとポンコツ
高校行っても ずっとポンコツ えぇ……?
収拾つくのかなこれ……。
次回もよろしくお願いいたします。




