その三十二 確信と詰問
待ち合わせにやって来た美夜子に、何かを確信した望美。
その事を美夜子に問い詰めますが……?
どうぞお楽しみください。
ナンパ男達が立ち去って十数分後。
「お待たせ五階はん、楽面君」
「あ、京極さん! おはよう!」
「……おはよう」
美夜子の挨拶に、通は笑顔で、望美は無表情で応える。
「五階はん、何かあったん?」
「……別に」
「えー、ほんま? 何やえぇ事あったんちゃうの?」
「!」
美夜子の言葉に、表情を変える望美。
(何故私が楽面君を彼氏と呼ばれて喜んでいる事を知っているの……!? やはりこの人……!)
何かの確信を深めた望美は、美夜子に詰め寄る。
「あなた、一体何を考えているの……!?」
「え、何が? ……うちは五階はんと仲良うしたいだけやで?」
「しらばっくれないで。あなたは浅井君も使って私の事を調べていた。そしてさっきのナンパ男達、あれもあなたの差し金なのでしょう?」
「え、え? ど、どうしたの五階さん!?」
「……」
望美の突然の態度の変化に驚く通。
無言になる美夜子。
「さぁ、あなたの目的を話してもらうわ」
「……」
望美は答えない美夜子に対して、達成感のような、虚しさのようなものを感じていた。
(……やっぱり人なんて信じなくて正解……)
そんな望美に、ようやく美夜子が口を開いた。
「……五階はん……」
「ようやく話す気になったかしら」
「……ほんまに何の事……?」
「えっ」
目を丸くする美夜子に、固まる望美。
「……ふ、二人ともどうしたの……?」
通の言葉が、固まる二人の間を流れていった。
読了ありがとうございます。
ん〜? 間違ったかな……?
次回もよろしくお願いいたします。




