その二十三 プレゼントとお願い
通が取ってくれたチベットスナギツネを、欲しくないと拒否してしまった望美。
気まずい空気が流れる中、美夜子が意外な行動に出て……?
どうぞお楽しみください。
ゲームセンターの中。
通が渡そうとした『くしゃみが出そうで出ないチベットスナギツネ』を望美がテンパって拒否した事で、四人を気まずい空気が包んでいた。
「……」
「……」
「……」
「……あの」
沈黙を破ったのは美夜子。
「……それ、うち貰てええ?」
「え、うん、いいよ」
「……!」
「あーあ……」
美夜子に言われるままにチベットスナギツネを渡す通。
宏人のわざとらしい溜息に、望美は焦りを深める。
しかし、
(……一度欲しくないって言っちゃった以上、今更欲しいなんて言えない……。折角楽面君が取ってくれたのに……!)
一度断った事を気にする望美は声が出せない。
(こんな素直になれない私なんて、純粋で真っ直ぐな楽面君に近づいちゃいけなかったんだ……)
思い詰める望美。
すると、
「本当は欲しかったんちゃうの? このぬいぐるみ」
「……え?」
「ぬいぐるみ欲しいなんて、いつもクールな五階はんは言いづらいやろからなぁ」
「あ、そうだったの五階さん!?」
「……えぇ」
「じゃあ取って良かったー!」
いつもの感じに戻った通を嬉しく思いながらも、美夜子の意図が読めず戸惑う望美。
それでも通に心配させないよう、ぬいぐるみを受け取った。
「あ、ありがとう」
「その代わり、一つお願い聞いてくれへん?」
「……何?」
「この後、女の子同士で話したいんやけど、ええ?」
「……わかったわ」
その様子を眺めていた宏人は、
(宣戦布告、か……)
一人深々と頷くのであった。
読了ありがとうございます。
さて、女の戦いになるのかどうか……。
次回もよろしくお願いいたします。




