その十九 服屋と初めて
ショッピングモールの最初の目的地である服屋にやって来た四人。
そこで通の意外な事実が明らかになり……?
どうぞお楽しみください。
ショッピングモールの洋服店『RUM MASSY』。
手頃な値段で男物女物取り扱う、服飾量販店。
「わぁ! 服いっぱいあるね!」
「……そうやね」
「楽面、お前ラムマシ初めてか?」
「うん! いつもお母さんが買ってくれるから!」
「……楽面君、そうなん……」
「お前、高校生にもなって……」
通の言葉に絶句する美夜子と宏人。
その横で望美は、
(可愛い……! 私が選んであげたい……!)
とあばたもエクボの心境で内心でうっとりしていた。
そこに、
「え、お母さんに服買ってもらってるのってよくないのかな!?」
と通が言う。
突然の言葉に、望美は反射的に叫んだ。
「なっ何言ってるのよ! かっ可愛い……」
そこまで言って、望美は失言に気が付いた。
気が付いてしまった。
慌てて取り繕う。
「……なんて言ってもらえるのは小学生までよねっ! こっ高校生になったら自分で選ぶのが普通じゃないかしらっ!?」
「そ、そうかぁ……」
その言葉に目に見えて落ち込む通。
(あああ! 楽面君をなじるつもりなんてないのに!)
更に慌てた望美は、必死に言葉を続ける。
「でっでもこれまでお母さんに選んでもらってた人が急に自分でできる訳ないんだからねっ! しっ仕方ないから手伝ってあげるわっ!」
「え、五階さん、いいの!?」
「べっ別にクラスメイトを助けるのは人として当然だからするんだからねっ! かっ勘違いしないでよねっ!」
「うん! ありがとう!」
そんな二人を見ながら、
「はぁ……」
「やれやれ……」
美夜子と宏人は深々と溜息をつくのであった。
読了ありがとうございます。
男の子には稀によくある。
次回もよろしくお願いいたします。




