その十 失言とお友達
転校生京極美夜子は、クラスの大半から『嫌味な京都キャラ』として認識されてしまった。
しかしそんな事を気にしない通は普通に話しかけ……?
どうぞお楽しみください。
休み時間。
遠巻きにされている空気の中、美夜子は澄ました顔で席に座っていた。
その様子がまた朝の挨拶の嫌味っぽさを強調する。
しかし美夜子の内心では、
(あかんあかんあかん! しくじってしもぉた! どないしよ!?)
とパニックに陥っていた。
実は美夜子に嫌味のつもりはなかった。
しかし緊張していた所にどよめきが広がった事が美夜子の冷静さを奪い、余計な一言を言ってしまったのだった。
顔が強張っていた事が更に事態を悪化させた。
クラスの大半が『京都以外を見下す京都キャラ』として美夜子を見ているのを感じ、美夜子は絶望に包まれかけていた。
その時。
「京極さん」
「はひっ!?」
突如かけられた声に驚いて振り返ると、そこには人懐っこい笑みを浮かべた通が立っていた。
「僕、楽面通、よろしくね!」
「は、はぁ、よろしゅう……」
クラス全体から嫌われたと思っていた美夜子は、混乱した頭のまま、通の言葉に頷き返す。
それを見ていた望美は、
(がっ楽面君は誰にでも優しいだけなんだからねっ! かっ勘違いしないでよねっ!)
と内心でツンデレ台詞を呟くのだった。
読了ありがとうございます。
おや? 美夜子の様子が……?
次回もよろしくお願いいたします。




