四話 村に行く途中で寄り道してしまいました・・・
小鳥の囀りが聞こえる。それもけたたましく聴こえてくる。俺は、小鳥達の目覚ましで目を覚ます。辺りはすっかり明るくなっており、眩しくて少し眼を閉じる。焚き火はというと、まだ燃えており、スキルの効果はきちんと機能してる事に安心する。それと結界の方も、機能してるようだ。さてと、すぐ起きて村へと向かうかね。
「スキル解除」
俺がそう呟いた瞬間、焚き火は燃え尽きたかのように火が消えて、結界は粒子が拡散するように消えていった。なるほど、スキル解除と言えば、スキルの機能は停止するのか。なんかスキル解除のコマンドをわざわざ言わなきゃいけないのだろうか。ワンチャン次は心の中で、意志でスキル解除してみるか。
俺はポーチを腰に巻き、歩き始める。また歩き歩き大会かよ・・・。しんどいな。俺はそう思いながら、森の中を突き進む。
歩き始める事数十分、何か嫌な予感するな。俺は耳を澄ましている。何やら北西側から物音、いや足音だな。とりあえず向かってみよう。そして草陰に俺は隠れながら様子を見る。洞穴、洞窟か?そんなあからさまに山の中、穴が空いていた。そして動いている緑色の存在がいた。うん、昨日やりやがった緑野郎ことゴブリンだな。
しかし、どういう事だろうか。何故ここに住処がある。役に立たない地図を今一度確認してみる。うん、この村の近くにゴブリンの住処があるとか書いているな。それもこんな端の方に小さい文字で、書かないでくれませんかね。推測だから小さく書いたのか。まぁ〜それはいいが、村の近くにゴブリンの住処ねぇ〜。襲いやすいように、簡易的な拠点を作った感じだな。
とりあえずどうしようかな……。洞窟に入って、ゴブリン共を制圧するのも手ではある。しかしデメリットの方が高い。もしこれでロクデモナイ敵とか出会したら、それこそ問題だな。
そんな風に考えていると、悲鳴を上げながら洞窟にゴブリン共によって連れて行かれている人達がいた。それも女性だ……。なるほどね……。
「殺るか……」
俺は何故かそう呟いた。
「剣錬成中級作成開始。構造作製を構築、物質の創造を開始。空気を鋼へと昇華。作製完了」
俺は、いつの間にか詠唱を開始して、普通の刀を作成した。それが俺の手の元に握られる。中級のスキルでもMPをだいぶ消耗するな。まぁ〜あの緑野郎から補填するか。
「合技スキル呪殺の煉獄舞踊」
俺は右手を、その刀で少し切り血を纏わせる。その刀は紫色に輝いており、それと一緒に紫色の炎が刀から発生していた。付与スキルはちゃんと機能してるようで安心した。それにしてもこのスキルは、HP消費するな〜まぁ〜仕方ないんだけどさ。
そして俺は、女性達を運んでいる緑野郎共の前に一瞬で立つ。そして俺は地を蹴り、加速して緑野郎の前へと迫る。そして緑野郎の首を、簡単に切断して緑の体が鮮血へと赤く色づく。その緑野郎は、声を発する事も無く絶命した。
「後、六体か……」
やっとゴブリン共は、俺の異常性を認識した。一匹やられても、臆する事も無く立ち向かうとか流石だな。いや、別に一匹なら問題ないとか思っている感じだな。これは。
「ぎぎゃぁぁぁぁーーーー!?」
奥にいる一匹が叫びだす。仲間を呼び出すというのは変わらないだろうが、これは危険性のある敵対生物が現れたとかの感じだな。五月蝿いから先にあいつから始末するか。
「うるせぇよ……。飛刃」
俺は真上から、刀を振り下ろす。その瞬間、血を纏わせていた刀から飛ぶ紫色の斬撃が発生する。それは叫び出していた後方のゴブリンの体を、真っ二つに分けた。一瞬にして迫っていたゴブリン共は、後方を一瞬少し確認してしまう。
「後ろ見るとか駄目だろ……。隙ありだ……」
俺は淡々と語る。そして一匹のゴブリンの前に立ち、斜めに斬る。血が噴水のように、飛び俺に降りかかる。うげぇ、臭ぇし汚くなってしまったな。接近して攻撃するのは辞めなきゃな。
俺はそう思うと、バックステップをして距離を取る。女性達は三人くらいだな。三人に当たらないように、しなきゃね。
腰を低くして刀を腰付近に携える。そして息を、大きく吸いながら、俺はこう言う。
「横一文字・飛刃」
俺は刀を真横に振る。まるで空気を一瞬斬ったような錯覚を覚える。さっきまでは飛ぶ斬撃が見えていたが、今回は違う。見えなかった。集中力を極限まで高めた結果だろう。
四体のゴブリン共の体が、横に真っ二つにとなる。まるでダルマ落としのように、上半身が地に落ちて下半身は立ったままだった。
さっきまで泣き叫んでいた女性達は、キョトンとしている。そして俺の事を凝視していた。まぁ〜俺の姿って今は、七歳くらいだしな。それが一瞬にして、ゴブリン共をフルボッコにして血祭りに上げたからな。仕方ない感じだな。話しかけても大丈夫だろうか……。
俺はそう思いながら、女性達の前へと近づく。俺の血塗れの姿を見ても、大丈夫だろうか。ていうかこんな子供は、どう言い訳しようか。この世界の常識とか知らんしね。う〜むと俺は悩むが、とりあえずとってつけたような言い訳をこねよう。そうしよう。
「すみません。僕、迷子でしてここら辺とかに村とかありますかね」
大丈夫だろうか。これで俺とか信用して貰えるだろうか。難しいけど、仕方ない。何も分からないんだしな。
そして一人の女性が話し出す。その女性は短めの茶髪のいかにも農村の人のような服装をしていた。そしてなんか、無駄に顔がいい。まぁ〜今はどうでもいいが……。
「ありがとうございます。助けてくれて。それで私達の村なら、ここを東の方に行った所にあります」
あまり俺の事を、恐怖してないな。あれかな。救ってくれた安堵の方が強くて、救ってくれた人に失礼だなとかそんな感じなのだろう。しかしまだ、小刻みに体が震えているな。
しかしこれ以上、ここにこの女性達を長居させるわけには行かないだろう。多分、そろそろさっき後方でアホみたいに叫んでいたゴブリンのせいで洞窟から援軍が来てしまうかもしれない。俺はここで、洞窟の制圧をしなきゃいけないだろうしどうしよう。
そうだな。あの手があるかな。
「召喚・獅子なる者」
俺がスキルを発動すると、目の前に獅子が現れた。実力は結構あるし、彼女達の護衛にも安心だし、なおかつ震えている女性達のメンタルケアになってくれたら一番だ。
「主人の呼び出しできました。ご命令を!」
「彼女達の護衛をしてほしい。後もしも本当にやばくなったら俺と位置を変われ」
「御意。マスター」
何故獅子を呼び出したかというと、一番の理由が任意で距離に関係なく位置を変えれる点である。それがこの獅子の最大の特徴であり、特殊能力だ。
アースガルドでは、よく新人狩りとか悪質なプレイヤーキルから守る為だったり、レベリングの為にとよく駆り出されていたのを見かけたことがある。俺もよく新人達に、獅子召喚を頼まれたな。懐かしい。
「この生物は?」
ん?ライオンを見たことない?まっここ周辺には確かにいなそうだが、それにしても名前くらいはというかこう言っちゃなんだが、危険動物の代表格みたいな種類のやつだぞ。まぁ〜この人達が知らないだけの可能性もあるし、考えるだけ無駄か。
「この子が、君達を村まで護衛してくれるよ。先に村まで戻っててほしい」
この女性達もこんな所に早くも長居したくないだろう。早く村に戻って村の人達を安心させたいしな。
「貴方は?」
俺の事を心配してくれるのか。優しい人だな。しかしこのままでは、またいつ村が襲われるのか分かったもんじゃないしな。制圧は、俺の異世界での安心安全の日常を守る為には必須事項だ。うん。後、昨日の恐怖の憂さ晴らし。
「僕は大丈夫だよ。それより早く行ってね」
そう俺が言うと、女性は立ち森へと消えていった。
さてとやりますかね。この異世界初めての洞窟制圧を。リアルで現実だから、少し不安だけどね。
四話最後まで読んでくれてありがとうございます。
「呪殺の煉獄」のスキル一覧
「呪いある我が右手」右手で持った武器に呪いの付与「自傷への等価交換」HPを任意に消費して、任意の能力を増加させる「紅き呪物」HPを消費して、呪いの効果上昇「赤熱する血」HPを消費して、炎の効果の付与「代償ある認識」HPを消費して、認識、感覚の上昇「彼岸の鼓動」HPがなくなっても、十五秒は動ける「破滅なる器」HPがなくなった状態時、全ステータス向上「血の花の蜜」HPやMPが吸収により、限界値を超過する場合、ストックする事が可能
呪い:対象の存在に呪いを付与すると、HPとMPが徐々に減って付与した自身が回復する。
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