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八千職をマスターした凡人が異世界で生活しなくてはいけなくなりました・・・  作者: 秋紅
第一章 異世界で生きなきゃいけなくなりました・・・
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二話 八千職をマスターしたのはこの時のためだったようです・・・

そして俺は眼を閉じながらゴブリンの棍棒が振り下ろされる瞬間を、待っていた。きっととてつもないほど苦痛なんだろう。しかしビルからとか高い所から落ちた時って意外と痛くないらしいと聞く。脳が極度の痛みのせいで反射的にドーパミンが出て痛みを和らげるらしい。それなら自分は頭上に棍棒を振り下ろされて血を流して倒れても安心だな!



 うん……安心するしかないよ……。死ぬしかないし。




 ていうかまだかよ!?まだ痛ぶるために精神的に追い詰める為に、やんないのかよ!?




 そう思いながら俺は眼を開く。しかしそこにあったのはまだ眼を開けていた時と同じように棍棒を振り下ろそうとしてるゴブリンだった。あれから数秒くらいは経ってるはずだが、未だ動きを見せないゴブリンがそこにはいた。そして俺は周りを見渡してみると、固まっているようなゴブリンの集団がいた。

 時でも止まっているのか?いや止まっているなら分子の動きなども停止するはずだから暑さも寒さも温度は感じないはずだ。しかし温度は感じるということ別の何かだ。




 例えば危機的状況になると、認識する時間、体感する時間が極限まで加速するようなもの……。

時間遡行使(タイムトラベラー)のパッシブスキル危機加速クリーズ・アクセレラシオンが思い当たる。つまりアースガルドのスキル群がこの世界で扱えているという事だった。しかし多分HP(ヒットポイント)MP(マジックポイント)はこの体なので少ないと推測する。パッシブスキルで良かったと思うべきか。パッシブスキルだとMPを消費しないからMP切れで気絶しないから不幸中の幸いだった。




 さてアースガルドのスキルが使えるといってもMPが使えないんじゃやる事が少なくなる。

 匂いを覚えられているから逃げた所で更なる増援で、対処出来なくなる可能性がある。それなら排除という選択肢しかない気がする。




「さて……!やりますか!」




 まだ危機加速が続いているうちに決着をつけないといけない。



合技(オリジナル)スキル血の舞踊(ブラッド・ダンス)




 MPが勿体無くて、使わず雑魚の集団戦を終える為に考えた合技(オリジナル)スキルである。合技(オリジナル)スキルというのは、一度に複数のスキルを合わせて使うスキルである。オリジナルという事から自分で相性などを考えて登録するスキルだ。アースガルドの名物でもあったシステムの一つだ。ただオリジナルと言っても真似されたらオリジナルじゃなくなるしで、少し不憫で疑問なシステムであった。




 そして血の舞踊というのは、MPではなく、HPを使うスキルで構成されている。



 そしてスキルを発動した瞬間、血の糸のようなものを俺は操り、糸がゴブリン集団に突き刺さる。そして次の瞬間、ゴブリン達はまるで干物のように干からびて皮しか残らなくなった。

 うげぇ……ゲームとはだいぶ大違いだな。それもそうか。リアルだしね。俺を襲ったのが運の尽きだな。この緑野郎め!さっきはよくも俺を殺そうとしてくれたな。殺そうとしたなら殺される覚悟を持たなきゃね。因果応報だよ。本当に。




 それにしても少し体が軽くなったような気がする。これはバフの効果かな。そう思いながら俺は、ピョンピョンと跳ねてみる。跳躍力も上昇しているか。あと元気が少しいい気がする。これはHP増加の恩恵かな。しかしこれらはあくまでもバフだから時間が来たら切れるだろう。




 さてこのゴブリンについてだ。一つは装備が整っていたという点だ。俺はさっきまで逃走しか頭になかったし諦めていたからあれだったがよくよく見てみれば装備を着ていた。それも鉄で出来た鎧や剣などは、明らかにゴブリン達の知能で作れる筈もないものだ。つまり何かしらの強奪という線が濃厚だろう。行商人の物資を襲ったのか、村を襲い手に入れたのか、はたまた兵士達から奪ったのか、色んな可能性が考えられるが証拠が少なくてまだ分からない。

 とりあえず証拠だったり何かしら役に立ちそうなものをこの緑野郎共は持ってるか漁ってみよう。




 そうして俺はゴブリン共の遺物を漁ろうと近寄る。しかし皮だけになっても異臭がすごくて鼻が曲がりそう。なにこの……。糞などの匂いから、腐敗したような匂い、血の匂いまで様々な嫌な匂いを煮詰めたかのようなそんな激臭だった。漁りたくないがそれでも、手がかりや役に立つようなものが持ってたら一番いい。




 そして一匹のゴブリンの鎧を俺は見た。すごくきちんとしてる鎧だな。鎧の裏を確認してみた。そしたら何やら鎧の裏に文字が彫られていた。

 見たこともないような文字なのに、俺は不思議と意味が理解できた。




『フラム隊所属 アライ・ルナク』




 どうやらこれでこの装備達の所在が一つ判明した。兵士達がゴブリン共に殺されて装備を奪われたのだろう。フラム隊所属としか書いてないのは、少しあれだな。せめて国名とか彫っててくれていたならよかったのに。何処の国の人だとか分かれば、この地域が管轄してるのがその国である可能性が高いからだ。




 さてと他にはなんか持ってそうな奴いないかなと俺は次のゴブリンを漁る。なんか死体漁りしてるみたいでなんかやだな。しかしこれも生きる為に、仕方のない行為だ。決して鎧や剣などの造形に見惚れて漁ってる訳ではない。うん、そういう事にしてくれ。




 ん?ポーチか。一匹のゴブリンが腰に巻いていた代物かな。開けてみると、小さなポーチとは思えないほど空間が広がっていた。どうやら積載量増加の付与魔法(エンチャント)がかかっているのだろう。中には色々な物が入っており、ポーションのような薬の類、宝石のようなもの、あと四つ折りに折られている紙のようなもの、あと林檎などの食料とそのポーチには色々な物が入っていた。




 ポーションや宝石の類は後でにして、まず折り畳まれている紙を見る事にした。その紙を開くと、どうやらこの地域一帯の地図であった。ビンゴだな。地図があれば、この森を抜ける事が出来る。

 なになにこの森の名前はヴィーザル大森林か。それで近くに川があった事もあり、東端が俺がいる現在値かな。やはりアースガルドとは何もかもが違うな。ヴィーザル大森林なんて地名、ゲームでは何処にもなかったぞ。つまり地名でもアースガルドとの接点は皆無に等しいということ。なら何故スキル群だけは扱えたのだろうか。まぁ〜そこら辺考えてても仕方ないか。




 まずこの森の脱出が先決だな。地図を見てみると、何やらサインのような丸が書かれていた。どうやら農村が、ゴブリン集団の襲撃に遭って、それで兵士達が呼び出され対処しようとしたみたいだ。しかしだいぶ大きそうな村だが、襲撃に遭うという事はそれなりの数で襲撃したのかもしれない。俺が会ったのはその残党という可能性もあるな。



 出来れば保護してもらいたいが、なかなか難しい気がする。村が大変な状況になってるのに保護してくださいなんて言うわけにもいかない。この地図を見るだけで何となく予想できる。ただこの地図だけでは、まだ全然情報不足なのも否めない。そこら辺を考えたら、情報収集の方をその村でした方が賢明だな。村が残ってるか残ってないかまだ分からないが、ひとまずその村まで行くしか道がない気がする。




 復興とかしてるならそれを手伝いたい気もするし、それで関係が良くなって情報も引き出しやすいしね。うん。壊滅してるならそれまでだけど今、一番の手掛かりであり唯一の手掛かりはこの村しかないから仕方ない。ここから北東に行けば、その村に辿り着くようだ。とりあえずその村まで歩いて様子を伺う事にしよう。



 そう考えがまとまったので俺は、河原から北東へと歩く事にした。

二話最後まで読んでくれてありがとうございます。



「血の舞踊」の発動スキル一覧


「血の糸」 「祝福の血涙」「生命の脱力」「肉体還元」「限界生命力」「極限瞬時生命奪取」「彼岸の鼓動」「破滅なる器」「血の花の蜜」



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