表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
八千職をマスターした凡人が異世界で生活しなくてはいけなくなりました・・・  作者: 秋紅
第一章 異世界で生きなきゃいけなくなりました・・・
20/366

十九話 悲しき芽を摘み取るようです・・・

「何を言っているんですか!? 意味が分かりませんよ!?」







 悪役組織の男は、動揺を隠しきれないようだった。実際俺も何を言っていたのかさっぱりだが、まぁ〜なんでもいいだろう。事実を言っただけだし。







「あんたに教えるわけないだろ。とりあえず今は、あんたを潰す事が先決だ」







 俺は神級スキル陽炎の宴(バーニング・グレイブ)を使った。家周辺は獄炎に包まれた。それに男は身を焼かれる事はなかった。どうやら火炎耐性は身につけているようだ。






「やっぱりこんな教典を使うより、自らの体を、自らのスキルを使った方が早いな!?」






 そう言いながら、男は本を投げて空間に入れた。いいな。あんなスキルなかったぞ。






「驚天動地・霹天謳歌」






 男の体は、雷と炎に身を焼かれる。しかし男の体は平然としていた。むしろより身体能力が倍化しているような気がした。





「それって唯一級スキルか。あんた、本当に何者だ?」






 そのスキルは、全能力完全倍化という能力。韋駄天の理は、速さの限界突破だが、そのスキルの場合は、限界向上というもの。つまり全ステータスの限界値999を超えて2000にまで到達するというもの。ただデメリットとしては、時間経過で向上するというものと、それ以外のスキルは使用不可になるというもの。ただそれとしても、大きなアドバンテージとなり得るスキル。





 そして男は、瞬時に俺に近づいた。俺はそれに反応は出来ず、男に殴られる結果だけになった。それに無数に。完璧にミンチになる勢いだが、HP(ヒットポイント)ストックが、十本失っただけのようだ。まだ残り、約二百本は残っている。







「お前、本当に人間か?」







 男は冷や汗を掻いていたようだ。確かに死ぬ程痛いけど。痛いだけだしな。ただ十本失われるのは、俺も男に相応の対応をしなきゃいけないな。






「唯一級スキル・藍填愛舞・奏魔」






 俺の右手が蒼く染まり始める。それと同時に水のようなものが周りを漂い始めていた。それは魚のような形で、まるで踊っているかのような感じだった。







 そして俺は手を男の方に掲げた。その時、魚が巨大化してそれはまるで、大きな波のようになり男に襲う。男はスキルによる身体能力で、上空へと避ける。そして俺に向かって、拳を振るう。






 しかし俺はそのまま右手をその拳に向かって掲げたままだった。その拳が俺には当たらなかった。だって代わりに、男の方が吹き飛んでしまった。







「なっ!? どういう事ですか!?」






 男はそう言いながら、結界の壁に激突した。







 これはよく防御系スキルの中で、一番と名高いスキルだ。

 効果は、威力の4〜5倍の威力で反射して、それと属性や魔法を吸収して右手に集束して、その威力の数倍で放つ事が可能。要するにチートスキルである。しかしその代わり、これにもデメリットがあり力のパラメーターが半減するというもの。ただそれに関しては、そこまでデメリットにならないだろう。あとは一週間ほど使えなくなるってだけか。







合技(オリジナル)スキル・海王の波翔(ポセイドン・ウェーブ)







 先程より大きな津波が男を襲った。男に直撃するが、傷一つつかなかった。防御力が群を抜いているのだろう。そして俺が指を鳴らすと、さっきの波から三叉槍が複数形成され、男に向かう。しかし男の素早さが、限界を超えており俺に瞬時に近づく。






 やっぱりこの世界で、スキルの扱いの練度が桁違いだな。戦闘でも俺の方が一歩遅れているような気がするな。






「雷霆拳・獄雷」






 男は拳を引き、正拳突きの要領で、放たれる。その拳には、雷を纏っており俺に拳が向かった。直撃する事はなく、また男は吹き飛ばされた。






「成程。空間全体にかかっているバリアか。すごく好きになれそうです」






 そして俺の後方に、いつの間にかいた。俺が後ろを振り向こうとしたが、遅くて雷の拳が直撃した。やはりこのスキルは後方には、効果がないようだ。






 しかしこれは予想通りであり、HP(ヒットポイント)のストックが削られたが俺の右手が、雷を纏って龍のような形が巻き付いている。






 これで雷の属性が付与されて、雷系のスキルが数倍強化される。






「超級スキル・雷電八卦」






 俺の右手を地面に添えると、魔法陣のようなものが形成される。それは電気を帯びており、触れるだけで危ないのは分かった。しかし男は、躊躇なく空中を蹴り、俺に近づいた。地面に触れないなら関係ないだろとでも考えたのだろうが、それは間違いだよ。






 電気で形成された棘が、男を貫いた。しかし男は、それをものともせずに普通に距離を取った。やはりその防御力を突破するダメージを与えないといけないようだ。






 男の体はよりバチバチと電気が迸る。どうやらここからが本番のようだ。






 雷が鳴った。そう俺は思おうとしただけだった。その瞬間、俺の体は吹き飛ばされた。






 流石にこれ以上、HP(ヒットポイント)のストックを削るのは、不味いな。早くそろそろ決着をつけないとな。どうするべきか悩む。手段はない訳ではないが、使いたくないな。







「まだ君は、死なないのかね。本当にうざいったら。ないですね。好きじゃないですね」






 男は続け様に、俺に連打するが、それと立て続けに男にダメージが反射していく。しかし持ち前のHP(ヒットポイント)と防御力でなんとかダメージをカットしているんだろうか。






 そして男が、流石に痺れを切らしたのか拳に力を溜めていた。どうやらこれで決める気のようだ。雷がものすごく拳に集中していく。それは最早、拳が雷雲のようになっている。それに炎が渦を巻くように、拳に纏わせる。







「灼天・万雷焔龍神」






 それの拳は放たれた。雷が、焔が、龍と共に俺に向かう。それは俺の体格より数百倍も大きかった。これは流石の俺もやばいな。死にそうな気がするが、ギリギリはストックは持つだろう。







 俺はその龍が直撃した。痛いってレベルじゃないけど、死ななきゃ安い。それに意外と、ストックが百は残った。






 そして男が、倒れてしまった。ダメージを受けすぎてというわけではなかった。






「破滅の妄執の反撃」







 それがそう呟くと、男が血を吹き出して倒れてしまった。これは簡単に言うと、自身が受けたダメージを蓄積させて相手に返すというスキルだ。






 それに関しては、防御力などは関係ない。あくまでダメージを返すというものだからだ。







 男は地面に倒れて起き上がらないようだった。とりあえず、より強力な拘束系スキルを使わないといけないな。






「神秘級スキル・精魔の輝石」






 男の両手を分厚い綺麗な宝石のようなものが生成されて拘束する。両足も同様になる。これは拘束する相手のスキル、パラメーターを極限まで減少させて完璧に拘束させるもの。







 流石にこれで逃げられないだろう。むしろこれで逃げられたら、最早打つ手はないから。本当に辞めてください。







 さてと考察しよう。こいつがスキルを扱えるという事は、PC(プレイヤー)の可能性が高い。実際この世界の人達は、スキルなんて概念そのものがないようだ。つまり使わない、もしくは知らないというのが妥当だろう。そしたらこいつは、これと俺と同じ境遇だろう。転移者として。しかし問題が、いつ転移したという事だ。スキルの熟練度を見る限り、長年使っているという事だ。そうすると何年、何十年前かという年単位だと思われる。






 しかしこいつは何かしらの目的があったようだ。俺を殺す事は、目的の一つで、スキルを奪取するのが本来の目的か。しかしそれにしたところで、殺してまでスキルを得る目的は。なかなか難しいな。組織とやらも、この男の目的と一緒だろう。






 とりあえずさっきと同じで、この男に問いたださなきゃいけない。面倒臭いけど。






 しかし村の人達を操ったのは、万死に値するからな。多分、記憶を変換したからあ〜なったのというのが適切だろう。つまり村長も俺と会う前から、スキルを行使されて記憶を変えられたというわけかな。

十九話最後まで読んでくれてありがとうございます



少しでも面白いと感じたら、いいねやブックマーク登録お願いします。また次の話もよければよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ