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八千職をマスターした凡人が異世界で生活しなくてはいけなくなりました・・・  作者: 秋紅
第一章 異世界で生きなきゃいけなくなりました・・・
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見知らぬ森で異世界転移しました・・・

「あれ!?今何時!?」



 そう言いながら俺は飛び起きる。あれ?俺アラームセットしなかったっけ。アラームが鳴らないと言うことは、セットしてなかったのだろう。完全に遅刻したな……。流石に遅刻してまで学校行くのも怠いので、二度寝する事にしよう。後で、風邪引いてて具合悪くて、休みましたとでも学校に電話しておこう。そして二度寝しようと、俺は横になる。天然の雑草の座布団は、心地いいな。風も冷たくて気持ちいいな。二度寝日和だよ〜……。




 …………?ん?草?雑草?どゆこと?ていうか風?冷たい?どゆこと?




 俺は、何処でも寝れる人間だし河川敷とか庭の芝生とかで寝たことはあるがそれは子供の頃だけだ。俺は夜中日付過ぎてからベッド上で、熟睡した筈だ。なのに、外の空気、草の匂い、風によって木々が揺れる音。うん、完全に森だな。それも大森林の様な気がする。




 嘘だろ?どゆこと?とりあえず起きて状況を確認しよう。俺は、起き上がって立ち上がる。背丈が低くないか?杉の木の様なものが目の前にあり、立ち上がると自分の目線は少し違う気がした。自分の手を確認してみる。幼い小さい手だな。可愛いな。自分の手だけど……。うん……幼くなっているね。それは想定だと、六歳くらいだな。見知らぬ森、幼くなっている、そこから出てくる答えは、考えたくないが異世界転移してるね。間違いなく。異世界なのか、夢の中なのか……。いや夢だとここまで感触まであるとは思えないからそれはないな。ということは可能性としては、異世界だな。それ以外に考えられない。



「まじかよ……」




 不意にそんな言葉が出てしまった。

 思考を回せ。じゃないとこの未知の状況に対して何の対応も出来ない。まず何の異世界だ。一番あるのが、ゲームによる転生。目が覚めたら、森の中ということはサービス終了までいた地点が森だったからその可能性が、限りなく高い。ただインベントリやステータス画面とか出ないから不安要素は残るが。それか関係のない異世界というのもある。ゲームの世界に転移したなら普通は、そのゲームのキャラクターになる筈だ。しかしそんなことはなく、着ている装備?服は布の服のようだ。それもだいぶ見窄らしい代物だ。ところどころほつれているし。




 しかし現状どんな異世界なのか根拠があまりない。とりあえずまぁ〜今の現状を整理しよう。まずこの肉体の年齢は、推定六、七歳くらい。辺りは一面、緑生い茂る木々と雑草だ。そのことから森なのは見て当然分かる。後何か持ち物がないかとポケットを探ってみる。そしたら小さな巾着袋のようなものを見つけた。小銭を入れるようなくらいの大きさだな。それを開けると、割れてる宝石のような水晶のように透き通ってる球体だった。真っ二つに割れてるな。元々割れてたのか、何かしらの原因で割れたか。まずこれは大事な証拠になる。大切に無くさないようにしまっておこう。




 まず何をしようか。いや何をするべきか。そもそもこんな子供の体では、もしもいるか分からないが、未知の生物を遭遇したら即死確定だ。ということは助けてくれる大人や身寄りもない子供を受け持ってくれる集落や孤児院などの存在を探すのが、先決だろう。しかし無意味に探したところで、時間が過ぎて危なくなる可能性が高くなる。夜になったら暗くなるからそれは避けたい。陽の光から見ると、残り数時間ほどかと思う。しかしこの光が地球と同じ保証はないが。そもそもここは、森だし整備されていない獣道になっている。まず生命線確保も兼ねて、川のようなものがあれば助かる。音を聞いて、川のせせらぎのようなものを聞き取ろう。




 チョロチョロという液体の音が聞こえた。その音の方角に一回向かおう。しかし不安な気持ちでいっぱいだが、辺りを見渡したりすると自然が広がっている。現代社会のコンクリートジャングルにいた俺からしたら新鮮な気がする。心地良くてこんなところで、ずっと寝ていたい。音も、空気も、風も、匂いも、全てが自然一色だ。現代では、もはやあまり見ない光景なのかもしれないな。そう思うと、いいものを五感で感じたと思う。




 さてしばらく歩いていると、川を見つけた。透き通っており、川底までくっきり見える。見た感じ、あまり深くない。川遊びがしたいが、まず我慢だ。今はこの危機的状況の打破が先決だ。川沿いを歩き、森から抜け出そう。川の流れに沿って歩けば森からは、抜け出せる可能性が高くなる。そう思いながら歩くが、疲れてきてしまった。子供の体力というのは、ここまで貧弱なのか……。




 少し座って休憩しよう。無理に体を動かせば、いざという時に、対応出来なくなってしまう。少しだけでも、英気を養わないと。それにしても今の状況だと、本当にいつ死んでもおかしくない。だいぶ崖っぷちだな。転生させた誰かか何か……もう少しイージーな場所で目を覚まさせてください。ハードというかアルティメット並みの難易度なんですが……。転生させた原因が何かはまだ不明だが、それが何かしらの存在なら一発ぶん殴りたくなった。




「はぁ〜この壮大な自然の中、自分はちゃんと生きれるのかな〜というか抜け出せるかな〜」




 誰もいないことを確認して不安を口にする。雑草という名の絨毯に座りながら、自分は絶望的だなと明後日の方向を見てしまう。もはや笑いすら込み上げてくる。明日すら見えないこの現状の対処法すらデメリット満載なのだから。



 そう川原のような所で休んでいると、森林の方から一匹人形のような存在が現れた。緑色の肌を持ち、小柄でありながらその顔は醜悪そのものであり、その口と顔は、下卑た笑顔をしていた。そしてその手には、血に濡れている木製の棍棒を持っていて今し方誰かが殺されたようだった。



 一番会いたくない可能性来てしまったよ。未知の生物でありながら、それはよくファンタジーもので出てくる魔物の代表格、「ゴブリン」そのものだった。下級の魔物でありながら、やること、することがエゲツないことでも有名であった。しかしどうする……。こんな子供が、ゴブリンなんて倒せるわけがない。死ぬ気がするな。逃げるしか道がないが、どう逃げれば、何処に逃げればいいだろうか。




 そんな風に、俺が考えているとゴブリンが騒ぎ出す。



「ぎぎゃぎゃぎゃぎゃ」



 まるで耳障りな醜悪な音程で笑い声にも似た声を、ゴブリンは発した。これは単に、鳴いたわけではないだろう。仲間に俺という弱い獲物がいるということを知らせて、仲間を呼んだのだろう。逃げ道を確実に塞ぐ気だな。うん、魔物のくせに、知能が高すぎだな。絶望的状況をどう覆そうかな。その鳴き声を発して数分後、何十匹も俺に群がってきた。人一人に、それも子供に大勢でおしかけて恥ずかしくないんですかね。この緑野郎は。熟成される前のトマトを、無理矢理赤くしてやろうか。



 踊りのような、テンションを上げてるような、そんな喜んでいるゴブリン達がいた。腐ってやがるな。この緑野郎共は。獲物を楽しく、嬉々としていたぶって本当に腐ってるなこいつら。



 しかし自分にはどうすることも出来ないな〜。ここで死ぬのか。そう俺は、諦めたように川原でへたり込んでると、一匹のゴブリンが棍棒を振り下ろした。その瞬間が、何分、何時間も引き延ばされているようなそんな感覚を俺は覚えた。これが走馬灯って奴なのかね〜。そんな風に安心してる自分は、ちょっと異常なのかもしれないな。




「はぁ〜転移してすぐ死ぬんか。まぁ〜元々ハードモードだから仕方ないか……」




 俺は目の前の今まさに命を刈り取る緑野郎ことゴブリンに対して言った。次会って強くなっていたらただじゃおかねぇからな。雑魚どもが……。

一話最後まで読んでくれてありがとうございます。



語り手は基本的に主人公がやります。後、転移した原因は、ポケットに入っていた玉にあります。



少しでも面白いと、感じたらいいねやブックマーク登録お願いします。それでは次の話もよければよろしくお願いします。

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