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012 魔法学園の目的

 毎日訓練してから一週間近くが過ぎた。


 七瀬は児童書7冊目に突入。


 このみの反復横跳びの記録は小学四年生の平均値まで達している。


 今日も休み時間に本と睨めっこをしていると、急にチャイムの音が鳴り響いて顔を上げる。

 

「今から、名前を呼ばれた生徒は校長室に集合して下さい。白水七瀬! 小緑このみ! 赤井坂華! 青希望! 紫雲まなか! 以上五人!!」


 皆が、あの時の出来事を思い出していた。


 五人にとって、校長先生は得体の分からない恐ろしい存在。


 しかし、学校での最高責任者に呼ばれたら従うしかない。

 

 すぐに、五人全てが七瀬の元に集まった。


 気分の乗らなさが表情に出てしまう。

 

「なんの用だろうね……」

「行かない事には分かりませんね!」

「まさか、また僕らにバトルさせるんじゃないよなぁ?」

「そ、そんな! 戦いたくなんてないのです……」


 皆が不安を抱えたままで校長室の前に辿り着いた。


 望がドアをノックして扉を開けると、白のワンピースに麦わら帽子姿の校長がこちらを振り向く。


 こうして見ていると育ちの良い、子供にしか見えない。


 今から何が起こるかとドキドキしながら、言葉を発する。


「「お邪魔します……」」

「お主ら良く来たのう」

「話とは何でしょうか?」


 望は皆が疑問に思っている事を、校長に問い掛ける。


「そんなに急がなくても良いでは無いか。とりあえず、お主らソファーにでも座ったらどうかねえ……」


 緊張しながら、ソファーに腰掛けた。


「お主ら歴史は好きかねえ?」


 はっ? 

 いきなり歴史?


 強いて言えば歴史の授業には、興味がない。


「歴史は好きですね……」


 不思議そうな表情でそう答えた、望。


 何故かそれを見たこのみとまなかが立ち上がる。


「歴史大好きなの!」

「歴史大好きっ!!」

「僕、歴史なんかに興味は1ミリも無い!」


 華に同意見で、昔の有名人なんかに興味は無い。


「好きなら今からする話を楽しく聞けるはずじゃ!」


 おいおいおい。


 歴史が好きなのは、望、まなか、このみだけだ。


 まあ、多数決で考えたらこのグループは歴史好きって事になるのかも知れないが。


「私は、歴史なんて興味無いです!」

「2回目だけど、僕も!!」

「お主ら新選組には興味有るかい?」


 新選組って、名前は聞いた事が有るが何をした人かすら理解できない。


 と、言うか歴史に興味無いという意見を無視するのは辞めて欲しい。


 なんだか、妙な気分になってしまう。


「新選組に興味あるの!!」

「新選組大好きっ!」


 目をキラキラ輝かせて、勢い良く席を立ち上がるこのみとまなか。


 余程、歴史に興味が有ると見える。


 しかし、歴史に興味が無い為に新撰組と言われても、ピンと来ない状態だ。


「なら、良かった。お主らの初仕事は新選組の保護になる予定じゃ」

「はっ?」「えっ?」


 新撰組の保護なんて意味が分からない。


 ちんぷんかんぷんな私達に対して、説明を始めた。


「んー。この学校の目的はのう、歴史上の有名な人達を保護する事じゃ!! なぜら歴史上の人物の人物を保護するかと言うと、やはり歴史に名前を刻む様な人間は特別な存在の場合が多いのじゃ!!」

「は、はあ……」


 ぶっちゃけいきなりそんな事を言われても、イメージすら出来ない。


 なのに__


「新選組のメンバーを保護するのですかぁぁぁ!!

と、言う事は沖田総司様に会えるって事なのですかぁぁぁ!?」

「沖田総司か……。保護対象のうちの1人じゃ!」

「はぁぁぁぁぁぁ!!」


 このみが壊れてしまった……。


 「は、原田左之助様は保護対象に入ってたりするのかなー!?」


 鼻息を荒くする、まなかはキャラ崩壊寸前だ。


「入っておる」

「行きましょう。今すぐ行きましょーう!!」

「レッツゴーなのです!!」

「いや、とりあえずお主達はわしの説明を聞く事から始めて欲しいのー」

「はーい!」「はいなの!」

「今回は新撰組のメンバーである五人を保護するのが、お主らの仕事じゃ。ただ、歴史を変える事があってはならぬから、全ての対象が死ぬ前。もしくは歴史と関わりが無くなってから保護する形じゃ!」

「はぁ……」


 歴史を変えないようにか__


 そんな事を言われても、ピンとこない。


 真面目な表情をした望だけが「理解しました!」と返事したが、何を理解したのかすら分からない。


「とにかく、暗黙のルールだけは覚えて欲しいのじゃ」

「暗黙のルール?」

「対象者が歴史と関係なくなるまで、話し掛けてはいけない。対象者の行動を制限してはならない。出来るだけ過去の人間とは関わらない事を守れるかのー?」


 要するに過去の人間と関わらなければ良いのだろう。


「守るから、早く行くのー!」

「早く行きたいー!!」


 このみとまなかの二人組は駄々をこねる子供のような状態だ。


「まあ、とりあえず行ってみるかのー」

「え!」

「とりあえず、体験しなきゃ分からないだろうからねぇ……」


 そう言うと、部屋に老女が入ってきた。


 その手には首の下とお腹だけ真っ白な黒猫が抱かれている。


「この子が案内人として付いていくから、よろしくなのじゃー」

「可愛い!!」

「おい! お前ら迷惑掛けないようにしろよ!!」


 しかし、黒猫の口から出たのは人間の言葉。


 いや、人間の言葉を喋った事は百歩下がって許すとしても、喋り方が酷い。


 こんな言葉使いをしたら、どんなに可愛い動物だって悪魔のように見えてしまう。


「それじゃ、移動するかのうー。て、事でお主ら覚悟は出来てるかのえ?」


 皆がおっけいを出すと「わしに着いて来るのじゃ……」とだけ言って本棚をずらす。


 すると、小さな扉が現れた。


 階段を開くと、薄暗い階段が有りコツコツと足音が響く中降りてゆく。


 階段を降り終えると長い廊下が見えた。


 迷路の様に入り組んだ道を通り、辿り着いた場所は薄暗くて広い空間。


 床には神秘的な光を放つ、魔法陣が書かれている。

 

「心の準備は出来たかのう?」


 五人が同じタイミングでコクリと、頷いた。



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