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001 入学拒否されました!

ファンタジーを初めて書きます。拙い文章ですが、読んで頂けたら嬉しく思います。

 ずっと自分には何も無いと思っていた。

 見た目も性格もパッとしない普通の女の子で、人に誇れることは何も無い……。


 だから私は、特徴の有る可愛い女の子に憧れる。

 それは、小さな時見た魔法少女みたいな甘い甘いキャンディーみたいな見た目の女の子達。


 まるで汚れていない白のように無邪気で、緑のように優しく、赤のように情熱的で、青のように凜としており、黄色のように元気。


 女の子には色々な可愛さが有るが、私には個性がない。


 【白水七瀬(しらみずななせ)

 中学に入学当日。

 色素の薄い茶色の髪の毛は、横髪が長めの前さがりボブで瞳と同じ色をしている。

 

 七瀬自身は気付いていが、天然な部分にホンワカしてしまうし、頑張り屋な性格に励まされて居る人も沢山いる。

 ただ、かなりズボラな所がマイナス点だ。


 初めての中学生活に胸を膨らませ、学校内の敷地内に足を踏み入れ校舎に向かうと沢山の生徒達が居てワクワクしてしまう。


 生徒は沢山居るが、その中でも目立つ生徒達に目が行った。


 【赤井坂華(あかいさかはな)

 赤髪に赤目のショートカットが恐ろしいくらい似合う、美人な女の子。

 七瀬は彼女のハッキリした目鼻立ちと、アッサリした頼りがいのある性格に憧れていた。


 誰からも好かれるタイプで有る、彼女は正義感も強く様々な生徒に愛されている。


 完璧な華だが、何故か自分の事を『僕』と呼ぶのが気になってしまう所だ。


そんな華が怒りに満ちた表情で走って行った先に居たのは、【小緑(こみどり)このみ】で男子生徒にからかわれて今にも泣き出しそうな表情を浮かべている。


 そんな様子のこのみと男子の間に立ち塞がった、華は逃げようとする男子生徒の背中を叩いていく。


「お前らガキだな!!女の子いじめて楽しいか!?」

「なんだよ!!暴力女!!女の癖に凶暴だな!!」

「僕にならなんとでも言いなよ!!」


 華がそう言うとそそくさと逃げていく、男子生徒が小悪党に見えて、七瀬はクスリと笑みを浮かべた。


 きっと、小緑このみは男子に嫌われてからかわれていたのではないだろう。


 茶色のウェーブの掛かった長い髪の毛はサラサラしていて、フランス人形のようだ。

 その上、大きな胸に眼鏡っ子で一部の男子の間で凄まじい人気を誇っている。


 女の子ウケは悪くて、一部の女子には嫌がらせをされているが、七瀬はこのみの可愛らしさに憧れていた。

 内気でナイーブな性格なのが、また見た目とマッチしていて可愛らしい。


 華に励まされて笑顔を見せたこのみが向かった場所は、小鳥が集まる中庭で【紫雲(しうん)まなか】に声を掛けた。


 まなかがパンクズをこのみに渡したかと思ったら、大量の小鳥が二人に集まってきて、まるで童話のワンシーンを覗き見しているような気分になってくる。


 紫雲まなか。

 同じ中学一年生だが、見た目は小学四年生でも余裕で通じるだろう。


 ストレートロングの黒髪が綺麗がサラサラ揺れて、黒目がちな瞳に見惚れてしまう。まなかを言葉で表すなら可愛さの象徴。

 優しくて穏やかで動物に愛されている女の子。


 今日も可愛い女の子に癒され、クラス分けの紙を確認しに行くと見たことの無い女の子が立っていた。

 

 サラサラの金髪の髪の毛をポニーテールにしており、なにもかも見透かしそうな澄んだ青い瞳をキョロキョロ動かしている。


「転校生かな?」

「はい!!」


 七瀬の唯一の自慢で有る人見知りしない性格で、気軽に話し掛けた。

 金髪の女の子が転校生で有る事が分かる。


 【青希望(あおきのぞみ)

 凄く大人っぽいが、同じ歳でびっくりしてしまう。日本とフランスのハーフで凄い美人さんでスタイルも抜群に良い。


 ハキハキした喋り方で、賢そうなオーラが凄まじい。


 望と喋り終わった七瀬は、自分のクラスを確認する為に再度クラス分けの紙を眺めた。

 しかし、さっと見た感じ何処にも自分の名前が載っていない。


「見逃したかなぁ……」


 しかし、どんなに丁寧に探しても七瀬の名前は見当たらない。

 首を軽く傾げ、周りに視線を移す。


 時間的に大概の生徒達は、紙に発表された教室に移動してしまったが、さっき七瀬が見とれていた女の子四人が不思議そうな表情を浮かべながら、沢山の生徒の名前が書かれた白い紙を流れるような視線で見ている。


「僕の名前。何度探しても無いんだよなぁ……」


 そう呟いたのは、華。それをきっかけにこのみが華に寄っていく。


「華さん……。さっきは男子から庇ってくれて

ありがとうなの……」

「僕は当たり前の事をしただけだから__」

「ありがとうなの……。実は、私の名前も何回も見たのだけれど書かれてないの……」

 

 皆んなが集まり自分の名前も無いと、不思議そうな表情を浮かべた。


「んー!転校してきたばかりなので、私の名前を忘れられただけかと思いましたが、私だけじゃないようですね……」

「学校のミスかなぁ?とりあえず、職員室に行ってみる?」

「うん。そうしょっか!!」


 学校のミス。いつもなら面倒くさがる七瀬だが、憧れの存在で有る女の子達と日常会話をしながら職員室を探して行く行動に心が舞い踊ってしまう。


 ずっと、話していたいが職員室に辿り着いたと同時に、華が扉をノックして開けた。


 中に入ると、近くに居た教員にクラス分けの紙に五人の名前が書かれていない事を説明すると何故か校長室に呼ばれた。


 白髪のダンディーなおじ様がフカフカの椅子に座ってこちらを見ている。わざわざ校長室に呼ばれた事を疑問に思っているとおじ様がとんでもない言葉を口にした。


「貴方達、5名には特別な学校を用意していますので、そちらの学校の寮に入って学園生活を楽しんで下さい!!本当におめでとう!!」


 いやいやいや。

 いきなり、特別な学校なんて親が許すわけないじゃないか__

 と、伝えようとした瞬間にまるで心のなかの言葉を見抜いたかのように話し掛けて来るおじ様。


「ちなみに、全員の保護者の承諾は取っておりますので、御安心を!」


 いきなり、特別な学校に行くだなんて言われても頭の中が追い付かない。


 パニック状態の思考回路で何故か頭に浮かんだのは、都市伝説みたいな噂話。

 その噂話とは本当に有り得ない話で日本都市に普通では入れない学校が3つ存在するという噂だ。


 一般家庭では入れないお金持ちが通う学校と思いきや、【魔法少女学園】と【魔法学園】と言う噂だったから馬鹿げている。

 

 何より3つの学園が存在するという噂で有りながら、3つ目の学園が何かすら分かっていない作りの甘い都市伝説だ。


 勿論の事、魔法関係の学園など有るはずが無い。


 そう考えたらここに居る五人はなんらかの理由で入学拒否されたみたいな感じだろう。


 そう考えたら、私達が行かされる学校は問題児を集めた学校なのかも知れない。

 しかし、七瀬からしたらただ目立たないだけで悪い事をした覚えなど微塵たりとも無い。

 

 しかし、親の許可を取っていると言う事は今更拒否なんて出来ないだろう。


 諦めに似たような気分に陥る。


「では、特別な学校に移動しましょう!!」


 おじ様は明るい声でそう言ったが、皆が困惑の表情を浮かべている。

 

 このみにいたっては今にも泣き出しそうな表情でオドオドしていた。


 私達は、状況すら把握出来ていない。


 それを無視するかのように何処かに電話すると

「話は済みました」

 なんて言っているおじ様。


 せめて、状況を詳しく説明して欲しいと七瀬が口を開く。


「あの!!詳しく説明してください!!」

「自分にも良く分からないのですよ。ただ、貴方達は国に認められたのです!!喜ばしい事ですよ!!」

「いやいやいや。中学に入学したと思ったらこれですよ?納得出来る訳ないでしよう……」


 はぁ……。

 ちゃんと説明すら出来ないなんて……。

 こっちが、訳分からない状況に置かれている事すら理解されていないのでは無いかと疑ってしまう。


 ふと、他の四人の思いも気になって顔色を伺う。


 相変わらず泣きそうな表情を浮かべたこのみに、真剣な表情を浮かべた華。

 望はクールな視線でおじ様を見下しているし、まなかは何故か全てを悟ったかのような顔でケロリとしている。


 ここで得体の知れない学校に通う事を認めるという事は、寮に入る事を認めるという事と同じだ。


「あの……」

「はい……」

「私達、寮に入るっていう話ですよね?」

「そうですが」

「その寮っていうのは、何処に有るんですか?」

「そちらの質問にはお答え出来ません……」


 おじ様がそ言った瞬間、華が舌打ちを打った。

 

 普段の華は気は荒いが舌打ちなんかしない。余程、イライラしてるのだろう。


 そりゃそうだ。入学拒否された上に、いきなり得体の知れない学校に行ってくださいなんて言われたら、頭の中が混乱状態になってしまう。


 そんな状態の中、いきなりドアが開く音がして視線を向ける。

 黒ずくめのスーツにサングラスを掛けた男がズラーッと入ってきて狭い校長室が人で密になる。


 ずっと、今の状態に納得できなかった__


 それどころか、今の状態はなんだ。

 怒りを通り越して、恐怖すら感じてしまう。


「さあ、行きましょう!」


 まるで、こちらに選ぶ権利は無いと言わんばかりの言葉を発するスーツ姿の男の表情が読めなくて、不安ばかりが増していく。


 皆、流石に拒否するかと思っていたら普通にスーツの男に着いて行く望とまなか。

 その表情は、こうなる事を当たり前だと受け入れているようにしか見えない。


 皆が皆この状況を納得する訳じゃない。


 静かに涙を流すこのみの前に立ちはだかった華の表情は怒りに満ち溢れている。


「全く説明無しって、どういう事よ!!」

「すいません。我々には説明をするくらい状況が把握出来てないので……」


 黒ずくめの男はそういうと、頭を軽く下げて嫌がる華を連れて行った。

 

 その後に続くように、暗い表情でスーツの男の後を着いて行ったこのみの後に続いた。


 特別な学校なんて言っていたが、なんの取り柄も無い私がそんな場所に行ける訳が無い。


 私達は、どんな場所に連れていかれるのだろうか。


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[気になる点] 名前と文章がごちゃごちゃになるので、名前にルビをつけるとか!
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