25 ★使いたい言葉6☞【失笑】
こんにちは、日向はび です。
「小説で使いたい言葉」シリーズ第6回、お送りいたします。
いったいいつまで間違い続けるのか。疑問すぎる言葉「失笑」
とうとうこれをする時が来たのですね。
【失笑】
意味☞「笑ってはならないような場面でありながら、おかしさのあまり、思わずふき出してしまうこと」
∴∴例文∴∴
その日は雨が降っていた。
予報では晴れだったのに。と僕は悪態をつく。
最近は雨自体すくなくて、滅多に降らないから油断していた。折りたたみ傘さえ持ってなかったおかげで、会社に着いた時には僕はひどい有様だった。
水気を切るためにスーツの上着を脱いだ頃、同じく濡れ鼠になった女性が会社のロビーに走りこんできた。 側にいる男性と話しているようで「資料が」「プレゼンが」と言っているのが聞こえた。
哀れだ。
彼女は取引先の社員だったらしい。
そのことに僕が気づいたのは、プレゼンをする予定の人物が、濡れた資料をドライヤーで乾かしに化粧室へ行ったまま帰ってこない。と聞いた時だった。
どうりで見たことのない人だと思ったんだ。
彼女の上司が慌てた様子で、我が社の社長にの言い訳をする中、女性はようやく戻ってきた。
その手に持っていたのは、濡れてしわくちゃのプレゼン資料。
ではなく。
ドライヤーだった。
「間宮! 資料はどうした」
「え? あ!」
間宮さんというらしい女性は慌てた様子でドライヤーを自分の背中に隠す。
シーンと静まり返った中、ふいに誰かが吹き出した。
その方向にいたのは、我が社の社長。
思わずといった様子で失笑を押し殺そうとしている社長に、間宮さんは顔を真っ赤にしていたが、やがて部屋中に笑いが伝染すると、彼女はどこかほっとした様子でほおを緩めた。
ところで僕は知っている。
社長はこういうことを狙って引き起こす天才なのだということを。
∴∴∴∴∴∴∴∴
さて 例文短めですが……。
こちら結構誤用されることの多い言葉ですよね。
ずいぶん前、林先生がテレビに頻繁に出てこられた頃でしょうか、この言葉の意味について話しておられたような記憶があります。
失笑とは、笑いを失う。と書きます。
しかしこの「失」は「うしなう」ではなく「しくじる」という意味からきています。
つまり、しくじって、誤って笑う。ということ。
そして、思わず吹き出してしまった。ということです。
しかし、この「しくじる」という言葉のためなのか、しくじりを笑う。というニュアンスで使われがちな気がします。
「呆れて笑えない」「呆れ果てる」「あざ笑う」「見下して小さく笑う」 などと間違って使われることが、ものすっごいあるんですよね。
実際の言葉には相手を軽んじたり、あざ笑うというニュアンスはありません。
もちろん、呆れるような行動により、本来笑ってはいけない場面でつい吹き出した。なんて場合もあるので、まったく通じないわけでもなく、それらしく伝わるかもしれません。
ですが、この言葉で言いたいこと。それはただただおかしい。ということです。
なので、呆れるような行動が発端ならば、そのような地の文を追記して書くと良いかもしれないですね。
あざ笑ったりする方は、冷笑、嘲笑、などがそれに当たります。
本当にテレビなんかでもよく見かけるので、間違ってるー!ってなることが多いです。
ちなみに私の失笑のイメージは、ハンターハンターのハンター試験最終試験で、ハンゾーとゴンの試合最中にゴンの空気に飲まれてしまった会場。がまさに失笑の場面。というイメージがあります。 旧ハンターハンターでは28話です。
ぜひみて。あの回大好きなの。みて(笑)
それでは
間違っている点などありましたら、ご指摘お願いします。
それでは、次回をお待ち下さい。




