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1-17 デュエリングシールド

本日、1章完結記念ということで4話連続投稿しております。

これも応援していただいた読者の皆様のおかげです。有難うございます。


ここが面白かったとか、ゲームとして楽しそうとか、キャラが好きとか、ちょっとしたことでも何でも構いません。後書きの下にある「感想を書く」という場所から感想をいただけると嬉しいです。


感想って恥ずかしいなっていう人は、★★★★★のところを押して評価をしていただいてもとても嬉しいです。


皆様の応援が私たちの創作活動のモチベーションになります。

これからも移動工房ともども、応援よろしくお願いいたします。

 私の仕事は、年末は案外暇になる。明日は休みが取れたし、29日から3日までは貴重な正月休みが取れそうだ。

 そのためには仕事を片付けなければいけない。今日は、夕方まで得意先の挨拶回り、その後深夜まで書類の山と格闘。もうくたくただ。今日の夕飯はコンビニのサンドウィッチ、冷凍食品のグラタンとゴボウサラダ。思わずため息が漏れる。


 食事を終え、外回りでぱんぱんになった脚をケアしていると、RINEが入った。リンからだ。準夜勤だったので、今仕事が終わったらしい。


「休むべきかー、ログインするべきかー」


 正直疲れている。

 しかし、いい加減デュエリングシールドを装備したい。


「よし、決めた!」


 ここで欲求不満を抱えたままだとかえって眠れず、明日ふらふらの状態でプレイするかもしれない。「健全な肉体は健全な精神に宿る」という私のモットーを信じよう。


「レベル上げを頑張ろう!」


 デュエリングシールドを装備したい。

 その想い1つで、JAOにログインすることにした。




 リンと合流。私はどうしてもデュエリングシールドを装備したいと伝えた。


「そうやな……。あのな、盾が持てるようになるまでstrを上げないとあかん。そのためにはレべリング、レベル上げが必要や」


 それは私でもわかる。


「ちなみに、何レベルまで上げればいいんですか?」


「そんな大したレベルじゃないと思うけど……シミュレーターで調べるわ」


 リンはインターネットにアクセスし、外部サイトを立ち上げた。


「なるほど、35レベルか」


「現在は18レベルですよー、やっぱり無理かな……」


 しかし、リンは首を横に振った。


「諦めたら、そこで試合終了ですよ」


 私たちが何の試合をしているのだ。


「どうすればいいと思うー?」


「まずは課金。石を1個使えば、30分間得られる経験値量が2倍になる」


「1個で? そんなに安くて大丈夫なんですか?」


 経験値2倍の効果は大きい。それが100円ぽっちの価値しかないなんて。


「大丈夫やって。レベルなんか。どうせすぐカンストするし」


 そうなんだ……。レベルがどうとか気にしている私は、やはり初心者なんだろうと実感した。



「デュエリングシールドを持つために序盤のメインクエストを俺Tueeして一気に進めるで! そうと決まれば、ダンジョン攻略を速攻で終わらせていい?」


「ええ、もちろん。メインクエストをどんどん進めて経験値を稼ぐ。目標はデュエリングシールドです!」



 今度のクエストは、「ネアー」という街がオークに占領されてしまったので、メテオジャムの調査してオークキングを撃破するという内容だった。オークについての噂話を街で集めてから、ネアー、いや「オーク街」というダンジョンに向けて出発した。



「ところでこの宿屋に何しに来たのー?」


 メテオジャムに行く前に、なぜかリンに宿屋に連れてこられた。


「お姉ちゃんと、色々ええことしよか」


 自分の胸をこれ見よがしに揉んでアピールしてくる。


「時間ないんでしょー。何しに来たんです? ダンジョン行きましょうよー」


 いつまでもリンの下ネタトークに付き合う趣味はない。そんな脂肪の塊など羨ましくない。



「そやな。新ダンジョン行くときに、フィールド歩くの面倒くさくなってきたやろ?」


 オーク街に行くには、ナナン平野を抜けてクエイ丘陵まで歩かなければいけない。歩いて40分以上かかるという。


「まあ、たしかにー。行けない距離じゃないんですけどねー」


「そこで、リンダちゃん愛用の移動用魔法短剣を使う」


 また別の武器を取り出し、私に見せてくれた。


 種類:ジャンビーヤ

 ランク:SS(ランカー武器 製造者:ギルガメッシュ)

 内蔵魔石:耐久の魔石HS×3

 防御の魔石HS×2

 ダッシュの魔石HS×1

 ジャンプの魔石HS×1

 クローキングの魔石S×1

 ハイスピードボルテージの魔石HR×1

 ヘイストの魔石HR×1

 ジェットウイングの魔石R×1


「ダッシュとジャンプは見たまんまとして、ハイスピードボルテージは速度強化の自己バフですよねー。ヘイスト、クローキング、ジェットウイングの説明をお願いします」


「そんなに急かさないでほしいな~、あんまりせっかちな男は嫌われるで」


 なぜかもじもじと恥じらう振りをするリン。キモイ。


「フィールド歩くの面倒くさがっていたのは誰でしたっけー? 早くしたいという条件を付けたのもリンですよねー? あと、私、男じゃありませんから。クリスマスに男がいなくて、ついに頭おかしくなったんですかー?」


「ク、クリスマスは余計や! 卑怯やで!」


 なら、変なこと言うな。変なこと言うと私が突っ込むって分かっているくせに。


「ヘイストは、ハイスピの支援魔法版。クローキングはMobに見つからずに移動できるスキル。ジェットウイングは4秒程高速飛行できる魔法や」


「4秒って短いですねー、そんなに遠くまでは行けないんじゃ?」


「まあなー、私はintがボーナス3あるから25秒程飛べるけど、ラフィネはボーナス0やからな」


「そもそも、これ2本あるんですか? 貸してくれるんですよね?」


「ふっふっふ、この短剣は1本しかないな。けど、このジャンビーヤを2本に増やすマジックショーを見せたるで」


 自信たっぷりに胸を反らす。


 とりあえず短剣を返すように言われたので、返した。


「種も仕掛けもありません。フレンドリストを開いてください」


 とりあえず、フレンドリストを開く。登録されているのは、「*Linda*」と「塩バターパンサンド」の二人だけ。っていうか、知っている人が二人しかいない。


「可愛いリンダちゃんを選択して、フレンドの武器を使用するをクリック」


「可愛いは余計だと思うよー。はい、クリック」


「するとあら不思議」


 *Linda*の武器が倉庫BOXに追加されました

 のウインドウが虚空に現れる。


「ほう、フレンドの武器を使うこともできるんですねー」


「インベントリに追加してから30分すると消えるから注意な。さあ、オーク街に行くで」


「ちょっと待って。リン、ロープあるかなー? 私をロープで縛れば、リンが飛んでいる間も引っ張れるんじゃない?」


「縛られたいとかええ趣味してますなー、お姉さん」


 下卑た笑いを浮かべるな。そういう意味じゃない。



「私もマザーボア戦と違って本気でいく」


 リンは装備を変更し、ジョンを倒したステッキを取り出した。全体が黒く、持ち手がぐっと曲がっている。これは前のHRステッキと変わらない。先端が白くなっているだけだ。だが、この武器こそ*Linda*の本気装備だ。


「武器が強くなったからって、やることは変わらんで。ラフィネはしっかりとタゲを取る。このステッキは防御がからっきしやから、ラフィネ頼むで」


「オッケー、任せてください。つなぎのSカタールで十分でしょう」


 ショートカットの効果は抜群だった。飛んで走って、敵からは隠れる。あっという間にナナン平野を飛び越しクエイ丘陵を抜け、オーク街に到着した。


 オーク街は荒廃した市街地という感じのダンジョンだった。物陰から豚どもが飛び出してくる。ただ、それだけのマップだった。ボスはオークキング(ヴィルヘルム)という大層な名前のボスだったが、完全に名前負けしていた。私も攻撃を受けたが、マザーボアよりも威力はあるものの、ただそれだけだった。




 ボスを倒すとメテオジャムが出現する。そのメテオジャムでレスターン(本拠地の街)に戻って王様から次の調査の依頼を受ける。

 次のダンジョンは、クエイ丘陵を超えた先にある「タランバ・ハニカム」というダンジョンの調査だった。


 タランバ・ハニカムはミツバチの巣をイメージしたダンジョンで、蜂のMobがたくさん出てきた。素早い動きをする蜂は良いエイムの練習台になりそうだ。

 ボスはミストレス(タランバ)。蜂というより女王様だった。ボスの火力が低過ぎるせいで、タゲがかえって外れやすかった。そのうえ動きが非常に速く、たくさんMobを召喚するのがやっかいだった。タンクとしては腕前が試された。





「よくやった、Raffineよ。*Linda*よ。褒美をとらせよう」


 王宮に戻ってクエスト完了。王様の台詞と同時、私の体が赤く光った。レベルアップだ。


「キター!! これで念願のデュエリングシールドとのご対面やで」


 王様そっちのけで、私たちはレベルアップを喜んだ。





 急いで宿屋に泊り、倉庫BOXを開く。倉庫BOXは狩場か宿屋でしか開けないからだ。


 倉庫BOXを操作する自分の指が震えているのに、気がついた。

 所持して装備した時、


「おっと……」


 その重さに思わずよろめいてしまう。


「感想聞きたいな」


「ださいデザインに、重すぎる重量。デメリットだらけで、掲示板では、盾(笑)とか言われていましたっけ?」


「そうやな」


「でもようやく自分のものになった。私は今ようやく最初の第一歩を踏み出せたんです。貴女の隣で肩を並べて遊ぶことができるようになったんです。今までここまで引っ張ってきてくれて本当にありがとう。そして、私とデュエリングシールド、これからも応援してください」


 リンに頭を下げる。

 まいったな、と頭をかく彼女は少し照れているようにも見えた。



 名前:Raffine

 レベル:35

 FP:110

 HP:2160(vit:11)

 str:56

 dex:1

 agi:1

 int:1

 res:1


 装備;Uデュエリングシールド

 BBAT(ブロック時のATK):30169(str:56)

 ATK:12831

 HIT:10(dex:1)

 DOG:2310(agi:1)

 DEF:9610(res:1)

 内蔵魔石:威力の魔石U×1

 防御の魔石U×1

 アームズブロックの魔石S×1

 耐久の魔石SS×3

 防御の魔石SS×2

 威力の魔石SS×1

 回避の魔石SS×1

 インデュアペインの魔石S×1

 スレットトオーラの魔石R×1

1章のストーリーはここで終了です。



次回は8月27日の12時頃に更新の予定です。




この作品を面白い、もっと続きが読みたいという方がおられましたら、下にある★★★★★のところを押して評価をしていただければ、非常に励みとなります。




こちらも応援よろしくお願いします。


チートスキル【移動工房】で異世界を攻略する~天才ゲーマー、武器職人になる~


本作の目次上部にあるJewel&Arms Onlineシリーズという文字をクリックしていただければ、飛ぶことができます。

参考までにURLも張っておきます。 https://ncode.syosetu.com/n9133fx/

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