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Back Beat 3 ~mental health+er~  作者: テネシ
1/3

~mental health+er(シーン1~4)

この物語はフィクションです。

実際に登場するプロダクションや人物は実在しません。

自主制作映画化を前提に戯曲形式で書いております。


この作品は前々から書きたいなと思ってました。

実際にメンヘラと呼ばれるような人に出会ったことはありませんでしたが、本当にいるんだ…と実際に体験しました。


作中で描かれていることは実際に起きたことではありませんし、チヒロはその人とは全く別の人物です。


今後、完結に向けてのキーとなる回になります。


お時間がありましたら、読んで頂きたいと思います。


シーン1

仙台市内 レッスン場近く 勾当台公園のベンチ


ベンチの中央には荏原が座り、両隣には玲奈とユリが座っている

その他にセイヤ、アヤ、サチコが周りを囲み楽しそうに談笑している

ユリ「今日のレッスンも疲れたー。」

荏原「楽して良い演技は出来ないからなぁ…。」

玲奈「あれ拓ちゃんじゃない?」

荏原「拓ちゃんじゃん!?」

荏原は拓真に大きな声で声をかける

荏原「拓ちゃーん!」

手を振りながらおいでおいでをする荏原

周りの皆も拓真に手を振っておいでおいでをしている

拓真近づいてくる

荏原「拓ちゃん、ここに座りな。」

玲奈と荏原の隣を指さす

拓真「あぁ…おねえさんと出かけるので…。」

荏原「葵さんと?どこに行くの?」

拓真「お洋服を買ってくれると言ってました。」

拓真は相変わらず誰とも目を合わせず視線は宙をさ迷っているがとても楽しく嬉しそう

荏原「良いなぁ、葵さんとデートか笑」

拓真「あっ、えっーおねえさんはおねえさんなので…デ、デ、デートとかでは…」

荏原「わかってるよ、待ち合わせしてるの?」

拓真「はい。」

荏原「ごめんね、呼び止めちゃって。葵さんに今度はオレの服も選んでって言っておいて笑」

拓真「わかりました!今度はおねえさんと先生で洋服を買いに行くんですね!」

荏原「そうそう、拓ちゃん気をつけていきなよ。何かあったらすぐ連絡頂戴ね。」

拓真はポケットからスマホを取り出して皆に見せる

拓真「か、か、買ってもらいました。」

玲奈「アイホンの新しいやつじゃん!」

ユリ「私も買おうかなって思ってた!」

アヤ「これでサブチャンの動画もとりたいよね!」

荏原「良いの買ってもらったね。」

拓真「は、はい!」

荏原「じゃあまたレッスンで待ってるね。」

拓真「は、はい。」

拓真は嬉しそうに歩いて仙台駅方面に向かっていく

その後ろ姿を全員がこやかな表情で見つめている

アヤ「先生はさ、どこで服買ってるの?」

ユリ「私も聞きたいって思ってた!」

玲奈「いつもFear 何とかっての着てるよね?」

セイヤ「あれって仙台で売ってるの?」

荏原「オレはいつも通販だよ。アメリカのセレクトショップから買ってる。」

ユリ「えぇ、何それ、私にも教えて!」

玲奈「私、兎のやつがほしいの…スモーキング何とかって書いてあるやつ!」

荏原「それは日本のブランドじゃん笑」

ユリ「……先生ってさ、彼女いるの?」

荏原「急になんで?」

ユリ「服もなかなかお洒落だし、歳もいい歳してるし…。」

荏原「良い歳って笑」

ユリ「居るのかなぁって。」

玲奈「でも居たらガッカリする!」

アヤ「わかる!」

ユリ「いないでほしいよね!」

セイヤ「だってよ、先生!」

サチコ「……いるんですか?」

荏原「いないよ…いたらこんなとこで遊んでないよ!」

玲奈「ヒドーイ!」

ユリ「こんなに可愛い生徒達が先生に付き合ってあげてるのに!」

荏原「上からなのね…。」

セイヤ「先生の理想のタイプはどういう感じなの?」

サチコ「聞きたい…。」

荏原「理想のタイプねぇ…。」

少し考える荏原

なんて言うのか興味津々の生徒達

荏原「胸が大きく…」

玲奈に思い切り頭を叩かれる荏原

荏原「…先生に手をあげたね…今…」

玲奈「違う、頭に虫がいたの。ゴメン!うまく聞き取れなかったからもう一回言って!」

荏原「……優しくて、オレの仕事に理解があって…。」

ウンウンと頷く生徒達

荏原「それで、胸が大きくて」

今度はユリに思い切り頭を叩かれる荏原

荏原「……。」

アヤ「じゃあ、この中でいうと誰?」

荏原「どこからじゃあが出てきたのかもわからないし…また生徒からしばかれた気がする…。」

サチコ「……気のせい。」

セイヤ「この中なら誰?」

荏原は頭をさすりながら生徒たちを見回す

荏原「…玲奈」

えっ!?という顔をする玲奈

荏原「とユリと…」

怪訝な表情をするユリ

荏原「アヤとサチコを合わせて四で割った感じかな…」

アヤ「…はいはい、なんか先生のわりにつまらない答えだったね」

セイヤ「ボクは入ってないのかぁ…」

荏原「そうじゃなくて!」

セイヤ「まぁボクは先生の弟さんがいるから良いけどー」

荏原「…オレの義理の弟になるのか?笑」

セイヤ「複雑な関係だね笑」

荏原「複雑過ぎるだろ!」

みんなで笑い合う

そん中で横を見てるサチコ

荏原「どうした?」

サチコ「…あの人、ずっとこっち見てる。」

荏原「騒ぎ過ぎたかな?」

サチコ「拓真君が来たあたりからずっとあそこでこっちを見てる…。」

荏原「そんなに?」

みんなでその方向を見る

玲奈「…隠れてるつもりなのかな?」

ユリ「丸見えだよね?」

荏原「忍びの者かな?」

セイヤ「…あの人さ…うちの事務所の人じゃない?」

荏原「メガネ掛けてないから誰かわかんないや。」

サチコ「……仲間になりたそうにこちらを見ている…。」

荏原「だからお前、そういう毒を吐くのをよせ笑」

セイヤ「声かけてみようか。」

荏原「そうだな…おーい!!」

手を振っておいでおいでをする荏原


シーン2

同日 仙台市内 勾当台公園のベンチ

荏原、ユリ、アヤ、セイヤ、サチコ、玲奈の他にチヒロが加わった

夏の暑い日なのにチヒロは何故か長袖

玲奈「じゃあ、チヒロちゃんは舞台演技のクラスでレッスン受けてたんだ。」

チヒロは玲奈を無視する

玲奈や周りの皆はえっ?という反応

チヒロ「映像演技にも興味があったし、先生の噂も聞いたので受けてみたいと思ったんです。」

荏原「噂って?」

チヒロ「……どんな生徒にも平等に接してくれて、みんなに人気があるって。」

荏原「舞台の先生だって同じでしょ。」

チヒロ「でも…あの先生から…セクハラみたいなこと受けました…。それにストーカーみたいにしつこいんです。」

荏原「それって大問題じゃない?社長に言おうか?」

チヒロは慌てて

チヒロ「いえ、良いんです…バイト先でも経験があって、その時は隙を見せたあなたも悪いみたいに言われたから…夢があるのでここで揉め事は起こしたくないんです…ごめんなさい、こんな話。」

荏原「いや、いいよ。そういうことがあるっていうのも知っておいた方が良いから。」

チヒロ「誰にも言わないで下さい…。」

荏原は渋々といった感じで頷く

チヒロ「じゃあオレはこれで。」

一同「んっ??」という表情

荏原「ああ、気をつけて。何かあったらすぐ教えなよ。」

チヒロ「ありがとうございます。やっぱり先生は良い先生ですね!」

チヒロは公園を出ていく

後ろ姿を見つめる六人

荏原は去った方向を見つめたまま

荏原「今、オレって言ってたよな?」

セイヤ「あの人、ホントは男なの?」

ユリ「あの人はセイヤと逆の感じ?」

玲奈「前に一度だけ更衣室で会ったことあるけど、普通に女だったよ。」

アヤ「でも、女の人でも自分のことボクとかオレって呼ぶ人たまにいない?」

サチコ「……痛い…人だよね…。」

荏原「だから、お前は毒吐きすぎ笑」

時計を見る荏原

荏原「あっ、オレこれから教習所行くんだ!」

玲奈「先生、車の免許なかったの?」

荏原「東京暮らしが長かったから、免許取ってなかったんだ。」

セイヤ「なんで急に?」

荏原「彼女作るなら、こっちでは車もってないとって…笑」

ユリ「いいじゃん、いいじゃん!免許撮ったらみんなでドライブ行こう!」

荏原「いいよ、楽しみにしてて!」

サチコ「生命保険に入っておかないと…」

荏原「おまえは!」

一同笑う

荏原「じゃあ、またレッスンでな!」

小走りで去る荏原

アヤ「先生ー!」

振り向く荏原

アヤ「ぶつけちゃダメだよー!」

荏原「うるさーい!」

走っていく荏原の後ろ姿

アヤ「先生、免許取れると良いね!」

玲奈「ドライブ楽しみ!」

サチコ「…この人数だと一台でいけない…。」

ユリ「セイヤが車出せば良いじゃん!」

セイヤ「じゃあ二台で出て、途中で交代したりしながら行こうか?」

定義山で油揚げ食べようや夜のドライブも良いね等と盛り上がる

アヤ「拓ちゃんも誘おうね!」

ユリ「当たり前じゃん!」

サチコ「…拓ちゃんも私達の仲間…。」

玲奈「みんな…優しいね。」

セイヤ「先生がいて良かったなと思うよ…。」

玲奈「あの人彼女出来なきゃ良いのに。」

大笑いする五人


シーン3

レッスン場 ロッカー

ユリとアヤは帰り支度をしながら談笑している

アヤ「あの動画の人ヤバいよねー笑」

ユリ「ヤバいヤバい、あの人スゴいヤバかった笑」

そこへ入ってくるチヒロ

二人は気づいて挨拶する

ユリ「お疲れ様ー。」

チヒロ無視する

アヤとユリは顔を見合わせる

チヒロは帰り支度をしながら二人の方を見ないで

チヒロ「オレが荏原さんと仲良くしようとしたからって悪口言わないでくれない?」

アヤ「えっ!?言ってないよ!」

チヒロ「ヤバい、ヤバいってオレのことでしょ?文句があるならさ、いないとこで言わないで直接言ってくれない?オレが荏原さんと仲良くしようとするのがムカつくって!」

ユリ「本当に言ってないって!」

アヤ「動画の話してただけだよ…。」

チヒロ「ホントにムカつくんだよね。どいつもこいつも!」

ロッカーの扉を乱暴に閉めて出ていくチヒロ

ユリ「ヤバいね…あの人。」

アヤ「うん、ヤバい。」


シーン4

プロダクションのビル エレベーター

拓真と玲奈がエレベーターに乗ろうとする

エレベーター内に入り玲奈がエレベーターのボタンを押すと締まり掛けのドアに手を入れてエレベーターの扉を開けるチヒロ

チヒロは何故かシャツの袖を腕まくりする

怯える拓真

玲奈「あっ、お疲れ様さまー。事務所の階?レッスン場の階?」

チヒロはチッと舌打ちして質問には答えず

リストカットの跡が生々しい腕を玲奈にわざと見せつけるようにエレベーターのボタンを押す

傷を見てギョッとした表情の玲奈

拓真は上の方を見て呟く

拓真「ピンク…ピンク…怖い」

エレベーターのドアが開く

チヒロは玲奈にガンを飛ばして出ていく

玲奈「拓ちゃん、大丈夫だよ…怖かったね。」

拓真は玲奈の手を握る


作品が完結しましたら、書かせて頂きます。

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