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5・収穫機の次は本命だって?

 山では講師役がモノレールの動かし方や山の倉庫から街まで実を運ぶ運搬車の操作を教えながら収穫機の適性者を選んでいる。


 まずは簡単なモノレール。そして、運搬車の操作を教え、更に鉱山にある機械の操作をやらせてみるのだ。


 これから収穫機を山で使うには現在鉱山で使っているショベルなども持ち込むことになるのでそれらの操作を教えて無駄にはならない。


 そして、それら操作の優秀者が収穫機の操縦課程へと進む。


 そうやって徐々に適性者を確保し、徐々に講師も増やして対応できるようにしていく。


 もちろん、ある程度まで操縦者が揃えば自分達で教えて行ってもらう予定なので、講師養成もしていかなくてはいけない。


「なんだかやる事が多いな」


 ふと気が付くと本当にやることだらけになっているが、任された対ドラゴンの兵団は副団長に半ば任せっきりだ。


 それでも何とかなるのは魔動バリスタの教導が現在の仕事になってるからと言えるだろう。


 この兵団をモデルに、山にも教習所を作らないといけないのだろうか?


 などと思いながら、収穫機として考えていたものが汎用人型機械へと変貌していっている。


 当初は単にパンの実をもぎ取れれば良かったのだが、木を揺らす腕が加わり、木の剪定や伐採もと、用途がどんどん増えている。


 そして、傾斜地という事で鉱山で使うショベルがそのままは使えないという事で、収穫機には土木アタッチメントまで追加されようとしている。


 ツルハシやシャベルを扱うようになるようだし、ハサミやノコギリ、斧も。


「開墾道具や剪定道具は扱い慣れたもんだ。特に問題はない」


 と、適性者第一号となった農家?の若者も胸を張っている。


 確かに、彼は言うだけの事はあり、試作されたハサミやノコギリを器用に扱って剪定を行って見せた。斧やツルハシも難なく使っている。


「アイツみたいに扱える連中が揃えば山もずいぶん楽になるな」


 年配の農家もそれを頼もしそうに見ている。これまでは若者と言えば危険な木登りを強いていた訳だが、これからはその姿も変わっていく事を実感しているのかもしれない。


 そんな彼の動作を観察し、意見を聞いて収穫機は更なる改良が進んでいく。


 気が付いたら脚にも工夫が加えられているらしく、傾斜地で動かすのに適した構造になったらしい。


「こいつは傾斜地用だな。斧を振るう動作は平地でドラゴンと対峙するにも参考になるだろう」


 などと、すでに違う事を考える連中まで出始めている。てか、リンが試乗してるのって収穫機じゃないよね?


「凄いよ、これ!ほら、思い通りに斧を振り回せる」


 どう見てもハルバート的な斧をやり術のように振り回すリン。


「あれなら中型ドラゴン相手に使えるぞ。問題は鎧をどう作るかって処だろうな」


 と、鍛冶師もそっちの話を始める始末だ。 


 とはいえ、今のところ、主として製造や改良が行われているのは収穫機で間違いない。アタッチメントに対応した汎用型の腕が開発されて実をもぎ取るのも、ハサミやノコギリを握るのもその腕で可能になった。

 特殊用途の木をゆするU字腕やシャベル用についても現地で手軽に交換できるような構造にするらしい。


「操縦者養成はどうだ?」


 喜々として製造と改良が進む鍛冶街の状況に山は付いて行けているのか心配になったが、どうも問題ないらしい。


「すでに15人ほど扱える奴がいる。収穫や整備を始めても問題ないんじゃないか?」


 それほど居たのか。


 一度山へ向かうと、そこでは数機の収穫機が実際に剪定や道を整備するための伐採や通路整備を行っていた。

 ほんの数か月でここまで来るとは適応力が高すぎないか?


「5機を交代で動かしております。なにせ、全員が同じ技量水準という訳ではないので、作業も練習の一環ですよ」


 と、第一号となる優秀な若者が言っている。彼は今行われている作業を一通りこなすだけのウデをすでに身に着けていると云うのだからすごい。


 説明を受け、モノレールや荷車についても見て回って、ついこの間までとは違うその環境に驚くばかりだが、講師が優秀なのもあるんだろう。


「そうだ、動かす時は頭で考えるんじゃない、体で覚えるんだ!」


 収穫機の教習はかなりスパルタだ。


 鍛冶師が隣で怒鳴りながら収穫機の動作をアレコレ指示している。


 教習生は涙目で必死に動かしている印象だが、適性があるからだろう、それでいてミスは少ない。近いうちにそれなりの収穫機が山で稼働するのは間違いないな。


「モノレール建設にも機体を使えばもっといろんなところに敷設できそうなんだがなぁ」


 そんな事をボソッと言っていたのは聞かなかったことにしよう。確かに坑夫達がトロッコで危ない場所までモノレールの資材を運び、そこから作業機を使ってモノレールを崖に敷設しているという話を聞いてはいるが、まさか、ここでも同じような事をやろうとしなくても良い。


「ユーヤ、名前を考えたんだけど、『ドラゴン・ベイン』なんてどうかな?」


 屋敷へ帰ると出迎えてくれたリンがいきなりそんな話を始める。


 何事かと聞いてみたのだが、すでに収穫機の量産が軌道に乗ったので合間に騎士型を製作しているのだという。

 そう、いつだったかリンが操縦していた奴だ。


「ドラゴンと戦う武器としては良い名前だと思うけど、もう出来たのか?」


 そう聞くと、完成とはいかないらしい。


「動くモノは出来てはいるけど、実際に戦う人の意見を聞いて作らないといけないから、ユーヤにも乗ってもらいたいんだ」 


 その様に言われた。


 え?俺が乗って戦うの?


「当たり前でしょ?ユーヤの部隊で動かすんだもの。ユーヤや部隊長格の人たちでまずは『ドラゴン・ベイン』隊を作って戦えることを見せないとひろめられないんだし」


 まあ、それはそうかもしれないけどさ・・・・・・

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