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First  作者: 冷凍mikan
2/3

2.姉の身勝手


まだドキドキしている…


自慢では無いが、

俺は今まで恋というものをしたことがない。


だからこのときはこの感情が何なのか…

あまりわからなかった。


「まあ、ちょっと座りなよ」


姉貴にせかされ、

カーペットの上に腰をおろす。


「どうも、こんにちは~」


姉貴の友達が俺に言う。


「ど…どうも…」


やばい…

俺めっちゃ緊張してるわ…


「あんた、女子に抗体なかったけ?」


姉貴が俺を笑う。


しょうがねえだろ…

勝手になるんだよ!


と、心の中で言い訳をする。


「そうだ!紹介するね。弟の優介。それで、こっちが私の親友の斎藤亜紀だよ。二人ともこれから仲良くしてね~」


姉貴の友達は亜紀さんというらしい。


でも一つ疑問が。


「仲良くって俺そんなに会わないと思うけど…」


「あっ言ってなかったね。これから敦子はここに一緒に住むんだよ」


………………


少しの沈黙が流れた。


「え!?マジで?そんなの聞いてねえよ」


「言ってないもん。でももう決まったことだし。お母さんとお父さんにも許可もらったし~」


「あの…迷惑ですよね?」


亜紀さんがかわいらしい声で俺に問う。


困った表情がすごくかわいくて

つい見つめてしまった。


「優介君?」


黙ったままの俺を見て

亜紀さんが心配そうに俺を見つめる。


「ぜっ・・全然、迷惑じゃありません!こちらこそ、不束者ですが、どうかよろしく!」


一体、俺は何を言っているんだろうか…


姉貴は大爆笑。

亜紀さんも笑っている。


俺も顔を真っ赤にしながら笑っていた。



もともと自由人な姉だったが

まさか同居まで勝手に決めてしまうとは…


何はともあれ…

こうして亜紀さんとの同居生活が始まったんだ。

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