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十月欠片  作者: とにあ
9/9

たとえば君が消えたとして

 

 たとえ話ならいくらでもできる。

 風にそよいだその髪を捕まえるよりきっとたやすく。

 ぎこちない手つきでフライパンをゆすり、多すぎる油の跳ねに菜箸を落として、ぎこちなく振り返ったその表情が可愛いと悶えた。

 失敗を笑うなんてとふくらむその頬をつつきたい欲求にかられたけれど嫌われるのがこわかった。

 嫌われるのなんか平気だと思ってきたのに。

 触れたら壊れる幻想のように思えた。

 傷つけない、いや、傷つかないたとえ話ならできる。

 ずるいな。

 また会える言い訳をずっと探している。

 だから、どこにいようときっと探し続けるんだろう。

 また、出会える運命にチップをはずんで。

 フォークが体温でぬるんでいく。

 本当に触れたいものではないけれど、繋がる記憶が愛おしい。

 どこまでも溺れているんだと思うんだ。

 だから、たとえ話としてもそんな話題は好まない。

お題は〔たとえば君が消えたとして〕です。

〔二人称(君、あなた等)の使用禁止〕かつ〔手触りの描写必須〕で書いてみましょう。

https://shindanmaker.com/467090

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