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十月欠片  作者: とにあ
7/9

強くはなかった。なれなかった

 取り落としたボールペンが床に落ちる音を聞きながらあいてしまったてのひらを見つめた。

「その写真は?」

 ちらっと見えた同僚の携帯端末。そこには旅先で出会った料理下手な喫茶店員のいる喫茶店の外観。

「友人の店ですよ。料理を作ることのできる店員を雇い入れたいけれど、無理とかわけのわからない愚痴をもらったんです」

 ぼやいているように見えて、しかたないなと優しい目をしていることに気がついてるのだろうか?

「友人なのか、恋人じゃなくて」

 つまらない詮索だ。

「友人です。一方通行の愚痴をお互いに投げ込むだけの」

 返事はしないと言う同僚に納得しきれない思いを飲み込んだ。それよりも。

「それ募集してるのか?」

 重要なのはそこだろう。

 落としたボールペンを返された。

「しているとは思いませんよ」

 会話を続ける気のない同僚に強くはでれず、話題は仕事へとうつった。

 強引に聞きただしたかった。

 情報がかけらでも欲しかった。

 できないのは一歩がなにか足りない。

「俺、その店に居た彼女に一目惚れしたんだ。仕事やめていい?」

 言ってしまいたいけれど、友情を壊したくないなら言えはしないだろう。

「声出てます」


お題は〔強くはなかった。なれなかった〕です。

〔感動詞禁止〕かつ〔キーワード「てのひら」必須〕で書いてみましょう。

shindanmaker.com/467090


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