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エネミーキャラクターの魔女
盗賊のリーダーはプレイヤーである。
そのプレイヤーが名乗りを上げた。
「俺様は、アフリカを拠点とするマッドサイエンティスト!ドクターイヴィル!」
「馬鹿がな」
「そうでもねぇ、ここの子供達はな、皆クローンの賜物なんだよ」
「そうか、道理で希薄だと思っておった」
「だろ?」
「てめぇの頭の脳味噌が薄っぺらいと言ってるんだろうが、ハゲー!!」
「…………気にしてたのに!」
「別に私も思っておりましたけど」
空間が歪み、魔女が現れてしまった。
ローブをかぶり、凍てついた敵意を向ける。
「私はエネミーキャラクターと言って、悪意を持った人工知能…………と言えばプレイヤーの天敵だとは思いませんか?」
「あぁ、知ってる、孫の触れた禁忌じゃろ?」
「えぇ、クローン技術は主に生け贄の子羊、やカニバリズム用の家畜、戸籍がないために小児性愛用の性奴隷などに利用できますからね」
「ダークウェブに潜る者なら必ず知れる」
腐れじじいとの孫との見えざるゲームだ。
「ーー内側から直して見せろ、か、下らん」