#5 ミイナ
――ツキカゲ村のとある川
「ん~っ!絶好の釣り日和ね!」
「……そうだな?」
今日は俺とナオとミイナで、ツキカゲ村のとある川に来ていた。何故ここに来たかというと昨日ミイナから釣りの誘いがきたからだ。
「ここってどんなのが釣れるの?」
「色々釣れるわよ 前来たときはアユとかヤマメとか……」
「釣れるかなー?」とナオが心配する。
「大丈夫よ、何せこの釣りの達人がいるからね!」とミイナが自信満々に言う。だがミイナの釣りのセンスは俺は1回見ただけだがかなりのものだ。
「さて、じゃあ早速始めるわけだけど……餌の付け方は覚えてる?」
「あぁ、覚えてる」
「えーと……」見てみるとナオが戸惑っているみたいだった。
「チヒロ、ナオの教えつつやってあげなさい」
「えーとね、これをこうして……」
ナオにもしっかり教えていよいよ釣りを開始する。
「「「…………」」」
餌のついた釣り糸を池に放してしばらく待つ。魚がかかるまでただひたすら待つ。
「……来ないね」
「まだ放したばかりじゃないの」
ナオの気持ちもわかる。俺も初めての時は早く来ないかと思っていたが、なかなか来ないと集中力が切れそうになる。しかし目を離すわけにはいかない、ただじっと待つしかないのだ…すると
(くいっくいっ)
「おっ、ナオのかかってんぞ!」
「あっ本当だ!」
「早く釣り上げて!」
「よっしゃー!」
ナオが勢いよく竿を引き上げる、そして……
「やったー!」
ナオがヤマメを釣り上げた。
「なかなかいい大きさじゃないか?」
「そうね、私も頑張らないと……」
……その後もヤマメやニジマスを釣り上げるなど、今日の釣りは絶好調だった。そして昼食のために一転休憩をすることになった。
「さて、それじゃあご飯の用意を始めましょうか……」
ミイナはそういって先ほど釣ったニジマスをとって、小型の包丁でさばいていく。そしてさばいたニジマスを串に刺し、用意した焚き火で焼いていく。
「おっ、うめぇな」
「でしょー?」
とれたてのニジマスの塩焼きは最高だった。こうしてニジマスに舌鼓を打っていると
「あっ、そういえばチヒロは知ってる、ヌシのこと?」
突然チヒロが俺に質問してきた。
「ヌシ?」
「ヌシっていうのはね……」
ヌシについて知らない俺にミイナが熱く説明してくれた。そのヌシはこのツキカゲ村で一番大きな川に潜んでいるらしく、とてつもない大きさらしい。ミイナは小さいころ1回だけ見たことがあるそうで…
「当然それを釣り上げるのが私の目標よ!チヒロとナオも手伝ってね!」とミイナが言うので俺は
「……考えておくよ」と答えた。