＃3 ナオ
午後6時。空手に稽古が終わった。あれから結局1人ずつ組手をやることになった、もちろん村長とも…。それにしても村長はやはり強かった。師範代を倒したというのはやっぱり本当なのか？
「はっはっはっ！やはり体は鈍っていなかったな」
「村長すごいなー、テツジ先生とも互角だったし」
「まだまだあれが本気ではないぞ？」
現在俺とナオと村長はナオの家へと向かっている、なぜかというと夕食に誘われたからだ。
「チヒロも強かったなー」
「ナオも強くなってるよ」
「本当？やったー！」
ナオはとにかくいつも笑顔だ。学校以外でも一番会っているが本気で怒ったところは見たことがない。同級生等に聞いてもやはり見たことがないそうだ。
「ん、どうした？」
「いや、今日の料理は何かなと思って……」
その後も3人で話をしながら歩き、そしてナオの家へ着いた。
「お帰りー」
「ただいまー！」
「お邪魔します」
「アヤコさん、こんばんは」
「いらっしゃい、二人とも すぐに用意できますからね」
「いらっしゃい」
「おっ、タツオミさん ケガの方は大丈夫で？」
「えぇ、だいぶ良くなってます」
ナオの母のアヤコさんとナオの父のタツオミさん。二人とも『猫獣人』だ。タツオミおじさんは大工の仕事をしているのだが、その際に足を骨折してしまい現在は療養中である。
「はい、出来ましたよ」
「おぉー、サバだ！」
今日の夕食のおかずは、「サバの塩焼き」「きんぴらごぼう」「揚げ出し豆腐」。
「じゃあ、いただきます！」
「「「「いただきます！」」」」
早速おかずを食べてみると、これがやはり美味かった。
「どう、チヒロくん？」
「やっぱりおばさんの料理は美味いですよ」
「あら、ありがとう」
「村長、ところで家の屋根の方は大丈夫ですか？一か所穴が開いてたところがありましたが……」
「あぁ、そういえばあったな……」
「よければ直しておきますよ」
「……タダか？」
「……タダです」
「じゃあ頼む」
こうして他愛ない会話を交えながら夕食を終えた。その後ナオが「泊まっていけば？」と提案してきた。俺はもちろん承諾した。たまにこうしてナオの家に泊まることがある。後から聞いたことだが俺がこの村に来たばっかりの頃はナオの家に居候という提案もあったらしい。
「じゃあ明日カバン持ってくるからな」
「はいよ」
村長が帰った後、俺たちは風呂に入り、寝間着に着替えた後…
「チヒロー……」
「ん、いつものか？」
「うん……」
「はい、じゃあ座って」
俺の言う『いつもの』とは……
「…………」
「いつも思うけど、頭撫でられるのってそんなに気持ちいいの？」
「うん……特にチヒロに撫でられるのが」
「ほかの人もやってるのか？」
「チヒロに初めて撫でられたときにほかの人でも試したんだけど…チヒロがダントツで良かった」
「……嬉しいのかな？」
こうして俺はナオが満足するまで頭を撫で続けるのだった……。
3日以内に書けたが、果たして投稿ペースはどうしようか再び悩んでいます・・・。
