旅先はドラゴンの赴くままに
母親が持ち込む見合い話を断り、家を飛び出すメアリ、そんな中突如村に落っこちたドラゴン。
いったいメアリはどうするのか?
いったいメアリは何をするのか?
少女は、青い空を見上げながら願う
「いつか、この村から出て都会へ行きたい。」
少女は、青い空を見上げながら呟く
「いつか、白馬の王子様が迎えに来てはくれないかな。」
そんな夢見る少女の妄想を打ち消したのは、自室のドアをノックする音だった。
「メアリ、ちょっといいかい!」
軽いタメ息を吐くと、メアリは鍵を開けて声の主を招き入れる。
「どうしたの?母さん。」
「いやぁ、あんたにぴったりのお見合いの相手がいてねぇ。」
メアリは眉間に手を当てて、頭痛を堪えるような真似をする。
娘の心の内を知ってか知らずか、母はまぁまぁ、と口を開く。
「大丈夫よ!今度の人は貴女の好みに合う人を選んだから。」
「だから、いつも言ってるでしょ。
私は結婚する気なんて無いって!」
もう、幾度となく断ってきた見合い話に嫌気がさして、思わず声を荒げてしまう。
そんなメアリに慌てて母は言葉を続けようとする。
「で、でもねメアリ、私は、」
何度拒絶しても、まだ諦めない母を睨みつけると部屋中に響くような大声で、
「もういいって、言ってるでしょ!!!」
メアリは爆発した怒りに背中を押されたかのように、部屋から飛び出した。
後方から聞こえる母の制止を促す声を聞き流し、全力疾走で走る。
家を出て暫くすると、村の方から悲鳴と建物が崩れるような爆音が聞こえてきた。
何事かと思い振り返ると、村で土煙が上がって見える。
メアリは先程よりも速い速度で駆け出した。
「はぁ、はぁ、なに?あれ?」
メアリは目の前の光景にそんな声を漏らした。村の食料貯蔵庫は完膚なきまでに潰れており、見る影もない。
「メアリちゃん!」
名前を呼ばれ振り返ると、村人らがこっちを見て、怯えている。
「みんな?いったいどうしたの?何があったの?」
メアリは理解の追いつかないまま、村人達に質問を投げかける。
「空からドラゴンが降ってきたんじゃ。」
そう言って、村人を掻き分けてメアリの前に現れたのは村長だった。
「ドラゴンって、村長さん…本当?」
メアリが信じられないという風に尋ねる。
村長は、事実を受け止めらとばかりな頷く、メアリが困惑していると、未だ治らない土煙の中から、トコトコという足音とともに、ドラゴンが現れた。
チョコンとぬいぐるみのような愛らしさを伴うドラゴンの瞳は、何人もの男との見合い話を断ってきたメアリを虜にするのに時間はかからなかった。
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