少女
窓もカーテンも閉めきっているこの部屋に閉じこもり始めてから一体どれくらい経つのだろうか。
今日が何月何日なのか、何曜日なのか、今何時何分なのか、何もわからない。
カレンダーとか時計とかそういうものは全部捨てた。
例え昼間だったとしても日光なんて入ってこないし、無駄に防音のされた壁のせいで外の音など一切聞こえない。
ここにあるのは目の前のパソコンとキーボードを叩く音、それからさっきまで飲んでいたエナジードリンクの空き缶。
それらを置いている小さめの机とぬいぐるみのたくさん積まれたベッド。
必要なものはネットで買えるから正直困ることなんてほとんどない。
この世界は効率の良さを軸に循環していて、いくらでも代わりがいるような、そんな不特定多数のうちの一人が欠けたって何の問題もない。
私は自ら世界から抜けた。
世界からの堕落者はもはや他人に存在すら認識されずただただ酸素を吸って二酸化炭素を吐き出すだけ。
人間の体とは想像以上に強いらしく必要最低限の飲食で生き続けることができる。
生きてる理由なんてない。
でも死ぬ理由もない。
生きたいわけではないが死にたいのかと言われるとそれも違う気がする。
まあどうでもいいか。
文字を打つ手を止めて一つため息をついた。
世界はまだ終わりそうにない。