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この世界で俺は生きて行く  作者: ルー
始まりの異世界
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第一章 始まりの異世界召喚

埼玉県 東京に近いところ在住


歳は18


無造作ヘアー


身長は166cm


趣味はゲームただ一つ


恋愛経験は0


名前は『加藤 海里』



「待ちに待ち望んだ8/2!」


学生であり、前月26日に誕生日を迎えた彼の現在は夏休み期間中。


そして8/2はただ一つしかない趣味であるカイリの大好きなゲームシリーズの最新作が発売する。


「リザードクエスト10!歴代上最大規模な作りの上、初のオンライン化!

ディスク入れてダウンロードが終わるのが待ち遠しいぜ全く」



既に予約をしてあったカイリは予約してある店に行き、その帰りの途中であった。


予約してあるお店からカイリの自宅までは徒歩で20分と言ったところにあり、それくらいの距離なら移動バスに200円くらい使うよりコンビニでMMORPGのお供、ポテチとコーラを買って後々楽をしたいと言う生まれつきカイリはそう言った考えの持ち主である。



「んー、後5分あるけば中間地点の聖域だろうかなー」



聖域とはつまりコンビニであった。


基本的引きこもり症のこの男にとってコンビニとはクーラーが効いていて、等価交換さえすれば自分の求める欲しい物がなんでも手に入る…まさに聖域と呼ぶに相応しい場所であった。


半RPG中毒の弱中二病患いかけのカイリはこう言った大袈裟な命名が好きなのだ。






「っと… た…」



「え?」




突然クリアに聞こえてきた声に戸惑い、カイリは辺りを見回す。


しかし37度と言うあり得ない猛暑の中、増してや近道に通る住宅街の路地なんかにそう人なんて入って来やするもんでもない。



「気のせいか…」




首を横に曲げ考えたがそのまま進もうとしたカイリ



その時。





「やっと見つけた」



「うおっ!?」



ハッキリと聞こえる声がした後

カイリの視界が真っ暗になる。


何も聞こえない、感じない

しかしこの感覚は、夢を見ずに寝て居る時の感覚に似ていた。



「どうなってんだ…意識はハッキリしてる、が体が動いてる気がしねぇ

現実的に考えるなら袋に縛られたまま入れられて誘拐と考えたいが、18歳の現在夏休み中の半ニート少年を誘拐したがる奴なんかいねぇもんな」



こう見えてゲームだと燃え上がるタイプであるカイリは現実的にな事に関してはほぼ冷静に考える事が出来る。


そのお陰か、学力に関してはそれなりあった。




そして突然視界が光に包まれる



「まぶしっ!!!!目ぇいてぇよ!」



暗闇に慣れてしまった目がいきなり光に包まれる。

1日の始めに太陽を直で見た時と同じでとても目を開いてられなく、そうして慣れるまで30秒程経った。



ドン



「うお!」



突然何かに押された、一瞬だが訳が分からなかった。

先ほどまで辺りを見回した時は人の気配が全く無く、30秒や1分足らずでは人との接触はそうそう無いと思えていた。


「にぃちゃん邪魔だよ、荷物が運べねぇじゃねぇかよ」



次第に目が慣れ視界が開ける

そうしてまず最初に目に入るはずの男の声の主は、カイリの想像を超える姿をしていた。

これくらい低い声であれば、身長は190cmの土方を着たおっさんだろうと想像をしていたのだから。




「おっさん…あんたなんて姿してんだ…」



当然動揺する、目前の男は両肩にツノがあり、更に額にもツノがあったのだ。



「なんて姿してんだって、俺はオーガだぜ?そりゃ、にぃちゃんはヒューランだから見た目の違いに差を感じるだろうが珍しくも無いだろ、当たり前なんだし」



「当たり前…?」



ツノの男の言葉は理解不能だった

カイリの常識ではあんな人間は絶対に存在しないのだから。



「ったく、今ので頭打ったのか知らねーけど気ぃつけろよな、そんじゃなにぃちゃん」




オーガと名乗るツノの男はそう言って去って行く

訳も分からず男の後を追う様に少し歩くと道が大きく開けて来る。



「なんだ…これ」



大きな広場に入る

中世RPGの様にレンガで作られた地面、中世風な建物ばかりで大広場の端には出店が並んでいた。


そしてそこらを歩く通行人がになにより衝撃を受けた。



白い肌で耳の長い者

先ほど会ったツノの男と同じ姿をした者

カイリがいつも見る人間の姿をした者

そして中でも1番衝撃を受けたのが…



「なんだあのにゃんこはー!」



まるで猫のコスプレをした様な姿をした少女までもが居た、しかしカチューシャもつけてなければ尻尾なども付け根がしっかりしていた。


つまりは人間じゃなく初めて見る本物。


今までゲームでしか見たことの無かったその見た目、そしてそのゲームで少し慣れ親しんだ姿の者を見て少し落ち着き、状況を整理する。



「俺はコンビニに行くはずだったよなぁ…近道になる住宅路地に入りそこで変な声が聞こえてツノのおっさんにぶつかってから…んー」




理解が追いついていなかったが、頬をつねなどして痛みを感じると、これは現実だと受け入れる。


しかし何故こうなったのか、カイリ本人ですらそれは分からない…いきなり過ぎて何もかも分からないのだ。



「だーー!無理!とりあえず歩こうそうしよう、ってか高い所に行けば何かあるんじゃね!?」



高い所、そこに行けば地形など大体は見れるはず

とりあえず今居る場所が自分の居た場所では無いのを心身共に理解させ全体的に落ち着かせたかったのだ。


そして広場の中央からグルっと見回し、周りの中で1番高そうな場所を見つける



「丘…と言うより遠くから見る限りじゃ自然公園みたいな場所みたいだな。

とりあえずそこに行こう、あの高さなら十分辺りを見回せる」



そう自分に言い聞かせ、まずは丘へと目指す。

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