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悪魔の微笑を消す呪文  作者: 林 りょう
【黒騎士】編
48/79

新たな剣と共に



 

 三日も高熱で魘され、残す治療が肋骨だけとなるまでにあっという間で一週間が経過した。

 ジャン様に頭を下げたところまではなんとか覚えているも、あれからどのような状況になっているか不明だ。

 そもそもなぜ、自分はここに居るのか。目が覚めたら見知らぬ部屋で横になっていて、看病をしてくれていた人へ説明を求めたところ、返ってきた答えが「ここはレオンハルト・サン=シール様のお屋敷です」だった。つまりは母さんの生家である。

 それからずっと安静を徹底されており、外の情報は一切得られていない。

 正直言えば、居心地が悪くてたまらなかった。もちろん原因は私の精神的な部分にあり、ただの我侭でしかなく、むしろ世話をしてくれる方々はとても好意的に接してくれている。それが余計に居た堪れないのだが、唯一として総騎士団長と顔を合わせずに済んでいることには心から安堵していた。

 とはいえ、いつかは礼を伝えねばならないだろう。それを考えたら、とにかく憂鬱だ。騎士としても、母さんの娘としても、失格どころではないのだから。

 私が完治するのが先か、あちらが問題を解決できるのが先か。どちらも済んでからでなければ、おそらくは屋敷から出られないと思うので、どうやったって八方塞がりだった。

 その他でも、ため息を吐きたくなることが多々ある。寝込んでいる間で、かなり体力が落ちてしまっていた。腕立てすら、今までの半分もこなせないほどだ。

 しかも最悪なことに、一番世話を焼いてくれている十ほど年上の女性の使用人にその場面を見られてしまい、部屋でできる軽い運動であっても禁止される始末。腰を捻らなければ我慢できない痛みは襲ってこないといくら訴えても、笑顔で首を振られ最終的には従わなければベッドに縛り付けるとまで言われてしまった。

 つまるところ気を紛らわせるものが何もなく、そうなると反省しかできない。無限にあると思えるほど、題材には事欠かないのだ。もちろん自業自得だが、自分の馬鹿さ加減があまりにもひど過ぎて、冷静になっていくほど自己嫌悪に陥りかける。

 けれど、図太さと意地ならば誰にも負けないので、今のところは耐えることができていた。

 どうすれば最善を尽くせたのか。どういった生き方をすれば良かったのか。それを考え始めてしまえば、どこかで必ず救えた者を救えなくなってしまう。

 だから、憑き物が落ちたとまでは言えないまでも、より自然に、もっと強固に、鎧として剣として口角を上げられるようになった気がする。

 なんにせよ、最も考えなければならないのは、これからをどう生きるかだ。意味も覚悟も何もかもが無に帰した今、これまでの責任を取りながらも、私は私としてしかやはり存在できないのだから。

 そうして窓の外を眺めていると、庭に降り立った一匹の鳥にとらわれていた意識が、はっきりとしたノックの音に呼び戻された。


「どうぞ」

「失礼致します」


 私がベッドから降りていないか、もはや監視としか思えない様子見は、つい数十分前にあったばかり。

 何事かと思いながら返答すれば、扉の向こうには例の使用人の女性ともう一人、思わぬ方の姿があった。


「こんにちは、レオちゃん。具合はどうかしら?」

「ジョゼット様……」

「ああ、楽な姿勢のままで構わないわ」


 予想もしない来客に慌てて立ち上がろうとして、有無を言わさぬ笑みに止められる。

 仕方なく、背中にクッションを置いて上半身のみ起こした状態のままで椅子を探す。そんなことを私が気にしなくともすぐに場は整えられ、目の前にジョゼット様が腰を下ろされた。

 約一ヶ月振りだろうか。相変わらず、少女としか思えない若々しさだ。


「お久しぶりです。ですが、どうしてここが……」

「アシル様から教えて頂いたの。元々ハルト様のお屋敷へは定期的に遊びに来ていたから、怪しまれることもほぼ無いわ」


 だとしても、このタイミングでただのお見舞いをしに来る方ではないだろう。

 自然と緊張する。それにジョゼット様も、どことなく貴族としての雰囲気を纏っているように思えた。


「熱が高かったと聞いていたから、顔色が良くて安心したわ」

「ご心配をお掛け致しました。今ではもう、動かなければ痛みも感じません」

「そう……。怪我はどれぐらい掛かるとお医者様は仰っていたの?」

「二ヶ月ほどだそうです」


 始めは当たり障りの無い会話からだった。

 怪我の具合の次には、わざわざ持ってきて下さった見舞いの品にこちらが礼を述べ、しばし穏やかな時間が流れる。

 しかしそれは、ジョゼット様からの突然の謝罪によって変化していった。


「ごめんなさい。知っていながらわたくしは、色々と酷いことを言ってしまったわね」

「いえ。何も分かっていなかったのは私ですから」


 ゆっくりと首を振りながら返せば、静かに手が重ねられた。


「止めることも出来たの。いいえ、本当は止めなければならなかったわ。誰の目にも、レオちゃんが間違った道を進んでいることなど分かっていたのだもの。けれどわたくし達の誰もが、それを選ばなかった」

「あの……、ジョゼット様?」

「よく踏みとどまってくれました。本当に、頑張ったわね」


 意味はもちろん、そこに込められた想いもほとんど汲み取ることができず、困惑しながら苦笑する。

 すると、しばらく私の手を取り額に当てていたジョゼット様は、顔を上げて無理やりに話をすげ替えた。


「レオちゃんのお母さんはね、わたくしにとって憧れだったの」

「母がですか?」


 それは母さんとジョゼット様、そしてアシル様についての興味深い内容だった。

 大きな瞳を懐かしそうに細め、視線が私を通して過去へと注がれる。


「わたくしはね、初めての夜会からずっとアシル様に恋をしていたの。一目ぼれだったわ。けれど、その隣りにはいつも、とても明るく綺麗な人が並んでいて、家柄も何もかもが敵わないわたくしでは、彼女に取って代わるなんて夢のまた夢だと思っていたの」


 私にとっては、貴族な母さんの姿など想像もつかない。

 とりあえず相槌を打っていれば、次第に控えめな思い出し笑いが聞こえるようになっていった。


「毎回、遠くからアシル様のお姿を眺める日々が続いたわ。けれどそれはね、レオナが突然声を掛けてきたことで一変したの。二人が婚約していたのは知っている?」

「はい。先日、教えて頂きました」

「だというのに、レオナはわたくしにこう言ったのよ。〝あなたになら、アシルのことを任せられそう〟って」


 それを聞いた瞬間、頭を抱えてしまいそうになった。

 「あの時は本当に驚いたわ。はしたなくも、口を開けていたかもしれないぐらい」と仰るのも当然だ。

 そんなきっかけから、交流が始まったらしい。

 そして、状況を受け入れるより早く、あっという間でアシル様の隣に立っていたそうだ。


「アシル様はそれで良かったのでしょうか」


 思わず不躾な質問をしてしまうが、ジョゼット様も当時は思ったのだとか。

 鈴の音のような笑い声を転がしながら、快く答えてくれる。


「良くも悪くも、二人は兄妹のような感じだったらしいの。だから、むしろわたくしで良かったと仰って下さってるわ。もちろん貴族としては、レオナの取った行動は許されないけれど……。それでもね、わたくし()にとって彼女とカルロは恩人で、そして親友なの」


 だからこの方は、私に気を配ってくれていたのだろう。アシル様もだ。

 義務を優先して当然な立場でありながら、わざわざ必要のない謝罪までしてくれたのも、全ては私が両親の娘であるから。二人が結んだ縁が、死してなお護ってくれている。


「あの小さな宿は、心を休めるのにとても良い場所だったわ。幼い頃から重責のある子たちにとっては特に、呼吸がし易かったでしょうね」


 そんなにも大切な場所を、私は感情任せにあっさりと売り払ったのだ。それはジャン様でなくとも恨みたくなるだろう。

 かといって、ここでジョゼット様に謝るのも違う気がする。

 だから黙って頷けば、ずっと繋がっていた手が離れていった。


「なのに、あんな事になってしまって……。すぐにレオちゃんを迎えに行けなくて、本当にごめんなさい」

「ジョゼット様が責任を感じる必要など――」

「あるわ、あるの。だって、わたくしだけが当時、それができる時間があったんですもの。なのに、したことといえば悲しみに暮れるだけで、自分の子すら蔑ろにしてしまった」


 大きな瞳が潤みだし、本気でうろたえた。

 さすがに涙が零れ落ちることはなかったが、だとしてもそれだけでジョゼット様の場合は効果が絶大だ。どのような状況であっても、こちらが悪い気がしてくる。


「あの! 少なくとも私は、両親の娘のままで居られたことを嬉しく思っています。それに、もう終わったことですから」


 ベッドから身を乗り出して必死に詰め寄った。

 すると、どこか傷ついたように表情が陰る。薄情だと感じられたのかもしれない。ジョゼット様は本当に、母さんを好いてくれていたようだから。

 でも、残念ながら私には、そう言う以外他なかった。


「醜態しか晒せませんでしたし、勝手な行動が無かったことにはならないとも分かっています。けれど、決めたんです。復讐を望んだエレオノーラとしてではなく、今の私として生きようと。せっかく貰った名を捨てるのは申し訳なくありますが、両親ならば許してくれるだろうと思うことにしました」

「でも――」

「もちろん、恨みは一生消えません。わだかまりだって色々と残っています。だからこそ、それら全てをエレオノーラの中にまとめて、落ち着いてからお墓の両親に全部預かってもらいに行くつもりです。ただでさえ心配を掛けた上に面倒事を押し付けるなんて、親不幸も甚だしいですが」

「それで本当に納得するの? わたくし達は、あなたの感情を利用して…………」


 ジョゼット様の言葉を微笑んで止め、視線を外す。その先は聞きたくなかった。

 薬物パーティーを皮切りとした一連の行動で、私が正しくあれたのは女児を救ったことのみだ。なのに非難も叱責もあまりされないのは、それがあるからなのだと分かっていた。

 もちろん、全てが片付いてから取るべき責任は取らなければならない。それが退団だとしても、甘んじて受け入れるつもりだ。あまりにも関わりすぎているので、秘密裏に処理される可能性もあるだろう。

 だとしても、拒むつもりはない。その決定をイースが下すのであればだが。


「利用されるほど、弱い私がいけなかったのです。利用させてしまった私こそ、ジョゼット様に頭を下げるべきでしょう。ただ一つ、お答え頂ければ幸いです。無礼な質問ではありますが、ジョゼット様は今回、最善を尽くせたとお思いですか?」

「…………ええ、そうね」

「でしたら、最善を尽くせなかった私が抗議をしたところで、それは全てただの負け犬の遠吠えですよ」


 そして視線を戻せば、いきなり抱き締められてしまった。

 少しばかり痛みが生まれるも気にならず、恐る恐る背中に腕を回す。

 とても、とても温かかった。

 こういう人だから、こういう人達だから、嫌いになれないし自分の不甲斐なさを申し訳なく思う。

 共に戦える強さがあれば、力量があれば、こんなにも複雑で面倒なことにならなかったはずだ。


「歳を取ると、涙腺が緩くなってだめね」

「そんな。ジョゼット様はまだまだお若いですよ」


 耳元でなんとも似合わないセリフが聞こえ、思わず笑ってしまった。


「ジャンのことも、ありがとう。レオちゃんのおかげで、あの子もきっと前を向けるわ」


 だが、それにはゆるゆると首を振る。

 何を話したか覚えていないとしても、それは違う。私とジャン様は、一生相容れることができないだろう。

 それで良い。恨み続けることは疲れるが、かといってそれは確かに原動力になる。

 あの人のおかげで私は今まで生きてこれた。だから、せめてそれで立てるのならばと勝手を通しただけだ。あの才能が埋もれるのはもったいない。


「自己満足を果たしただけですから」


 そして、しばらくそのままの状態でポツリポツリと宿での思い出話を聞き、ジョゼット様が座りなおされてからだった。


「カティア、例の物を持ってきて頂戴」

「かしこまりました」


 今まで空気と化していた使用人の女性へ、唐突に声を掛けられる。

 彼女はそれに従い部屋を出て、すぐに戻って来た。その腕には、細長い木箱が抱えられていた。


「今日はね、顔を見に来たのともう一つ、お使いを頼まれていたの」


 ジョゼット様はそれを受け取ると床へは置かず、重そうにしながらも膝の上に乗せる。

 丁寧な動作でふたを開け中身を取り出せば、このタイミングで名を知ったカティアさんが役目を終えた箱を再び預かり後ろへと下がった。

 納められていた物は、美しい翡翠の布に覆われていた。

 だが、その形から正体を悟り、絶句する。

 そんな私に構うことなくジョゼット様が布を外していき、それは姿を表した。

 これといって装飾の無い、シンプルな剣だ。そう――鞘が赤い剣だった。


「これを渡すようにと」


 そしてジョゼット様は、ベッドで伸ばした私の太ももの上へとその剣を置いた。

 ほんの少しの間にも関わらず、その重さを懐かしいと思ってしまう。

 一見すればどこにでもありそうだが、吸い寄せられるように引き抜けば、剣身が光を反射して見事に輝く。それだけで、これがとても高価で、そのくせ実用性に富んだ逸品だと知れる。

 すんなり手に馴染むのは何故だろう。

 そうか、これは私の剣と形がそっくりなのだ。少し負担を感じるが、それは体力が落ちたせいだろう。

 そこで我に返る。


「ジョゼット様、これは……」

「レオちゃんの剣よ」

「しかし――!」


 慌てて刃を納め、突き返そうとした。

 受け取れるわけがない。そもそも私の剣はゼクス団長に預けてあり、それを返して頂く資格すらないのだ。

 けれど、拒絶の言葉は続けられなかった。

 立ち上がったジョゼット様は、いつぞやに見た貴族の顔をされていた。

 普段の柔らかさなど微塵も残さない張り付けた笑みを浮かべ、部屋の空気を一瞬にして変えてしまう。


「あなたへ、王太子殿下からのお言葉を伝えます。心してお聞きなさい」


 今回ばかりはジョゼット様もカティアさんも、私がベッドから起き上がり床で跪いても止めたりしない。

 ちなみに格好もしっかりと下も履いているので、良くはないがこの状況なら仕方がないと言えるだろう。

 むしろ問題は、別の部分にある。


「以前の剣は、既に破棄したとのことです」


 ほらな。まじで笑えない。

 かといって、ここで文句を言うのは筋違いだ。

 それに、私へのあてつけや嫌がらせでそんなことをするほど、あいつも暇じゃないだろう。


「あなた方に許された唯一の権利、そして自由は、剣を取るか否かを決めるその時だけです。従って、拒否することは出来無いと理解なさい」


 冷たい声がきっぱりと言い放つ。

 理屈は分かった。それでもこの剣は、私の手に余る。恩情とは思えず、返答ができない。

 そんな私を見かねてか、しばらくしてジョゼット様がしゃがみ込んで肩に手を置かれた。


「責められないことは辛いかしら?」


 顔を上げられなかった。

 図星だからではなく、恥ずかしくてたまらなかったからだ。

 さすがの私でも、甘やかされてまで騎士でありたいと思えるほど面の皮は厚くない。

 なのにどうして、あいつは王太子として私に剣を与えようとするのだろう。

 すると、控えめな笑い声が聞こえてきた。


「ふふ、ごめんなさい。あまりにも、王太子殿下が仰った通りの反応をするものだから」

「え?」

「レオちゃんは、これを特別扱いだと感じたのでしょう?」


 ジョゼット様は床についた手を半ば強引に取ると、顔を上げるよう告げてくる。

 従えば、真摯な眼差しが待っていた。


「わたくしの興味も、アシル様の関心も、確かにレオナとカルロの娘というところからきているわ。王太子殿下もきっかけはそうだったのでしょう。でもね、それだけで罪悪感を抱けるほど、わたくし達は優しくあれないの。それだけで感情を維持できるほど、暇でもないのよ」


 口調そのものは柔らかかったが、言葉はことのほか容赦がない。

 だからこそ、慰めではなく本心なのだと伝わってくる。


「わたくしが言ったところで、説得力はないかもしれないけれど……。でもね、レオちゃん。あなたが頑張っていたことを、わたくしですらその身に刻まれた証を通じて知っているわ。自分の為と言いながら、それ以外でも命を張ってしまう不器用さもよ」

「しかし、私は――」

「そうね、目的は褒められたものではなかったわね。けれど、費やした努力までもが無駄にはならないわ。そしてその直向さが、わたくし達にもったいないと思わせたの」

「もったい、ない?」

「ええ、もったいないわ。だってそうでしょう? 他人の為に命を張れる子が、自分を理由に剣を持っていたのよ。王太子殿下のお言葉をお借りすれば、くだらない理由で過酷な環境を生き抜いてきたの。でもね、頑張ることは誰にでも出来るけれど、頑張り続けるのは存外難しいの。それがたとえ現実逃避であってもよ」


 違うと言いたかった。

 頑張るしか私には出来なかっただけだ。そうしなければ、ただでさえ見えなかったゴールに一生近付けなかったから。

 けれどジョゼット様は、否定を許さない。

 この方は、私が自惚れるとは思わないのだろうか。


「だから、強くなって欲しいと思えたの。今が弱いと言っているわけではないわ。あなたの強さは、あなたの中に無いだけよ」


 そして、ジョゼット様は立ち上がり、再び私を見下ろした。


「恥ずかしく思えるあなただからこそ、わたくし達は安心して期待ができるの。だから、誇って良いのよ。あなたはしっかりと十年もの間、決意を貫き通したのだから」

「そう、でしょうか……」

「あなたは裏切らなかっただけだわ。だから、この剣を得ることができた。これでもまだ、躊躇するというのなら……。そうね、わたくし達が贔屓をしたのではなく、あなたの真っ直ぐさが贔屓をさせたのよ」


 その言葉を嬉しいと思っても大丈夫だろうか。そう思うことは、甘えではないのだろうか。

 視線が傍らに置いた剣へと移る。

 私もイースもあまり好きではない赤を敢えて選んだのは、だからこそなのかもしれない。あいつもいずれ、その色のマントを背負うことになるのだから。


「そして、探して――見つけなさい。その剣を揮う、新たな理由を。王太子殿下は、それをお求めです」


 そっと鞘を撫でた。

 困ったな。剣帯を新調するには、二ヶ月ぐらい禁酒しなければならないだろう。この重い剣をしっかり支えられる、とっておきで丈夫な物が必要だからケチるわけにはいかない。色はもちろん、あいつの髪にも引けをとらない黒で決まりだ。


「受け取ってくれますね」

「謹んで頂戴致します」


 これを鈍らにしてしまうぐらいなら死を選ぼう。

 そして私は、新たな剣に誓いを立てた。





 

 


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