71 任務完了
七十一
天上廃都の結晶神殿で一晩を明かし、陽光が徐々に大地に染み込みだした時間。
ギルベルト達はこれから本格的な調査の為、大地喰いの発生した現場へと向かう準備を整え出発する前。ミラもこの後、神殿の深部で目標物の回収をすれば任務完了となり帰還する予定。つまりは別れの時間だ。
「色々と世話になったのぅ」
ミラが二人にそう切り出して手を差し出すと、調査道具の点検を終えたギルベルトがその手をしっかりと握り返す。
「それはお互い様だ。こちらも、ミラさんが居なければ空への階段でもっと苦戦していただろう。用意してきた薬がそのまま残っているのは嬉しい誤算だ」
「うむ、何かと刺激は強かったが拙者もミラ殿と会えた事は幸運と思う」
恥ずかしげに顔を赤らめるも、その言葉に偽りは無く、ハインリヒも真っ直ぐ向かい合って握手を交わした。
「では、達者でのぅ」
「ああ、ミラさんも」
「息災を祈る」
そうしてギルベルトとハインリヒは、結晶神殿を後にすると森へと向けて歩き出していった。短い間であったが、気持ちの良い二人組だったとミラは二人の後姿にひっそりと微笑みかけると、神殿内へと引き返す。
それからミラも今回の目的を遂げるべく、地下へと続く階段を下っていった。
無形術の明かりが、表情を亡くして久しい無機質な石の壁を虚ろに照らす。一歩一歩と小さな足を受け止める石段は木魂のように幾度となく遠い闇の中へと足音を繰り返す。
地下二階を越えて三階。そこには目的地である結晶神殿の最深部『光彩交わる水晶の間』があり、ミラは現在その手前に存在する『禊の間』に居た。
窒息しそうな程の暗闇に沈んだ禊の間の中央には祭壇が置かれている。それは柱の途中を抉り取ったような形をしており、薄汚れた水晶の玉が一つあるだけだ。
光球の明かりだけを頼りにその祭壇の前まで寄ると、ミラはそこにあった水晶玉を手でぐっと押し込んだ。
するとその手は何かが隙間に埋まったような手応えを感じる。
直後に装置が起動し、まるで迷った無数の土竜が手当たり次第に地面を掘り進んでは壁にぶつかるかのように、曇った音がところどころから沸き立つ。
それは壁を這いあがり、やがて一点に収束すると重い皮袋を引きずるような音となり、どこからか禊の間に溜息のような風が吹き抜けた。
祭壇から離れたミラは、その足で奥へと向かう。するとそこには、石のブロックが積み上げられた壁に、ぽかりと不自然な穴が開いていた。大きさは大人一人がくぐれる程度で、歩く程度の緩い風が流れ出ている。苔むしたような、どこか青く夏の藪にも似たむっとした匂いが風と一緒に鼻先に纏わりつく。
穴の奥へと続く通路は入り口と同じ程度の幅で、奥へ奥へと続いている。ミラは、そんな通路を何ら躊躇う事無く進み、やがてその先から零れてくる光を確認した。
「微妙に遠いのぅ」
愚痴めいたものを零しながら、ミラはその光の出所である最深部へと足を踏み入れる。
光彩交わる水晶の間は、その名の通りの場所であった。
広さは約十メートル四方であり、天井部はほぼ水晶に覆われ部屋の中央には膝を抱えたミラほどの水晶の塊が置かれている。そこへ白んで見えるくらいの濃い光が柱のように天井から差し込み、水晶の中で硝子のように細く砕けては部屋の隅々へと枝のように伸びて、その先に小さな陽だまりを作り出していた。
「さて、どの辺りじゃろうな」
ミラは無数の光の線が交差する空間を中心の水晶塊に向かって歩いていく。床には芝生のような苔が点々と自生しており、時折天井からは水が滴り落ちていた。
水晶塊に降り注ぐ光に戯れに手を差し込むと、陽光と同じ包み込むような温もりがそっと触れる。これこそが黒水晶を白水晶へと変化させる光だ。効率を考えるなら、この光の傍で作業していた可能性が高いという事にもなる。
光の中から手を抜くとミラはその場にしゃがみ込んで、砂利と埃と苔に塗れた床を漁り始める。
いつの頃かわからない薄汚れた屑を探して中心を基点に一周し終えたところで、ミラは水晶塊に肘をついて瞼を閉じ、指を顎先に這わせながらしかめっ面で「ぬぅ……」と声を漏らした。
それらしい屑が見つからなかったのだ。
だが、ここまで来ておいて空振りかと再度身を屈めたミラの目に、髪を短く切り揃えた子供の頭のように不自然に盛り上がる苔の山が映った。
一縷の望みを賭けてそこへ手を伸ばし表面の苔を払い除ければ、腐った樹皮が剥がれるように捲れ上がり、その下には屑というには余りにも鮮やかな色合いを残した欠片が積もっていた。祈り子の森に似た、微かな香りが広がり、探していた御神木の削り屑で間違いないだろうとミラは確信した。
(これで年代の特定は可能なのかのぅ)
削り屑からソウルハウルがこの場に訪れた年代を特定する予定だったが、その木屑の見た目が昨日今日に削られたと言われても納得してしまいそうなほどに木目まではっきりと見て取れるので不安になるミラ。
だが決して昨日今日ではないだろうと、ミラは鬘のように覆いかぶさる苔を見て思う。
(まあ、これはわしの専門外じゃからな。やるべき事をこなすとしよう)
ミラは早々に細かい事を思案するのを放棄して、回収用にと預った皮袋に苔ごとその小山をまるまる押し込んだ。
それから他の場所も一通り探り、もう一つの苔山を見つけそのまま皮袋に突っ込むと、光彩交わる水晶の間を振り返る事無く結晶神殿へと戻って行った。
「来るまでが面倒なだけじゃったな」
目的であった木屑も回収し用事もなくなったミラはペガサスに跨ると、ただ静かに墓標のように横たわる街並みを眼下に眺めながら、天上廃都へ入った時に下った階段へ向かっていた。
その傍に一方通行の帰り道があるからだ。
階段を見上げる位置まで到着しペガサスを送還して、そのまま右の脇へ進む。すると高くまで続く階段の影に隠れるようにミラよりも大きな暗い穴がぽかりと開いていた。
その奥へと入っていけば、中央に魔法陣が刻まれているドーム状に広がった空間に出る。
ミラは迷わずその中心に立つと、ほんの少しの時間差の後、魔法陣がぼんやりと光り、ふっと重力が半分になったかのような浮遊感と共に床ごとミラの身体は底の方へと沈んで行った。
十分ほどで最下層に到着する。
乗ってきた魔法陣以外には何も無い広場から、せせらぎのような音が反響する通路へと踏み出す。そこに足音の木魂を残しながら進んでいくと、壊れた門を左に仰ぐ横穴から広い洞窟内へと抜けた。帰り専用の道は、空への階段の入り口となっている場所に通じていたのだ。
そしてミラはダークナイトを召喚すると、闇の中から襲ってくる魔物を意に介さず洞窟から脱出した。
森に出ると暖かな空気が立ち込めており、冷えた身体を溶かすように包み込む。むせ返りそうなほど青臭くも胸の奥へと吸い込めばどこか安らぐ春の吐息は、梢の間を吹き抜けては曖昧に解けていく。
ミラは再びペガサスの背に跨ると燃えるような緑の森の上空を、近くの街へ向かって飛び立った。
「さて、どうしたもんかのぅ」
山脈の裾に広がる森が途切れ、一面に広がる草原に出て数十分の事。ミラは今後の予定について思案していた。それは、このまま駅街へ向かい帰路につくか、大陸三強の大国がどのような進化を遂げているのか確認するという名目で観光するかだ。
だが、そう悩んでいるように誰にともなく呟いてはいるが、ウエストポーチの中の残金を確かめるミラの心はほぼ決まっていた。
(たまには休養も必要じゃろう。折角ここまできたんじゃ、三十年でどう変わったのかの調査も兼ねてのぅ)
自分に対する言い訳を考えると、ミラはアリスファリウス聖国の首都、聖都リデルへと進路を向けた。
ペガサスの背に乗ったままマンガを読むという進化を遂げながら、空を行くこと二時間弱。遠く蜃気楼のように見えてきた聖都リデルは、ミラの記憶から大きくその様子を変えていた。
「ふむ……場所は……あってるのぅ」
マップでそこは確かにアリスファリウス聖国の首都であると認めると、ミラは細く笑みを湛えながら心の中を高揚させていく。
三十年という時を経た世界の変化。それは既にミラの楽しみともなっていたからだ。
首都へと続く街道は広く、流石は三神国というべき人数が行き交っている。飛行中ペガサスの背から見下ろしただけでも、人が見えなくなる事は無く、常にちらほらと姿が見えていたのだ。首都に近づき、街道が交われば交わるほど人数も増し、話し声が聞えてきそうなくらいに賑わっていく。
聖都リデルを間近に捉え街道から少し外れた草原の只中に降り立ち街道に合流すると、確かな息遣いを周囲に感じながらミラはとうとう到着した正門を見上げる。
(近くで見ると、何とも不可思議じゃな)
全体が白く、形を均一に整えた石が積み上げられ外枠となり、銀に輝く門は今は開け放たれている。
眼鏡を掛けた門番が数人、脇に立ち通行人を見張っていた。
しかしミラが見ていたのは、そんな門ではない。そのまま視線を横にずらして、城壁、のような光の幕を見ていたのだ。
ミラが知る聖都リデルで、最も目立つであろう変化の一つである。かつて首都を守っていた城壁は更にその奥で視界の端まで続いており、現在はその城壁の外にまで広がった聖都を、新たな技術で生み出された結界が城壁の役を担い護っている。
結界は風になびく夏のカーテンのように揺れており、虹色に淡い光を放つそれは、まるでシャボン玉の膜のように心許無く見えた。
だがミラの知る三神国というものは、絶対的な存在だ。
プレイヤー達の国が盛んに戦火を上げては群雄割拠する当時、プレイヤー国家最強が三神国の一つグリムダートに宣戦布告し、完膚なきまでの大敗を喫したという情報が流れ、どの国も三神国にだけは布告を行わなくなったという歴史がある。
それだけ三神国というのは他を凌駕している存在であった。
ミラも、アリスファリウスで発生するクエストで、その力を垣間見ている。故に、目の前の光景もまた三神国のやる事として興味津々だ。
「のうのう、ちょいと聞いても良いか?」
門をくぐる前、ミラはふらりと人の流れから外れると、脇に控える門番の一人に声を掛ける。
「どうしたんだい。お嬢ちゃん」
凛と鈴のように響くも、どこか水のように落ち着いた声に、門番が少しだけ表情を崩して答える。
「この門から伸びるあの光の壁のようなものはなんなのじゃ? あれも城壁か?」
「ああ、城壁結界というものだよ。詳しい事はお偉方しか知らないが、なんでも魔導工学と退魔術の応用だとかいうものだ」
門番は、そう言いながら門の奥、かつて最前線で首都を護っていた城壁を労うように視線を向ける。ミラもそれにつられるようにして顔を向ければ、その手前に広がる新都市部が目に入った。建築物はどれも白く、ところどころから緑の萌える樹が葉を広げ頭を覗かせている。
「そうじゃったのか。魔導工学とは、なんとも幅広いのぅ」
「今じゃあ、船が空まで飛べるからな」
視線をミラへと戻すと口角を上げて人の良さそうな笑みをする門番。ミラは「確かに」と空を仰ぎ見れば、太陽を背にした鳥が黒い点となって横切っていった。
門を抜けて暫く進み新都市部の街並みを一望してきたミラは、かつての聖都リデルとの違いに心を奮わせる。
宗教色の強いアリスファリウスでは、白という色が多く使われていた。軽く見回すだけでも建物はほぼ白い石材で建築され、それ以外となると木材などの色合いそのままである。
そして特に大きな変化といえば、街のそこかしこにグリムワードという樹が植えられているという事だ。このグリムワードの樹は、アリスファリウス聖国で聖樹とされており、夏になると紫色の鮮やかな花を咲かせる。
ミラの記憶にある街並みでは、公園や街道沿いなどに植えられているだけだったが、今では二軒に一軒の割合で敷地内に植えられているのを見かける。
一見しただけなら、白よりも緑の方が目に付くほどだ。
(流石は三神国じゃな。随分と攻めておる)
そんな感想を秘めながら、当時の事を思い出しつつ、大通りを外れてふらりふらりと観光を楽しんでいるミラ。
住宅街であるそこには、多くの子供達が快活に遊びに励んでいた。
変声期前の中性的な声ではしゃいでは、民家脇のグリムワードに登って飛び降りるという度胸試しに興じる少年達。手に人形を持った少女達は一塊になって人形に喋らせる。かと思えば少年達がベンチに集まって騒ぎ、少女達は元気に走り回っていたりもする。
木陰で噂話に花を咲かせる主婦も、大工仕事に精を出す棟梁も、ただ何気なくすれ違う住民もミラの目には生き生きと輝いて見える。
そんな生命を謳歌する人々の笑顔は、まるで周囲の色がゆっくりと溶け出しているかのようで、その声は騒々しくもあり、また安らぐものでもあった。
少しずつ染められるように穏やかな風が心に吹き込むのを感じると、気付けばミラは住宅街の脇道を抜けて商店街へと辿り付いていた。
色合いは相変わらず白が半分以上を占めているが、そこにいる人々は衣装も内面も色とりどりだ。
人通りは跳ね上がり活気も高まり、人の隙間を縫うように子供が駆け回っている。
籠を持った女性は多いが男性や武装した冒険者といった旅人がほとんど見当たらない、至って平和な景観である。
この商店街は生活に密着した、いうなれば住民の為の場所だった。正門から入って直ぐの大通りに並ぶ対外向けの店舗とは違い、日用品や家庭で消費する類のものを扱う店舗が揃っている。地域密着型で皆家族とでもいったような雰囲気だ。
そんな商店街の中を精肉店や八百屋といった食料品を扱う店をちらほらと覗きながら歩いていたミラは、腹の虫を誘うような匂いに抗わず、手軽に口に出来る串焼きや惣菜などを頬張り胃袋を喜ばせた。
そうして特に当てもなく巡っていると、ミラはいつしか子供達に紛れて一軒の店の前へと辿り着く。
その店は扉が大きく開け放たれており、主に子供が多く出入りを繰り返している。
「何の店じゃ?」
ミラはそう呟きながら白い倉庫にも見える店内を覗き込む。
カウンターらしきところが見え、そこにはエプロンを下げた女性の店員が少年からお金を受け取ると、掌ほどの大きさの四角い何かを渡していた。
壁際には商品が展示されているのであろう何かのケースが一面を埋めており、ミラがそのように店内の確認をしている間にも、子供達の出入りは続いている。
一度下がって商店街の方を見渡せば、これだけ子供達を相手に繁盛している店はここだけだというのが判る。
何の店かと気になったミラは、入っていく子供の後に続きそこへと踏み込んだ。
店内は石材の色である白が目立ち清潔な印象を与え、奥に進めば無数のテーブルと椅子が並べられている。そこでは何かの儀式でもしているかのように、子供達がテーブルを挟んで向かい合っていた。
ところどころのテーブルを囲むように集団が出来上がっており、喧騒じみた声が店内を満たす。子供の弾けんばかりの活力が、ミラに忘れかけていた頃の時代を邂逅させる。ただ友達といるだけで満足できた、そんな日々をだ。
懐かしむように子供達を見つめるミラが感慨深げに視線を巡らせていると、やけに堂々と椅子に座っている大人の女性が子供達に囲まれて、一緒になって笑っていた。
(誰かの保護者かのぅ?)
一目見てそう考えたミラは、そのまま特に気にする事も無くいったい何をしているのか。それを確認する為に、子供達の集まる一つのテーブルへと近づいていく。
そこは大いに盛り上がっておりテーブルを囲む子供もそこで行われている事に熱中しているようで隙間が無い。
ミラは外周に取り付いたものの、その中心で何が行われているのか判らず、ぴょこぴょこと背伸びを繰り返し周囲を回る。
(ぬぅ……見えん)
諦めてそこを離れ店内を見渡せば、テーブルはまだ幾つもあり、囲む人数の少ないテーブルもちらほらと見受けられた。
知りたいのは何をしているか。大人数に誘われたミラだったが、その事を考え直すと若干程度の人数のテーブルを覗く。
(これはもしや……)
座って向かい合う少年二人は、その手にトランプのようなカードを扇状にして持っていた。テーブルには、積み上げられたカードと一面に広げられた図形のようなものが描かれたシート。そしてその上に複数のカードが置かれている。
それは、トレーディングカードゲームであった。
ミラのいた元の時代では、トレーディングカードの類は全て拡張現実カードとなっており、おもちゃのような専用の装置を利用する事で、それこそアニメそっくりのカードバトルが楽しめるという代物だった。
ミラにとっては、それがトレーディングカードゲームという認識であり、この遊戯が生まれた当初のテーブル形式は見た事のないものである。
(トレカ遊びとは、懐かしいのぅ)
微笑を浮かべながら興味深げにテーブルを見下ろすミラ。だが突然現れた、その場にそぐわない可愛らしい少女の姿に見蕩れ、少年の手が止まっている事にミラは気付いていない。
「ぬ……」
突然、漏れ出るような声と共にミラの眉がぴくりと跳ねて、その双眸がテーブルの上の一枚のカードに向けられた。何事かと沈黙するカードゲーマーの少年は、ミラとテーブルを交互に見ては思い出したように手札に視線を落す。
ミラが注目したカード、そこには人物の姿絵と名前が書かれていた。
その名前は『六花一片のハインリヒ』。正に朝まで一緒にいたあの侍のカードであった。
(これは、間違いなくあやつの事じゃよな……。随分と、勇ましく描かれておるのぅ)
ミラは、そのまま別のカードへ視線を移すと、ゴブリンやグールといった魔物のカードも確認した。
他にどんなカードがあるのかと、子供達の注目を知らず知らずに集めながらテーブルを巡ったミラは、クエストで関わったグリムダート騎士団の副団長の名前やアリスファリウスの司祭の名前などを発見する。
その中でも最も気になったのは、拳王コジローのカードだ。
それは、有名なプレイヤーの名である。
(このトレカはもしや、この世界がモデルか?)
情報を整理し終えたミラは顔を上げて周囲を見回す。するといよいよ店内の全貌がはっきりと見えてくる。
不意に視線を逸らせる子供達の奥のショーケースには、貴重なカードが一枚ずつ陳列されていた。そしてカウンターではカード五枚を一パックとして販売している。
この店は、トレーディングカードを扱うカードショップだったのだ。
(このようなゲームを広げるとは……、これもまたプレイヤーの仕業かのぅ)
そう考えながらもミラの心は十数年前に戻ったかのように高揚しており、あるカードを探してショーケースに並んだカードを見て回る。
元プレイヤーのカードがあるという事は、劇になるくらいは有名な九賢者である自分のカードもあるのではと考えたのだ。
「ぬ、クレオス」
桁一つほど高いカードの並ぶ中に、見知った名前を発見するミラ。
もう一歩もう一歩と探し続けたがそこまでが限界で、結果ダンブルフどころか九賢者の一人も見つける事は出来なかった。
とある人物の姓を変更しました。
詳細はいずれ!




