641 目覚めの一撃
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六百四十一
「いや、まいったね」
数百メートルと吹き飛ばされてしまったアンドロメダだったが、どうにか受け身はとれたためダメージは軽微で済んだ。しかしチームは四方八方に散ってしまったため、連携も何も直ぐには機能しない状況だ。
「いったい何が起きたのかと」
そんなアンドロメダの近くにはダンタリオンの姿もあった。アンドロメダのチームに合流した直後、先程の強烈な衝撃に見舞われたのだ。結果として、ヴァレンティンのチームも巻き込まれていた。
ただ駆けつけて直ぐだった事もあり、誰が何をどうしたのかまでは把握出来ていない。ゆえにダンタリオンの顔には疑問と驚きが浮かんでいる。
「どうやら主因子の力がないと制御出来なかったみたいでね──」
そんなダンタリオンに現状を簡潔に説明するアンドロメダ。つまり主因子を封じたため、女公爵の切り札である三神将の遺体が暴走状態になったと。
「つまり神気の波動でしたか。道理で、抗いきれなかったわけですね」
ただの衝撃波であったら、ここまで飛ばされる事もなかった。そう納得したダンタリオンは、更に現状を把握するために周囲を見回す。
「見事にバラバラだ」
アンドロメダもまたチームの皆はどうなったのかと周辺を探り、今の状態を確認した。
「流石は君主様も認める方々。分散されただけで、被害はなさそうです」
強烈な衝撃波ではあったが、見た限り影響は吹き飛ばされただけのようだ。精鋭揃いというだけあって受け身や着地も完璧だったのだろう、四聖将も含め怪我人はいないようだ。
「って、あれは……なんか面白い状況になっていないかい?」
仲間は全員無事。では相手の方はどうなったのかと、アンドロメダは騒々しい方に目を向ける。するとそこには、激しくぶつかり合うノインとヨルヴィレドの姿があった。
ただ、そうした中で特に気になったのは女公爵の立ち位置である。ノイン側にいるだけでなく、その背に隠れて応援までしているではないか。
しかも何かを企んでいるといった様子も見受けられない。一見した限り、それこそ騎士に護られる姫とでもいった絵面だった。
先程まで戦っていた敵同士から、何がどうしてこうなったのかと苦笑するアンドロメダ。
「あの者──リリムは昔から夢見がちなところがありましたから、それが今も影響しているのでしょうね」
なぜ女公爵が大人しく護られているのか。そんなアンドロメダの疑問に答えたダンタリオンは、そういった部分は昔と今でも意外と変わらないのだと続けた。
リリム。どうやらそれが女公爵の名前のようだ。そして彼女は、ずっと昔から夢見がちな乙女だったらしい。
「今の状況を見る限り、あの暴走する死人に見境はなさそうですね。そしてリリムに斬りかかり、それを彼が庇ったと。今回の作戦は浄化も含まれますから、その行動は理に適ったものです。ですが彼女からしてみると、またちょっと違う見え方になる。それで今は、騎士に護られる姫という立場に夢中といったところでしょう」
見ただけでそこまで予想したダンタリオンは、どことなく呆れた顔をしながら次には不敵に微笑んだ。
「なるほど。それじゃあ、今がチャンスって事かな」
「ですね。彼女が乙女になっている間に準備を済ませてしまいましょう」
今のところ女公爵──リリムの意識は目の前の騎士に向けられている。つまりは隙だらけだ。不意をついて押さえ込んでしまえば、そのまま一気に浄化まで持って行く事が出来るだろう。
そう判断したアンドロメダ達は、この好機を逃すまいと準備を開始した。
「ほら、どうしたの。頑張って!」
「これでもかなり頑張っているからね!?」
ノインとヨルヴィレドの戦いは、早くも戦況が動き始めていた。
主因子による制御が消えて暴走状態となったヨルヴィレドだが、同時に制限の方も消えてしまったため常に全開になっていた。
専用の神器がないため本来よりも劣りはするが、人類最強と謳われている三神将だけあって遺体となった今でもその力は健在。その体に蓄積された経験と技は、ノインでも簡単に捌き切れるものではなかった。
「──っと、……こっち、だ!」
これまで幾度となく戦ってきた敵とはまた違った猛者を相手に苦戦するノイン。だが、相手の矛先が別の誰かに向けられようとするたび、何度も自身に引き付ける。
盾役としての矜持か、騎士としての意地か。ノインは決して引かず怯まず、脅威を相手に立ち向かっていく。
「こっち見てる!」
「またそっちか!」
それは、三神将としての本能とでもいうのか。暴走状態にあるはずのヨルヴィレドだが、その合間合間にリリムの姿を目にするたび、どのような状態からでも彼女へと剣を向ける行動がたびたびみられた。
その都度ノインはリリムを庇うように割って入り、その鋭い斬撃を受け止める。
「もっとしっかりしてよね!」
「なら、もっと大人しくしていてほしいんだけど」
何がどうしてそうさせるのか。リリムは護られながらも落ち着いてはいなかった。ノインを応援したり、呆れたり、だが声援を送ったりと常に忙しくしていた。
だからこそ、ちょくちょくヨルヴィレドの視界に入り注意を引いてしまっていたわけだが、彼女がノインの忠告を聞く気はなさそうだ。
「それよりほら、なんか凄そうなのくるよ」
「え? と、おお!?」
リリムの言葉通り、ヨルヴィレドから不穏な気配が溢れ出していた。そして一瞬、その姿が消えたかと思えば次にはその剣が目前まで迫り、ノインは慌ててこれを盾で受け止める。
鉄壁を誇る聖騎士のノイン。その実力は巨大な魔獣の一撃すらも防ぐほどだ。
「くっ、まずい……!」
しかしヨルヴィレドの剣──神技にまで至った技は、そんなノインの護りを確実に崩し始めていた。
これまでに感じた事のない迫力と威圧。そしてひときわ膨れ上がった単純な膂力に押し込まれていき、いよいよ膝を屈しようかといったところだった。
光の鎖が無数に現れ、ヨルヴィレドの動きを封じ込めたのだ。
「これは──」
瞬間、ノインに伸し掛かっていた全ての圧が掻き消える。
しかしそれも束の間。ヨルヴィレドの体から不思議な気配が膨れ上がったと思ったら、光の鎖は瞬く間に千切れてしまった。
「さあ、私が相手よ!」
しかしそんな事など意に介さず、実に勇猛な言葉とともに教皇が駆けつけた。
どうやら先程の光の鎖は、彼女によるものだったようだ。
「え……!? いえ、危ないですから──!」
とはいえ相手は自我を失った亡者である。しかも先程の状況を見る限り、教皇の力は直ぐにかき消される事になる。
死霊や亡者には滅法強いと証明した教皇ではあるが、神力を宿すヨルヴィレドが相手では分が悪そうだ。
だからこそこのままでは危険だと判断したノインは、早く自分の後ろに避難するようにと呼びかける。
「大丈夫。ここは私に任せて!」
何かしらの策でもあるというのだろうか。教皇は力強く言い切るとヨルヴィレドを前に毅然と立ち向かっていった。
するとヨルヴィレドもまた、そんな彼女の気迫に反応したのか、教皇に向き直り襲いかかる。
これは危険だ。そう判断したノインは、教皇を護るために駆け出そうとしたのだが──。
「待って、私を置いていくの!?」
そんな言葉とともにリリムがノインの腕に抱きつき引き止めたではないか。
ただその行動にはノインの邪魔をしようといった様子はない。むしろ浮気を許さぬ女のそれに近いものだった。
「え!? いや、そういうわけじゃ」
まさかの行動に戸惑うノイン。ただ、よほど必死なのか一歩も動けないくらいしっかり掴まえられている。
その間にもヨルヴィレドは迫っていく。けれどどれだけ呼びかけても教皇は逃げも隠れもせず、それどころか堂々とまでしていた。
(仕方がない──)
このまま、黙って見ているわけにはいかない。ノインは、無理矢理にでもリリムを引き剥がして教皇を護りに行くべきだと考える。
そう決断して、いざその手を強引に振りほどこうとした時──。
「この軟弱者!」
突如に裂帛の声が響いたかと思えば、なんという事か教皇がヨルヴィレドに向かって飛び出していったではないか。
「なっ……!」
今は亡者とはいえ、相手は三神将だ。近接戦にもなれば教皇に勝ち目はないだろう。
だからこそ慌てたノインだったが、いざそこに割って入ろうとしたところで、まさかの事態を目にする事になった。
いったいどういう事だろうか、教皇の声に反応したというのか、ヨルヴィレドの動きが不意に停止したのだ。
「目を覚ましなさい!」
そして難なくその懐にまで詰め寄った教皇が、ヨルヴィレドの頬に痛烈な平手打ちを炸裂させる。
かなりの気合が込められた一発だ。乾いた空気に鮮烈な音が響く。
とはいえそれは、体を鍛えているというわけでもなければ戦士でもない少女のビンタに過ぎない。ゆえに人類最強の騎士に、その程度のものが通じるはずもなかった。
だが、どうした事か。その一発を受けたヨルヴィレドが、ふらつくように膝をついたではないか。
「これは、どういう」
予想だにしていなかった状況に戸惑うノイン。ただ先程教皇が任せてと言っていた事には、そう言えるだけの理由があったのかもしれないと理解し様子を見守る事にする。
「え……なんで?」
これに一番驚いていたのはリリムだった。ヨルヴィレドの制御が出来なくなってしまった原因について把握しているからこそ、目の前の出来事が信じられないようだ。こんな状態はあり得ないと困惑している。
「……──っ」
そうした中、不意にヨルヴィレドの体から黒い何かが溢れ出す。そして再び立ち上がった。
「ほら、私の魔法がそう簡単に破られるわけないんだから」
強引に主因子から解き放たれたため魔法の効き目に誤差でも生じたのだろうと結論付けたリリムは、それみた事かと笑う。
だが次の瞬間──。
「あんな女に使われて恥ずかしくないの!?」
教皇がそのような言葉とともに再びビンタを見舞ったのだ。
「あ! またあんな女って言った!」
これにいきり立ち憤慨するリリムだが、騒いで目立ちヨルヴィレドに気づかれたら堪ったものではないと考えたのだろう。ひとしきり文句は言うものの、ノインの後ろから出ることはなかった。
「肉体だけになっても、わかるでしょ。覚えているよね。だったらそのくらい、早く自分で解いてみなさい!」
そうしている間にも教皇がヨルヴィレドに言葉を浴びせ、ここ一番に強烈なビンタを決める。
再び乾いた音が響き渡った。するとどうだ。ヨルヴィレドの体が再びぐらりとよろめいた。
その肉体の強度からみて、教皇の手によるダメージは皆無。けれど、その言葉と強い思いの込められた一発一発は確実に効いていた。
ヨルヴィレドは倒れる寸前のところで、その目に僅かな光を宿し踏みとどまった。そして剣を構えたかと思った直後、それを勢いよく振り下ろす。
危ない。誰もがひやりとした瞬間であったが、けれど誰も動く事はなかった。なぜなら振り下ろされた剣は、教皇とはまったく別の方に向けられていたからだ。
剣が地面に突き刺さった。すると続けてヨルヴィレドは、その柄を手にしたまま今度は鋭く右足を振り抜いてみせた。
その足は突き立てた剣の中心を捉え、これを容赦なく蹴り砕いていった。
「うそ……私の呪縛を自力で解いたの!?」
その行動からヨルヴィレドがなんのためにそうしたのかを察したようだ。驚きの声を上げたリリムは、そんな事あり得ないと悔しさを滲ませる。
彼女の言葉通り、そこでは変化が起きていた。蹴り砕かれた剣とヨルヴィレドの体から、真っ黒な何かが勢いよく吹き出してきたのだ。
「あれは? なにか出てきたけど、あれはなんなんだ?」
不可解な光景を前に、なんとなくリリムに答えを求めたノイン。
とはいえ相手は、悪魔だ。そう簡単に答えてくれるはずもないが……リリムは「私の魔法が気になっちゃった?」と、なぜか得意げに教えてくれた。
いわく、ヨルヴィレドは特別な遺体であるため、普通の方法ではリビングデッドに出来ないそうだ。
だが彼女が特別に編み出した魔法に呪物を組み込む事で、見ての通り三神将であろうとリビングデッドに仕立て上げられたという。
つまり折られた剣こそが呪物であり、魔法の核になっていたわけだ。
「どう、凄いでしょ。私にかかれば、誰でも何でもお人形さんに出来ちゃうんだから」
彼女が言うに、その方法を使えば神獣の類でも下僕に出来てしまうらしい。リリムは恐れ入ったかと不敵に微笑む。
「でも制御が出来ないと意味がないだろ」
「……うるさい!」
ヨルヴィレドをリビングデッドにする事は出来た。しかし神の力を持つものを制御するには主因子の力が不可欠。そしてアンドロメダにそれを華麗に奪われた結果が今だ。
ノインがそこに触れたところ、リリムは苛立たしげに彼の背を蹴飛ばした。
とはいえ護りに特化した聖騎士と、公爵級ながらも特殊能力面に特化したタイプの女悪魔だ。ただの蹴りはほとんど通じず、だからこそリリムは余計に不機嫌そうだった。
先週、突如として冷房の効きが絶望的な状態になってしまいました。
つけていないよりは多少ましな、体感で1,2℃くらいは下がってくれているかな……という状態に!!!
もしや……故障か、故障なのか!?
暑い日はまだまだ続きそうだというのに、これはもう死活問題といっても過言ではありません。
そしてどうしたものかと考え最初に思い付いたのは、やはりよくきくあれです。
そう、掃除です!
エアコンの効きが悪くなる原因として、よく挙げられますよね。
なのでまずは掃除をして様子を見てみようと考えました。
ネットで調べ、お店でエアコン掃除ようのスプレーなどを購入し、いざ掃除開始!!
そして掃除中に気づきを得ました。
それは室外機の裏です。
ネットで調べると室外機にも熱交換器なるものがついているとの事なので、その掃除も行ったのですが……
なんと室外機の裏側全面が熱交換器になっているではありませんか!
そしてよくみれば、その前面に泥汚れがびっしりと……。
雑巾を何度も真っ黒にしながら、その泥汚れを頑張って洗い流しました。
ちなみに熱交換器は薄い金属を幾重にも重ねたような形になっているので、掃除する時は洗う方向に注意が必要です!
というわけで綺麗にしてから暫し乾くのを待ち、冷房を付けてみたところ……
あら不思議!! 一気に部屋がひんやりと涼しくなっていくではありませんか!!!!!
エアコンの掃除は室内機と室外機、両方すると効果的という話でした。




