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535 宇宙の星

先月のコミック版に続き、今月30日には書籍版19巻が発売となります。

よろしくお願いします!!!

五百三十五



「それじゃあまずは、安全確保と活動可能空間の確保を始める。先発隊は位置についてくれ──」


 中継基地の上部に降り立ったアラト達は、そこから直ぐに行動を始めた。随分と訓練を積んできたのだろう、アラトをリーダーに据えた先発隊は手際よく上部のハッチを開放し、中継基地内部へと踏み込んでいった。

 そんな先発隊の第一目標は、中継基地内部の機能確認と復旧だ。

 なんでも中継基地には人間が生存出来る環境を整え、それを維持するための設備も組み込まれているという。今回のようにメンテナンスが必要になったり、あるいは手動で操作する必要がでたりした場合に備えての設備だそうだ。

 よってまず先発隊がその設備を稼働させ、安全を確保した後に残りの者達が基地内へと乗り込み作業を開始する事になっている。

 ゆえに中継基地の上部に残った者達は、暫くの間、このまま待ちぼうけというわけでもあった。

 ただ、技術者達は何かと気合に満ちており、こうして待機している間にも復旧作業が開始した後の事について話し始めていた。

 そのほとんどは再確認であるが、やはり現場を目の前にしているためか熱の入り様が違う。


(ここから先は暇なんじゃよなぁ)


 だが、その辺りについてはまったく関与していないミラは、ここでの作業が全て完了するまでの間、まるっと時間が空いていた。

 それでいて、どの程度の時間がかかるかわからないというのだから、余計に暇さが際立つというものだ。

 生命維持関係については一ヶ所に集中しているため、その起動と確認にそれほど時間はかからないだろうという。

 だが本来の目的である、中継基地の機能の復旧やメンテナンスなどについては少なくても二日くらいはかかるそうだ。

 帰りもまた、アイゼンファルドでひとっ飛びを予定しているため、ミラは更にそこまで暇を持て余す予定となっていた。


(ほぉ……しかし凄いのぅ。こうしてみると、地上とはえらい違いじゃな。地上からでも十分にたまげたものじゃが、宇宙からとなると尚更にとんでもないのぅ)


 何もする事がないミラは、甘えてくるアイゼンファルドを優しく撫でてやりながら星空を見上げていた。そして、その圧倒的な星の数を前にして感嘆の息を漏らす。

 空気や光の量などが現代とは大きく違うからだろうか。地上から見上げる空は、いつも満天の星が輝いていた。

 だがそれでも、まだ足りなかった。空気のほとんどないこの場所から見上げた星空は、満天どころではない幾億もの輝きに溢れていたのだ。


『これは確かに、どこをどう結べば星座になるのかさっぱりじゃな』


 先ほど精霊王が呟いていた言葉を思い返しつつ、これは確かにその通りだと苦笑するミラ。輝く星が多過ぎて、どこをどうとでも繋げば何でも描けてしまいそうだ。


『そうだろう、そうだろう。しかも、既に存在する星座を見つけるのも大変だ。あの辺りが「火彗の羽座」だったと思うが……どの星も見えすぎて、これだと決められないときた』


 共に星空を眺める精霊王は、そう言って笑った。しかもそのまま続けて驚きの真実──だが納得出来る逸話がその口から飛び出す。

 それがどういった内容かというと、つまりは星座にまつわる単純な話だ。今現在に伝わる星座の幾つかは、精霊王が自ら命名したものもあるというだけの事。

 あの星座は、なんとなく直感で決めた。この星座は、当時のマイブームから決めた。その星座は、かつての友を偲び決めた、などなど。歴史の深くに埋もれた星座の意味までも明らかとなっていく。


『いやはや、途方もない話じゃな』


 数千年以上もの歴史ある星座の名づけ主が自らその時の思い出を語るなど、流石はファンタジーだ。

 と、そう精霊王の凄さを改めて実感したミラが、そこでただ何となく『では宇宙から見た記念に、新しく星座を結んでみてはどうじゃろう』と投げかけたところ──。


『これだけの数の星を相手にか……うむ、面白そうだ!』


 思った以上に精霊王がやる気を漲らせ始めた。しかもそれに続き、『あら、それじゃあ私も参加してみていいかしら』とマーテルまで名乗りを上げたではないか。

 特に、地上からでは見えない星座という部分に面白さを見出したようだ。両者は早速とばかりに星を観察し、あーでもないこーでもないと考え始めた。




「ふーむ、あれは……パンツ座じゃな」


 精霊王達に提案したついでにと、ミラもまた新しい星座作りに奮闘していた。けれどその頭で描けるのは、ろくでもないものばかり。

 ただ、そうして空を見上げていたところ、アイゼンファルドもまた同じ事をしたいと思ったようだ。


「あれが優しい母上座で、あっちがカッコいい母上座です!」


 センス的には今一つであるものの、彼が星座に込めた想いはとても真っすぐで希望に満ちていた。どちらかと言わずとも、アイゼンファルドの圧勝である。

 と、そんなミラ達の傍らには、先ほどまで影も形もなかったものが存在していた。

 それは、二つの『目の芽』だ。なんと、目のような球体が乗っかった芽が、傍に生えているのである。


『連なりの剣座……いや、千翼座というのも──』


『あの求め合うような輝きは……遠距離恋愛座ね。そして、寄り添い合うようなあの輝きは、比翼の愛座にしましょう!』


 星空を見回しては、新しい星座作りに取り組む精霊王とマーテル。そして今、そんな両者はミラとはまた違う方角を見ていた。これまではミラの目を通してでなければ見えなかったが、遂に次の段階へと進んだのだ。

 それを可能にしたのが、この『目の芽』である。

 精霊王の加護の馴染み具合が更に増したほか、マーテルとの親和性も高まってきた事で、加護の繋がりを通して出来る事がまた増えた。

 その結果、マーテルが特別に作り出した『目の芽』を、こうしてどこにでも植え付ける事が出来るようになった。

 そんな『目の芽』の効果は、単純明快。精霊ネットワークを介した目である。つまるところ、ペット見守りカメラというような類のそれと同じ。

 違いがあるとすれば、ミラにはアクセス権限がないという点だ。精霊眼というのを応用しているため、人間では波長が合わないらしい。


(しかしまあ……パッと見は、不気味じゃなぁ)


 ミラの目を介さずとも、精霊王達が好きなように見回せるという点はとても便利だ。ただ目玉がキョロキョロ動くその様子は、ちょっとしたホラーに近い。

 とはいえ頭の中で精霊王とマーテルが、あっちを見てくれ、そっちを見てほしいと争う事がなくなったのは大変な利点といえる。


(さて次は、あのひと際輝く青い星を中心に据えて……)


 せわしなくきょろつく芽から再び空へと視線を移したミラは、月の近くにありながら一番明るく見える星に狙いを定めて新たな星座を考え始める。

 ただ、その直後──ちょっとした違和感がミラの脳裏を過った。

 空に輝く無数の星達。その中で一番輝いているその星は、それでいて消えそうなほど暗くなる瞬間もあったのだ。そしてふと思う、はて、あのような星を見た事があっただろうかと。

 星空の中でも特に輝く星であるため、その光量を考えれば当然地上からでも十分に見えるはずだ。それでいて、消えそうなほど暗くもなる不思議な星である。

 これまで幾度となく星空を見てきたが、そのような星を目にした覚えはない。


『のぅ、アラトや。ちょいと聞きたいのじゃが──』


 このファンタジー溢れる世界。もしかしたら空気のみならず、何かしらの影響で見えたり見えなかったりする星があったりするのではないか。思いもよらぬ反応をする星があるのではないか。

 素人心にそう考えたミラは短距離通信装置をオンにすると、星にも詳しそうなアラトに直接聞いてみた。月の直ぐ傍にピカピカと点滅する星が見えるが、地上からでも観測した事があるかどうかと。


『明滅? 光の増減……変光星か? いや、でもそんな秒単位で変わる変光星なんて見た事がない──』


 宇宙を目指す部署の所長というだけあって、やはり星についても相当に詳しかった。そして同時に研究者でもある。復旧作業で忙しいはずだがミラの話を聞くなり、そのような星は観測した事がないと答え、更にはあーでもないこーでもないと考え始めた。


『宇宙からは見えて、地上からは見えない──。この時期のこの時間に月の傍にある星となると──。もしかしたら空気中のマナがフィルターのような働きを──』


 ミラが見つけたその星は、相当に珍しかったようだ。アラトの考察は止まらない。また同時に通信をミュートにしていない者達が居残り組にもある程度いたようだ。その星を見つけた者と見つけられない者とで分かれ、これは不思議な星だと騒ぎ始めた。

 とはいえ今一番重要なのは、生存環境を維持するための装置を稼働させる事。


『ほら、余計な事は考えず手を動かす。ここまで来たのは何のためだい?』


 思考の沼に沈み始めたアラトを叩き起こす様なミケの声が響いた。向こうでは余程当たりが強かったのだろう、『その件については、また後でね』というミケの声と共に『わかった、わかったから!』というアラトの悲鳴が聞こえてきた。


『うむ、落ち着いてからにするとしよう』


 そう答えたミラは直ぐに通信をミュートにして、再びその星を見据えた。


『確かに、これは興味深い星だな』


 あれだけ騒いでいれば、何事かと思うだろう。星座作りに勤しんでいた精霊王もまた、ミラの見つけた星が気になったようだ。目の芽が、そちらをじっと見つめている。

 かの精霊王にとっても、地上から見えないばかりか、明滅までしている星は珍しかったようだ。その声には、未知に挑む嬉しさが秘められていた。


『あらあら。告白しようとするけど、勇気が出せずに足踏みしている女の子みたいね』


 マーテルもまた興味を持ったようで、その星を見つけるなり早速星座のアイデアを絡めていく。

 と、両者がそのように明滅する星を観察し始めて直ぐの事だった。


『あら? 何かしら……なんだか……』


 いったいどうしたというのか。愛だの恋だのという妄想にどっぶり浸かっていたはずのマーテルが、急に神妙な声で呟いたのだ。

 すると精霊王もまた『ああ、これは何と言うべきか……』とマーテルに続く。そして両者共に、得も言われぬ感情が浮かんでくるなどと言い出した。


『なんじゃなんじゃ……それはどういう感情じゃろうか』


 精霊王とマーテルが明滅する星を見て覚えたのは、どういった感情なのか。この両名が神妙になるなんて、ただ事ではない。

 と、ミラがますます興味を惹かれたところだ。何やら居残り組が慌ただしく動き始めた。

 しかし先発隊の作業はまだ途中。ゆえにそれは、中継基地の内部に踏み込むためではない。望遠鏡などを取り出している事からして、明滅する星をよく観察するためだとわかる。

 そんな時だ。その中の一人が不意に振り向くなり、ミラの方へと駆けてきた。そしてそのままヘルメット同士をくっつけて相互通信状態にすると、『もしかしたらあの星って精霊の類じゃないかって話してたんだけど、どう思う!?』なんて言葉がミラのヘルメット内に響いた。

 それはミラ一人だけでは、判断出来なかった事。何でも居残り組の中で、あの明滅する星が見える者と見えない者とで分けたところ、見事な共通点が浮かび上がったというのだ。

 彼は言った。その共通点とは、見える側は術士クラス、見えない側は戦士クラスであるというもの。

 この条件から真っ先に浮かぶ要素といえば、そう、精霊だ。つまり居残り組達は、もしかしたらあの明滅している星は精霊か何かではないかと考え、これは凄い発見だと騒ぎ始めたわけだ。

 そしてその内の一人が、精霊といえば精霊王に精霊女王という理由から、こうして聞きにきた次第である。


『ふむ、戦士クラスには見えぬか。ならばその可能性は大いにありそうじゃが、何とも言えぬのぅ。流石に遠過ぎるようでな、精霊の気配じゃったりは感じられん』


 星というだけあって、途方もないくらい遠くにあるのだろう。光は見えるものの、精霊の力や気配などといったものをそこから汲み取るのは精霊王でも難しいようだ。よってミラは、どう思うかという質問に、さっぱりわからないと返した。

 するとどうだ。彼は残念がる様子もなく、『それは調べ甲斐がありそうだ』と笑い戻っていった。


(こんな場所にきてまで、熱心なものじゃな)


 興味を持ったら、いかなる時でもじっとしてはいられない。流石はこんな場所にまでやってきた連中だと感心しながら、ミラは再び空に視線を移した。


(この星のみならず、この宇宙の全てがファンタジーとなれば、その果てにはいったい何があるのじゃろうな!)


 あの明滅する星は、精霊の類かもしれない。そんな可能性を垣間見たミラの目は、彼ら以上の探求心に染まっていた。

 この世界に満ちる、魔法的な要素。それらがこの宇宙の法則であるとしたら、広い宇宙のどこかにはまだ見ぬ魔法文明が、それこそ極まった魔法文明が存在しているのかもしれない。

 目指すのは、外海だけではない。いずれ冒険は宇宙へ。それが叶うのは、きっとずっと未来になるだろう。けれど、必ずやそんな未来が来るはずだ。


(……今のうちに宇宙船を造ってもらうのはどうじゃろうか。そして大切に大切に可愛がり、いつか精霊が宿れば……むふふ、よい考えではないか)


 大切にした結果、その気持ちに応えるようにして宿るのが人工精霊だ。長期で考えれば不可能ではない。しかし、将来の宇宙旅行のために宇宙船の人工精霊を生み出そうなどと考えるミラの、なんと腹黒い事であろう。


『そうか、そういう事だったのか』


 ミラが私利私欲に塗れた妄想をしている最中、何かに気づいたといった精霊王の声が脳裏に響いた。その瞬間、びくりと肩を震わせたミラは、もちろんそんなつもりなど毛頭ないと弁明する。

 ただ、ミラの妄想など精霊王が知る由もない。『何の話だ?』という疑問を浮かべつつ『それよりも、今はっきりと理解出来た』などと続けた。

 はて、何の事だろうか。ミラが聞き返すと精霊王は、それこそ神話級の歴史を語り出した。


『我ら精霊というのは、この星の希望によって生み出された存在であり、我々の力というのは、即ち星の力の一部でもあるのだ──』


 精霊王達が生まれた時代、そして精霊力の根源。唐突に飛び出してきたそれらには、ミラも知らぬ情報が多分に含まれていた。

 まずは、精霊の始まり。混沌としていた原初の世界が神々によって整えられ、ある程度落ち着いてきた頃。精霊王は、その秩序を確固たるものにするため、この星によって生み出されたという。

 そして次に、精霊王を中心として働く始祖精霊達が生み出された。


『──それからマーテルを始め、それぞれがそれぞれの環境づくりに適した眷属を生み出し、今を創っていったわけだが、ようやく気づいた。この得も言われぬ感情の正体は、きっと郷愁だ。あの星は、我らの始まりとなる精霊の原点。人が星に英雄を重ねるのと同じように、この星もまた同じ事をしていたのだ』


 精霊王は、大いに語った。明滅する星を見て浮かんだ不思議な感覚。それが何かと集中していたところ、遥か遠い昔に、星の声を聞いた時の事を思い出したそうだ。

 そして今、理解したと精霊王は言う。

 この母なる星は、かつて空に輝く特別な星を結んで星座を描き、そこに、この大陸の秩序と安寧を願ったという。

 そして精霊王と始祖精霊は、その星座になぞらえて生み出された存在。つまり、あの明滅する星と、更にもう九つある星が正に原点というわけだ。

 ゆえに、郷愁である。


『願いを託した十の星。当時は何かの比喩かと思っていたが、なるほど。地上からでは見えない星があったとは』


 精霊王にとっては、この星こそが親である。そんな親心に触れられたからか。古い古い過去の真実が一つ明らかになったと、どこか嬉しそうに笑う。


『まあ、そういう事でしたのね。あの星には、そのような想いが込められていたから、こんな気持ちになったのね』


 マーテルは、託された願いを改めて受け取るように空を見上げた。そしてミラもまた、さらりと語られた神話クラスの思い出話に聞き入っていた。

 だが、一通り把握したところで『十……? 星……?』と、何か脳裏に引っ掛かるような感覚と共に首を傾げ、はて何か気になる事がと唸り始める。


『ん、どうしたミラ殿?』


『あら、何か気になる事でもあったのかしら?』


 違和感の正体が判明し、一件落着といった様子の精霊王達。だが地上からは見えず、しかも明滅する謎の星の正体は何なのかという疑問は解消されていない。

 しかし、それはそれ。ミラが引っ掛かったのは、そこではない。このファンタジーな世界の宇宙なのだから、それこそ宇宙規模のファンタジーに溢れている事だろうと、その点については呑み込み済みだ。

 では何が気になったのかというと、精霊王達の原点だと教えられたその星の数が十である事と、それらで一つの星座が形作られていたという部分だ。

 以前にとある話題でクレオスと話していた時に、星という言葉が出た事がある。『アストラ』という言葉は『星』を意味しているというような内容の話だ。


『ふと思ったのじゃが、《アストラの十界陣》と何か関係があったりはせぬじゃろうか!?』


 星と十。この共通点は偶然か必然か。ミラは多大な期待を胸にそう答える。

 召喚契約を結んだ始祖精霊のマーテルだが、流石は植物の始祖となる精霊。召喚条件は非常に厳しいものだった。

 その条件の一つとして存在していたのが、見た事も聞いた事もない新たな召喚陣、《アストラの十界陣》である。

 これまでにもミラは、空いた時間に研究を進めてきたが進展はなし。召喚するために必要な莫大なマナの調達について目処が立った今、後はもう召喚陣の問題だけ。

 そこへ降って湧いてきたのが、今回の思い出話だ。

 始祖精霊のマーテルを召喚するために必要な《アストラの十界陣》は、精霊王達の原点となる特別な星が関係しているかもしれない。そして、それら十の星から形作られる星座がある。

 その星座と《アストラの十界陣》に関係があると考えるのは、むしろ突飛でもなんでもない。これほど見事な共通点だ。そこを結びつける方が自然とすら言えるだろう。


『ええ、確かにその通りね! きっと何かあるはずよ!』


 ミラの予想にいち早く同意したのはマーテルだった。なぜなら彼女は、自分が召喚されるのをずっと楽しみにしていたからだ。

 諸事情により、その場から長い事離れる事が出来ないマーテル。だからこそ何かあればすぐに戻る事も出来る召喚は、お出かけの口実として理想的であった。


『うむ、そうだな。言われてみれば、その通りだ。我も、この共通点には意味があると思う』


 精霊王もまた、ミラの思い付きを支持するように答えた。そこにあるのは単純な探求心だが、他にも幾らかの期待が込められていた。

 母なる星が願いを込めた星座に、人と精霊までも繋ぐ意味が含まれていたとしたら、それはどれだけ素晴らしいものなのかと。


『精霊王殿とマーテル殿も、やはりそう思うか! ならばもう、徹底的に研究してみるしかないじゃろうな!』


 両者の同意を得られたミラは、これは研究のし甲斐が出てきたと張り切ってみせる。ただ、その前に少し、というより九つほど足りない事があった。


『──……ところで、その星座となる残りの星は、どれじゃろうか?』


 現在見つけているのは、今回の発端となった明滅する星一つだけ。特別な星座を形作るためには残りを見つけなければいけないわけだが、ここにきて問題が出てきた。


『はてさて……どれだろうな』


『どれ、かしらねぇ……』


 それは、この母なる星が定めたもの。そして精霊王達には、正確に伝えられていなかったもの。ゆえに精霊王とマーテルでも、完成した星座の形を知らなかったのだ。











いよいよあの日が近づいてきましたね。

そして同時に、眠っていた血が再び騒ぎ始めてきました。


そう、私は四脚使いの古参レイヴン!

こちらの世界に友人を誘った事もある、そんな古参レイヴン!

そしてその友人が、いつの間にか大会で活躍していてびっくりした事もある!


その後自分は膝に矢を受けてしまったため、リンクスになる前に引退していましたが……

復活の時はきた!!!



アーマードコア6、遂に発売!!!!

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― 新着の感想 ―
暇を持て余した… ガガーリンごっこはしなかったのかな? 「地球は青かった。しかし、宇宙そらに神はいなかった。」とか。 マーテル召喚… サイレントメビウスの惑星霊魔法みたいなものかな? 願いを託した…
[良い点] (闘争の)火を継ぐもの(_’
[良い点] ジャイアンツ•スターかな?(ホーガン脳
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