170 おかえりなさい
百七十
部屋の中央に佇むのは五体の大きなスケルトン、白夜の器守。その五体は、これまでの器守と違い、それぞれが得物を手にしていた。大剣、矛、斧、鎚、そして剣と盾。それらの持つ武器によって白夜の器守の動きは大きく変化する。
とはいえ、そのあたりは既に会議で話し合っていた。トライドの仲間達は作戦通り、相性のいい相手と対峙する。
残りはミラとトライド。二人は、Aランクという事もあって、五体の中で一番と二番目に強い器守と戦う事になっている。
「ではミラさん。そちらはお任せします。もし、なにかあれば直ぐに呼んでください」
そう言ってトライドは、一番強い剣と盾を持つ器守に向かい合う。
「うむ、任せておくがよい!」
いよいよ作戦開始だとばかりにほくそ笑みつつ、ミラは矛を持つ器守と相対する。それと同時に、部屋のあちらこちらに視線を走らせ召喚術復興の準備を整えていった。
「では、戦闘開始!」
それぞれが担当の器守に付いた事を確認したトライドは、号令をかけると共に駆け出した。仲間達もまた一斉に地を蹴り、器守に肉薄する。
接近するトライド達に反応して、五体の器守もまた動き出す。その手にした得物を構え、迫る者達を迎撃する態勢をとった。しかし、一体だけ。矛を持つ器守は構えたまま歩き出す。迫ってくる者がいなかったため、自ら接近しているのだ。同じように歩み寄ってくるミラに向かって。
数瞬後、トライド達が器守とぶつかり合った。作戦は一撃離脱。器守は、その巨大さゆえに重量があり、ランク差があろうと一撃の威力は侮れないものがあった。万が一にも、それを喰らわないための、万全を期した作戦だ。
そして作戦通り、トライド達は慣れた動きで器守に一撃を入れると、そのまま駆け抜けるように距離をとる。
ミラが行動を起こしたのは、その時だ。
「ゆけ、ペガサス。デウスボルテージじゃ!」
ミラは、皆に聞こえるように声を張り上げてペガサスに指示を出す。するとペガサスは、これまた己を誇示するように高らかと嘶き応え、直後、その翼が眩いばかりの雷光に覆われた。
瞬間、轟音を伴い雷が迸り、矛を持つ器守がその光の中で消し飛んだ。
雷鳴が反響する部屋に、からりと小さな音が響く。器守の核が床に転がった音である。そして今、それ以外の音が全て止んでいた。余りにも壮絶な光景を前に、トライド達は戦闘中である事も忘れ、矛の器守がいた辺りを見つめたまま呆然としていたからだ。
斬り合っている最中に轟音を響かせては、それに驚き隙が出来てしまうだろうと考え、離れた時を狙ったミラ。だが、どうやらそこまで考える必要はなかったようだ。
明らかに隙が出来ているトライド達だが、先程の一撃を脅威と捉えたのか、残り四体の器守は、警戒するようにペガサスに注意を向け直していたからである。
(これは、好都合じゃな)
全ての注目が集まった事を確認したミラは、ここからが本番だとばかりに笑い、召喚術を発動した。
「こちらは、完了じゃ。手筈通り、加勢しよう!」
担当の器守を打倒したら、戦闘中の誰かを援護するというのも、また作戦の一つ。なのでミラは、大手を振って全員の戦闘に加勢した。
あらかじめ準備しておいた無数の召喚地点から、次々とダークナイトが姿を現していく。その数は、五十を超え、百にも迫る。軍勢を生み出すためには、仙術士の技能である《仙呪眼》で自然界に存在するマナを取り込む必要があるものの、小隊程度ならミラ自身のマナだけでも再現可能だ。
「これは……!? これが、召喚術!?」
それは、完全なる数の暴力であった。器守程度の相手ならば一体でも充分だったが、今回はパフォーマンスも兼ねるとあって、召喚されたダークナイトは、それこそ黒い波となって器守に迫る。そして、その抵抗を意にも介さずに器守を斬り捨てていった。
一般の冒険者達でも、慎重に戦えば器守は恐れる相手ではない。だが、ダークナイトはそれが馬鹿らしくなるほど一方的に器守を蹂躙した。
遥かなる高みに届くほどの、圧倒的な力。それを目の当たりにしたトライド達は半笑いを浮かべながら、黒い波に呑まれ消えていく器守の姿に呆然とする。
「とまあ、これが召喚術の実力というものじゃ!」
ものの十秒前後の事。ダークナイトが送還され静まり返った部屋には、器守の核が五つ転がっていた。
「凄いですよ、ミラさん! 召喚術とは、こんなにも強力なものだったのですね!」
器守の核を一つ拾いあげながら、トライドは心底驚いたように言った。ミラは、その言葉を受けて「そうじゃろう、そうじゃろう」と得意げにふんぞり返る。トライドの仲間達も「凄い」だの、「楽させてもらっちゃった」などと笑う。
どうやら召喚術が、どれだけの力を秘めているものか理解してくれたようで、彼等は召喚術士に対する認識が大きく変わったと、とても感心した様子だった。
(うむ。これでまた一つ。召喚術の地位向上に一歩前進じゃな)
トライド達の反応に、ミラは確かな手応えを感じつつ、器守の核を器に放り込む。そして、全ての器に核が入ったところで、上の方から大きく鈍い音が響いてきた。仕掛けが解除された音だ。
「よし、これで攻略完了じゃな」
「ですね。早速、向かいましょう」
意気揚々とした足取りで、上階に向かうミラ達。だがこの時、ミラは気付いていなかった。トライド達に芽生えた召喚術に対する認識の基準が、召喚術士最強である九賢者になってしまっていた事に。
結果、今後彼等が出会う召喚術士は、その悉くが基準以下にされてしまうのだが、それにミラが気づくのはもう暫く先であった。
「いやぁ、驚きだったよ。本当に凄い召喚術だったんだ」
北の宮殿最上階にある水晶球の前。無事にアライアンスメンバー全員が三つ目の文字を手に入れた後、最上階から戻る途中の事。相当、衝撃的だったのか、トライドはずっとこの調子で、実際に目にした召喚術の力を絶賛し続けていた。それはもう、ミラの予想を遥かに上回る成果である。
「分かった分かった。そこのペガサスを見た時から、かなりのものだってのは分かっていたって」
そんなトライドの一番の矢面に立たされていた男は、ほとほと迷惑そうな表情を浮かべ、分かったを繰り返す。彼の名はヴィズ。Bランクではあるが、Aランクに極めて近い実力者であり、ペガサスが秘めた力を初めから見抜いていたようで、その見る目は確からしい。だからこそ余計にトライドの話を聞かされているともいえるが。
「そうなんだよ。とてつもない雷だったんだ。でも、その直後こそ召喚術の真骨頂だって、僕は思ったね」
「ダークナイトの同時召喚だろ? だからもう、分かったっての」
言葉や視点を変えて語り続けるトライド。視点は違うが同じ内容の話を何度も聞かされていたヴィズ。最初に聞いた時は、それはもう感心するほどのものだったが、二度三度となれば反応は薄くなる。反応が薄いから、トライドが余計にむきになる。
(もう、充分なのじゃがのぅ……)
これはこれで、召喚術の評判が落ちてしまわないかと心配になってきたミラ。それでもトライドは語り続け、遂には、あの光景を見て人生観が変わった、などと言い始めた。そんな時の事だ。
「だから分かってるって。物量ってのは、それだけで有利だ。けどな、それが出来るのは、なにも召喚術だけじゃないんだぞ」
いよいよ痺れを切らしたのか、ヴィズが対抗するかのように、そう言い出したのだ。そして今度はヴィズが、
「だいたい、一週間くらい前だったか。俺だって、とんでもねぇ死霊術士に会ったんだよ」
と前置きして、その時に見た光景を勢い良く語り始めた。
それは二層目での出来事だったという。徒歩で五つの文字を集め終わり、大神殿に向かっていた時の事。最短距離の道の途中に大量の魔物がたむろしていたそうだ。
いくらFランク相当の魔物だけしかいないといっても、やはり数というのはそれだけで脅威になるため、Bランクの実力はあっても迂闊に手を出すべきものではない。身を潜め、様子を窺っていたヴィズは、そう慢心せずに回り道を探そうとしたらしい。
するとその直後の事。どこからともなく無数のゴーレムが押し寄せて、魔物の大群を瞬く間に一掃してしまったというのだ。
「多分あれは、掃除係みたいな役割だったんだろうな。そのあとバイコーンに──いや、正確にはバイコーンの骨に乗った男が現れて、その一掃された道を悠然と進んでいったんだ。俺は見ただけで震えたね。ありゃあ、とんでもねぇ死霊術士だぞ」
当時の緊張感を思い出したのか、ヴィズは緊迫した面持ちでぶるりと背筋を伸ばす。それが伝わったのか、話を聞いていたメンバーも思わず息を呑む。
術体系の一つとして数えられる死霊術だが、やはりその特性からか暗い印象も付きまとう。なので凄いという感情の前に、畏怖が浮かぶようだ。
しかし、一人だけ。その話に多大な興味をひかれた者がいた。
「先程バイコーンと言うたな。もしや、そのバイコーン、右の角が中ほどで折れてはおらんかったか?」
とんでもない死霊術士もいたものだ。そのように皆が囁き始める中、ミラはヴィズに駆け寄りそう問うた。するとヴィズは、少し驚いたような表情を浮かべた後、頷き答える。
「良く分かったな。もしかして、知っているのか?」
その返事を聞き、ミラの予想は確信に変わった。その死霊術士は、間違いなくソウルハウルだと。
「この近くに来ていると噂で聞いていたのでな。しかしそうか、やはりここに来ていたか」
右の角が折れたバイコーン。かつて、ソウルハウルと共に魔転化バイコーンを討伐した事があった。その際、右側の角が折れたのだが、ソウルハウルはその姿をえらく気に入ったようで、死霊術の触媒として確保していた。
ちなみに魔転化とは、幻獣などの高位な存在が魔物に堕ちた状態の事をいう。そして大半が複数人の戦力を必要とする強力な化け物だ。出会うのも稀であり、そう易々と死霊術の触媒に出来るものではない。だからこそ、確信が持てる。
ソウルハウルが来る可能性がある古代地下都市。そこで尋常ではない実力の死霊術士がいたという目撃証言があり、その者がミラの知る特徴を持つバイコーンに乗っていた。
ヴィズが見たものは、間違いなくソウルハウル本人だろう。
「とんでもねぇ奴ってのは、やっぱりとんでもねぇ奴と繋がってたりするもんなんだな」
ヴィズは、どこか感心したように呟くと、それでもミラの召喚術には敵わないだろうと語るトライドを見つめ、「なんで俺の繋がりはこいつなんだか」と、ため息をもらした。
特に問題もなく北の神殿を出たところで、時間は夜の七時過ぎ。アライアンスは解散となったが、大半は五層目が目的地のグループであるため、旅は道連れとばかりにまとまって移動を始めた。少し時間はかかるが大神殿まで行き、そこで野営するつもりのようだ。
「ではな。気をつけて進むのじゃぞ」
「ええ、ミラさんもお気をつけて」
ソウルハウルを追うため少し急ぐ必要のあるミラは、ペガサスに跨り、簡単に挨拶を交わしてからトライド達と別れ、一足先に大神殿へと向かった。
その途中の事だ。
「む……? 何の声じゃ?」
思わずといった様子で呟いたミラは、窺うように周囲を見回した。ペガサスは、そんなミラの行動に反応して速度を落とすと、こちらは警戒気味に周辺へ気を配る。
『……──』
「やはり、聞こえる。この声はなんじゃ?」
それは囁きよりも小さな、気配のような声だった。言葉は捉えられず、どこかも分からない。しかし、ミラは確かにその声に気付いた。
誰の声か、何と言っているのか、その全てが不明だが、ミラは放ってはおけないと直感する。なぜ、そう思ったのかは本人にも分からない、不思議な直感であった。
「ペガサスや。あの辺りを周るように飛んでくれるか」
ミラは何となく声がした方向を指差して、そう指示を出した。そして指示通りに、ペガサスが指定した地点をゆっくりと旋回する中、ミラは白い廃墟の屋敷や宮殿跡が綺麗に並んだ光景を、じっくりと観察する。
二周ほどしては次の地点、また二周しては次の地点と繰り返す事、五度目。
『……──』
随分と四層目の隅の方まで来たところで、またも同じ声を耳にした。
「む!? ……あっちか!」
言葉までは聞き取れなかったが、今度はよりはっきりとその声を捉えたミラ。そして反射的に目を向けた場所には、一軒の大きな屋敷が建っていた。
「あれは……。なんじゃろうか。なにやら違和感があるのぅ」
ミラが目にした屋敷は何の変哲もない、至ってシンプルでいて頑丈、そして立派な石造りの屋敷だった。しかし、見れば見るほど何かが違う。この違和感の正体はなんだろうか。
屋敷の正面に降り立ったミラは、ゆっくりとその屋敷に歩み寄り、観察しながらぐるりと一周する。それから中も調べてみようと、扉に手を伸ばした時だ。
「そうか! なぜ、一目で分からんかったのじゃろう……」
ようやく違和感の正体に気付いたミラは、そのまま扉に手を置いて、目の前の屋敷をそっと見上げた。
その屋敷は廃墟の中にあったからこそ、不自然だったのだ。見比べてみれば一目瞭然。他の屋敷や宮殿は、そのほとんどの窓や扉が朽ち果てている。しかし正面の屋敷は、その全てが健在なのだ。多少の埃にまみれてはいるものの、窓に曇りは一つもなく、扉も細部の細工まで良く見える。
明らかに何者かが管理しているであろう箇所が、屋敷のそこかしこに見て取れた。
「もしや、こんなところに誰かが住んでおるのか?」
魔物が出現する場所であり、屋敷があっても油断は出来ないはずだ。それでも、このような所に住むような酔狂な者がいるのだろうか。そう思いつつも、塔の学者連中ならありえるかもしれないなどと苦笑して、ミラは屋敷の裏手にある窓から中を覗き込んでみた。
「人は……見当たらんのぅ。それどころか、生活感も皆無じゃな……」
窓から見えた部屋には、人の姿が見当たらないだけでなく、何もなかった。人が住んでいるならば、多少なりとも痕跡ぐらいは残っているはずである。それとも、余程の綺麗好きが住人なのだろうか。
一通りの窓を覗き込んだミラは、その全てに生活感がない事を確認した。と、その時である。
『……──』
ミラは再び、あの不思議な声を耳にしたのだ。
「どこじゃ。どこにおる?」
その声は、確かに屋敷の中から聞こえたものだった。だが、ミラの呼びかけに応えるものはなく、ただ静寂が辺りを包んでいるだけだ。
「何かあってからでは、遅いからのぅ」
誰かが住んでいるだろうと思い遠慮していたミラだったが、もう調べる方法は一つしかないと正面に回り、扉に手を掛ける。
「鍵はかかっておらんのか」
ゆっくり力を入れると扉は抵抗なく開いたので、ミラは「お邪魔しまーす」と小さく口にしてから、そこへ足を踏み入れた。
まず最初に、広いエントランスに迎えられる。大きな階段と高い天井、長い廊下。夜になっても四層目は明るいままで、その光が窓から差し込んでいるため、端まで見通せる。
屋敷の中は薄汚れているが、それでも人が住むには充分な環境が維持されていた。だが、外から見たとおり家具などは一つもなく、生活感は皆無。しかし、汚れ具合は長年放置されていたというほどでもない。
もしや、誰かが定期的に掃除しているのだろうか。理由はまったくの不明だが、そんな奇特な人もいるのだろう。そう考えていたところで、ミラは再び、あの不思議な声を感じ取った。
「こっちじゃな!」
確実に近づいているのだろう、はっきりと方向が分かったミラは、エントランスの階段を駆け上がり、屋敷の奥へ進んでいく。ペガサスは、そんなミラの後を警戒しながら追いかけていった。
声に導かれるまま辿り着いたのは、屋敷の中で一番見晴らしのいい最上階の部屋だった。
「これは、もしや……」
その部屋の窓の下。仄かな光の中で、何かが淡く輝いている。触れれば消えてしまいそうなほど弱弱しいその輝きは、初めて目にするものであった。
しかしミラは、なんとなくそれが何かを理解し、僅かに戸惑いを浮かべる。確かに、話の上では有り得ない事ではないはずだと。
『のぅ、精霊王殿よ。見ておるのじゃろう? わしは、これが人工精霊じゃと感じたが、どうじゃろうか?』
ミラが心の中で問いかけると、その返事は直ぐに返ってきた。『ああ、その通りだ』と。
人が作り、そして長く大切に使われ続けたものに人工精霊は宿る。この屋敷は、かつての住人が余程大切にしていたのだろうと精霊王は言った。そして、屋敷が朽ち果てないまま残っているのも、この精霊の力によるものであると続ける。
『しかし、酷く衰弱している。もうじき限界を迎える事だろう。ミラ殿が聞いた声は、この精霊の最後の叫びだったのかもしれない』
『なんと、そうじゃったのか……』
意思を持たない人工精霊だが、人の想いに反応するという性質を持つ。きっと、この見晴らしの良い部屋が、屋敷を大切にしていた主人のお気に入りだったのだろう。屋敷の精霊は最期をこの場所で迎えるつもりなのか、ただただそっと、そこに留まり、少しずつ輝きを失い始めていった。
『精霊王殿よ。何か、この精霊を助ける手段はないのじゃろうか?』
どうしょうもなく居たたまれなくなったミラは、まるで小さな灯火を風から護るように、屋敷の精霊を両手で覆う。そして、どうにかこの精霊を救う手立てはないか、精霊王に問うた。
『ミラ殿なら、きっとそう言うと思っていた』
見透かしたような、しかしとても温かな感情が篭った精霊王の声がミラの内に響く。すると同時、ミラの全身に精霊王の加護の紋様が浮かび上がった。
『既に準備は出来ている。ミラ殿、あの時と同じだ。その精霊と契約を交わせばよい。契約と加護を通し、精霊力を分け与える。そうすれば、救えるはずだ』
『なるほど。分かった』
即座に答えたミラは、今にも消え入りそうな屋敷の精霊に、そっと手をかざし《契約の刻印》を使った。
瞬間、精霊王の加護の紋様が輝き、精霊力がミラの身体を通して屋敷の精霊に流れ込んでいく。そして一際、契約の光が大きくなって溢れ出すと、途端にミラの右手に収束する。
「成功した、ようじゃな」
やがて契約の光は消え、ミラは確かに屋敷の精霊が内に宿った事を感じた。
火や水、そしてワーズランベールのような自然界を司る精霊と違い、人工精霊は契約後に、契約者本人に宿る事になる。ミラは、そんな不思議と分かる繋がりが一つ増えた事を実感し、そして屋敷の精霊を救えた事に安堵した。
『ミラ殿の優しさに感謝する。大切に育ててやってほしい』
『礼を言うのは、わしの方じゃよ。この加護の力がなければ、救う事など出来なかったのじゃからな』
気付けば既に加護の紋様は消えていた。ミラは自分の腕を見つめながら、あの紋様が輝くのを意識的に出来たら格好いいのにな、などと思いつつ、新しく出来た繋がりを今一度感じて、そっと微笑んだ。
するとそこに何かを感じ取ったのだろう、自分が一番だとばかりに、ペガサスはミラの胸元に頬をすり寄せ、アピールするのだった。
最近、新たなクーラーの恩恵に気付きました。
それは、暑さでチョコがドロドロに溶けないという事!
夏にはご無沙汰だったチョコが、今でもまだ楽しめております。
最近の主力は、でん六のピーナッツチョコ。安定の美味しさです。
ビバ、人類最大の発明品クーラー!