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Episode3 〜再会〜

大勢の人でにぎわう大都市、シンクス。今日は休日なのだが、やはり、人の動きは耐えることがない。そんな人混みの中に混じって若い男女が歩いていた。一見、休日に二人で出かけている恋人に見えなくもないのだが、二人とも腰に剣を持っている所を見ると、そんな者ではないらしい。

「ところで、すぐに港へ行くの?」

女の質問に男が答えて

「いや、少し休んでから言ってもいいだろう。」

と言い、酒場に向かって歩き出した。



酒場は昼間なので少しすいていたが、それでも、人は多い方だった。二人はカウンターに座った。

「ウィルム酒を。」

「わたしもそれで。」

すると、男は慌てて窘めた。

「おいおい、かなりきついぞ。」

しかし、酒場のマスターは平気で2杯のウィルム酒を持ってきたので男は呆れてしまった。さらに女はそのウィルム酒を一気に飲み干してしまったのだ。

「おいしい。」

開いた口がふさがらないとは、こういう事を言うのだろう。男は、すぐにその光景を認めることができなかった。ウィルム酒とは、大の男でさえ2杯も飲めば倒れてしまうほどきつい酒なのだ。それを一気に飲み干して平然としていられるとは・・・。

「なあ、リア。」

「なに?」

男は言葉を選ぶようにして声を出した。

「御前の身体は一体どうなっているんだ?」

リアと呼ばれた女は、楽しそうに答えた

「別に、普通の身体じゃないかしら?ギルス。」

ギルスという名の男もこの地点で既に杯を半分ほどあけているのだが、この飲み方でも十分早い。

「御前には驚かされっぱなしだな。」

「型にはまらないというのが私の生き方なの。」

ギルスはさらに呆れたが、いつまでも彼女の話を聞いていても仕方がないと思ったのか、今度はマスターに話しかけた。

「なあマスター、何かウィングストニアのことで変わったこととかを聞かないか?」

「そうですねえ、あ、そうそう、そういえば、イリス将軍が、将軍からおろされたらしいですよ。」

「なんだって!?」

ギルスはよほど驚いたのか、机を強く拳で叩きながら言った。

「じゃあ、将軍が三人になっちまうじゃないか。」

「いえいえ、代わりにルシアス殿が将軍に昇格なさったとか。まあ、ギルティス将軍も城を追放されて、代わりに、無理矢理ともいえるやり方でエシル殿が将軍に昇格なさったばかりだというのにねえ。」

ここでリアは驚きのあまり声を出しかけたがギルスが視線を送ってきたので黙っていることにした。

「あのときもただの近接騎士団の指揮者だった者がいきなり将軍になんて、ということでかなりごたごたがあったというのに。これではまた国民の不満の声は高まりそうですね。」



酒場を出たあと二人は黙って港へと歩いていた。

リアの方はギルスが実は元将軍であることについて聞きたいのだが、ギルスが先ほどから黙っているので聞くに聞けない状態なのだ。

ギルスの方はさっきマスターから聞いたことについて考えを整理している真っ最中なのだ。

二人は無言のまましばらく歩いたが、ふとリアがギルスの方を見ると、ギルスの姿が見えない事に気づいた。慌てて振り返ってみると、自分から5メートルほど後ろに彼の姿があった。リアはギルスとは反対側の方を見ながら歩いていたので、彼がいきなり立ち止まったことに気がつかなかったのだ。彼は、リアの斜め後ろあたりを、驚愕の表情で見つめていた。不思議に思い、彼女もそちらの方向を見てみた。

そこには、一人の男が立っていた。年は30代前半といった所だろうか。しかし、その整った顔立ちと、とてもたくましい体と、腰に付けた長剣が彼を若く見せた。

「ギルス、彼がどうかしたの?」

「・・・・・うだ。」

「え、よく聞こえない。」

「王だ。」

「はい?」

「このお方こそが我らの陛下、ウィングストニア国王だ!」

「ええええええええええーーーーーーーー!!!」


しばらく放置していてすみませんでした。これからも宜しくお願いします。

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