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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

計画的な愛。

作者: 熊ゴロー。

ヤンデレ注意!

人死注意!暴力表現注意!

 やっぱり同居なんて上手くいかないものよね。


 婚約者時代から義母の嫁いびりは酷く、反抗すれば更に酷い癇癪を起こす。面倒なので、はいはいと頷いて回避するを繰り返してきた。



 結婚後は『容姿が整った、賢く、剣術に優れた子供を産みなさい!』と言われ続けている。


 完璧な子供が欲しければ、自分で産みなさいよ!なんて言えたらな…


 夫は優しい…というより能天気な人。義母の嫌味も何のその。盾にもならない。唯一、義父だけが私を庇ってくれている…が、更に義母の怒りが増した。



 最悪な家に嫁いできてしまったわ。恨むわよ、お父様!



 それにしても…この家に嫁いできてから、ねっとりと絡みつくような気味の悪い視線を感じるようになった。


 私が使っていたペンやハンカチなどが新品になって戻ってくるようになった。


 花束が部屋に置いてあったり、クローゼットの中に見知らぬアクセサリーが置かれていた。



 夫に聞けば、自分ではないと言われてしまった。せっかく貰ったのだから使えばいいとも。


 この家の誰かが悪戯しているのかしら…悪いことではないし、いいかと放置していた。


 



 毎日飽きもせず、部屋に置かれるプレゼントや花束。


 …使用人ではなさそうね。こんな高価なプレゼントを毎日なんて無理だわ。



 …使用人が貴族の誰かから受け取って置いてるとか?いえ、私は誰かに想われる程の魅力なんて無いわね。



 それにしても私の好みがよく分かっているのね。夫よりも理解してくれてるようだわ。


 時々、贈られたアクセサリーを身に着けて屋敷中を歩いてみるけれど、誰もアクセサリーに反応しない。



 「…これは、もう…」



 幽霊よ…!きっとこの家の先祖達がくださったのね!


 そういうことにしておきましょう!



 悩んだところで答えは出ないし、プレゼントはどれも素敵なんだもの。大切にするわ。



 そうだわ。お礼の手紙を書いて置いておきましょう。


 手紙を書き、花瓶の横に置いた。これなら気付いてくれるわね。


 いつもありがとうございます、ご先祖様…!








 しかし、それから数日後。


 毎日、高価なアクセサリーや花束が届くことを使用人から聞いたのか、私に愛人がいるんじゃないかと義母に疑われてしまった。



 「違います、本当に知らないんです…!」



 「子供もまだだというのに、愛人だなんて!やっぱりこんな娘を嫁だなんて許せなかったのよ!」



 頬を打たれ、尻餅をついた。


 本当に愛人なんていないのに…


 夫は私を庇ってくれたけれど、義母の怒りは収まらなかった。


 また頬を打たれそうになり、ぎゅっと目を閉じた。



 「いい加減にしろ」



 目を開ければ義父が私と義母の間に立っていた。


 

 「彼女は嫁いできてから一度も屋敷を出ていない。誰も訪ねてきていないというのに愛人だと?」



 「じゃあ、この宝石は?花は?何なのよ!」



 「君の愛人が間違えて送ってきたんじゃないのか」



 「な、何を言って…!」



 義母は顔を青褪めて否定するも、義父は無視して私を立たせ、頬を優しく撫でた。



 「腫れているな…冷やそう。さぁ、行こう」



 義父に手を引かれ、その場を離れる。後ろから叫び声を上げる義母が恐ろしい…


 …それにしても、あの宝石や花は義母の愛人からだったのね。


 考えることを面倒臭がらずに使用人に頼んで探してもらえば良かったわ…



 義父が使用人を呼び、私の頬を冷やしている間、どこかへと行ってしまった。


 …宝石や花、返さないとマズイ…よね?


 部屋へ戻り、今までのプレゼントを集めて箱に詰めた。花はもう仕方ないわ、後で別の花を用意しないと…




 「何をしているんだ?」



 「お義父様…これらはお義母様宛でしょう?返さなければと思いまして…」



 「いいや。その必要はない。君が持っていなさい」




 義母の愛人からの贈り物なのに堂々と使え…と?義母だって嫌だろうし、私も嫌だわ…


 

 「あぁ、あれは嘘だ。愛人は存在しているが」

 


 「それでは…この送り主は分からないまま…」



 「…まぁ、受け取っておきなさい。君によく似合う」



 

 そっと私の髪を梳いて頭を撫で、部屋を出て行った。


 …ドキッとしたけれど、この胸の高鳴りは男性に慣れていないからだわ。


 


 

 






 義母Side





 夫に知られていた。震えが止まらない。


 夫とは政略結婚だった。優しい…けれど私には物足りない人だった。夫との子供が出来てから、夫とは真逆の人と浮気をした。粗暴で金遣いの荒い男だけど、そんな所が素敵に感じた。



 浮気をしながらも夫のことは愛していた。ただの遊びだから。自分に言い訳しながら楽しんでいた。




 暫くして、夫が戻ってきて私の頬を打った。痛みと衝撃で座り込む。


 震えながら見上げると何の感情もない瞳で私を見下ろしていた。



 「浮気相手の元へ行けばいい。用済みだ」



 「嫌よ!出て行かないわ!貴方の妻だもの!結婚式の時に誓ったでしょ!私達は生涯を共にするって!」



 夫は結婚指輪を床に投げ付けて部屋を出て行く。

 

 私は動くことも出来ず、ただ扉を見つめることしか出来なかった。











 彼女Side




 それからも贈り物は届く。相変わらず誰からなのか分からない。夫はタダで手に入るならいいんじゃないか?と気にもしていない。


 義母とはあれから顔を合わせる度に、以前にも増して酷い癇癪を起こすようになった。


 義父と夫が守ってくれるけど、二人がいない時は部屋にまでやってきて嫌味を言い続けてきた。時には泣きながら。情緒不安定のようね…



 嫌味に対して、私は只管、はい、申し訳ありません、私は不貞などしていませんを何度繰り返し言い続けたことか。



 そのせいか体調を崩してしまった。胃の痛みも酷い、最悪だわ…



 ベッドの中で大人しく過ごしていたが、ふと外から楽しそうな声が聞こえてきた。


 何よ、私は胃の痛みで苦しんでいるのに…と窓から外を見ると…



 夫と使用人の女がいちゃついていた。がっつりと口付けをしていた。



 ぷつりと私の中で何かが切れた。



 窓から枕やら花瓶やらを夫達に目掛けて投げ続けた。


 慌てた声が聞こえるけど知るもんか!


 ひたすら投げ続けて疲れて座り込んだ。



 「あははっ、馬鹿みたい。気にしなかったのは能天気だったからじゃなくて、浮気していたからどうでも良かったのね」



 ぽたりと涙が落ちた。


 能天気な人だけど、浮気するような人ではないと思っていた。馬鹿だと思っていたけど、大馬鹿だった。クズだった。


 

 「うっ…あぁぁぁぁっ…」



 馬鹿、馬鹿、私の馬鹿。夫の馬鹿。



 誰かが部屋に入ってきた。けれど、どうでもいい。


 その人は背後から私を抱きしめた。


 泣き続ける私の頭を撫でる。その温もりと優しさが更に私の涙を増やした。


 


 暫くしてまた誰かが部屋に入ってきた。それでも泣き続けていた。



 「あ、あの…ごめん!出来心で…」



 クズ夫だった。言い訳なんて聞きたくないのよ!


 …待って、抱きしめているのは誰?



 涙が止まらないまま、振り返ると悲しそうな表情をした義父だった。

 


 「え、あ…お、お義父様…」



 「君の苦しみは全て排除しよう」



 「え…?」



 「まずは妻と愚息と追い出す。あぁ、あの使用人も追い出す。全員、ただ追い出すだけでは足りないな…」



 

 私を抱き上げると夫を押し退けて部屋を出た。後ろから夫が付いてくるけれど、義父は無視して歩き続ける。


 義父の部屋に入り、私をソファーに座らせると頭を撫でた。



 「休んでいてくれ。この部屋からは出ないように」



 私が頷くとニコッと笑い、部屋を出て行った。夫の言い訳が聞こえてきたかと思えば、ゴツッと鈍い音と夫の悲鳴が聞こえた。



 …ざまぁみろ、とは思えないのはどうしてかしら。あんな奴…


 暫く引きずる音がして静かになる。



 心臓が早鐘を打つ。大丈夫。夫を睨みつけていた義父の瞳が恐ろしく感じたけれど…息子だもの、大丈夫…よね。


 大人しく部屋で待っていることしか出来ない。
















 夫Side





 あぁ、ついにバレてしまった。妻のことを愛している…けれど、どうしても女遊びがやめられなかった。


 ただの遊びだ、君だけを愛しているんだなんて信じてくれないだろう。



 泣きながら窓から物を投げる妻のことを更に愛おしく思えた。嫉妬してくれている、と。


 

 そんな馬鹿なことのせいで、とんでもない事態になることを過去の俺を殴ってでも止められたら良かったのに。




 「馬鹿なことをしたな」



 父は呆れたような声で、けれど片足で俺を踏み付けて嘲笑っていた。


 穏やかな人だった。ヒステリックな母と違って優しかった。憧れていた。


 歪んだ笑みで見下ろしてくるこの人は誰だ…?



 「お前のおかげで早く手に入りそうだ。死に際に道連れにするしかないかと思っていた」



 誰が手に入る…?父の死に際…?誰かを道連れ…?


 何を言っているんだ?



 「父上…?」



 父は酒瓶を両手に持ち、使用人が風呂に水を入れている…


 嫌な予感がする。いや、まさか。


 父は歪んだ笑みで座り込んだ俺の前に立ち、見下ろした。



 「うーん…お前は不慮の事故、あいつはそれを嘆き悲しんで後追いにしよう。さぁ、特別な酒だ。飲み干せ」












 彼女Side





 部屋を見回すと見知らぬ誰かから贈られた花と同じ花が花瓶に飾られていた。


 …この花、人気なのかしら…



 ん?手紙…私が使用してる便箋と同じだわ。あら?ハンカチ…この刺繍、私が縫ったもの…不器用だからガタガタになってしまって…



 …考えすぎよね。義母が縫ったものかもしれないわ。あの人が刺繍してるの見たことがないもの。



 「…そうよ。お義父様は優しい人よ。そんなこと…」



 綺麗に整理整頓された机に近付いた。


 私のお気に入りの羽根ペン、扇子、私が女主人としての仕事を忘れないように書き留めた小さな紙が飾られていた。



 …お義父様…なの?どうして…




 突然、ノックも無しに扉が開いた。義父が戻ってきた。嬉しそうに微笑みながら。どうして微笑んでるの。



 シャツを濡らした義父が近付いてきた。それが恐ろしくて一歩、また一歩と後退る。



 「これでもう君を苦しめるものは消えた」



 手首を掴まれ、引き寄せられた。



 「…夫は…?」



 「酒を浴びる程、飲んでいるそうだ。今行っても話にならないだろう」



 まるで天気の話でもしているかのように。


 

 「ど、して…お義父様は…濡れてるの…?」



 一瞬だけ真顔になった。すぐに笑みを浮かべるも酷く恐ろしい瞳が私を見つめる。


 

 「…あぁ、手を洗っていたんだが…なかなか落ちなくてね」



 何が落ちなかったのか。それは本当なのか。



 …どうしてシャツに誰かの濡れた手の跡が付いているの…


 まるで縋り付いたかのような大きな手。義父の細長い指と違う、太い指の跡。



 「…あ、あ…」



 「さぁ、君は疲れているんだ。休もう」



 力強く抱きしめられ、もう逃れられないのだと恐怖で意識を失った。













 義父Side




 


 政略結婚の愛のない両親を見て育ってきた。お互い愛人を作り、本邸にはあまり帰ってこない夫婦だった。


 愛を知らずに育った。結婚なんてしたくなかった。


 あの二人のようになりたくなかった。それでも貴族の役目を果たさなければならなかった。



 婚約の時から大嫌いだった女と結婚した。閨を共にするのが苦痛で早く孕めと願っていた。孕んだ時に漸く役目を終えたと喜んだ。


 子を産んだ女が浮気相手を作ろうとも気にしなかった。見て見ぬふりをしてきた。子だけはまともに育てなければ、と思って育ててきたが無駄だった。




 母親に似たのだろう。『遊び』にハマって、使用人だろうが娼婦だろうが手を出していた。


 この時にはもう諦めた。


 くそったれな人生、くそったれな家族。


 私の人生に何が残る?何も残らない。



 ある日、息子の婚約者との顔合わせをした。どこにでもいるような平凡な若い女。


 …だと思っていた。


 息子が結婚をして気付いた。彼女は勝ち気な性格だと。


 妻の嫁いびりに泣きもせず従っていた。しかし妻が離れ、一人になると…



 『まーったく!子を選んで産めるわけないでしょ!親だって選べないっていうのに!自分で産んでみなさいよっ。能天気な息子にしたのは誰よっ』



 怒りながらも女主人としての仕事を熟していた。一人になると感情を爆発させていた。仕事だけは文句を言わせるものか!と必死な姿に、つい笑ってしまった。


 普段は微笑みの仮面を付けたような淑女が別人だ。


 初めて心を動かされた。面白い、もっと見てみたいと。


 誰にも負けてなるものかと仕事に食らいついている姿。泣くものかと歯を食いしばる姿。顔は笑っているのに怒りが滲み出ている姿。




 知れば知るほど溺れていった。



 手に入らないと知りながらも私の欲望は膨れていった。


 彼女の持ち物を新品と交換して、まるで宝物のように部屋に飾った。匂いのついた物は暫く楽しんでから飾った。


 こっそりプレゼントを贈れば、戸惑いながらも喜んでくれた。手紙も書いてくれた。花を飾ってくれた。



 自分でも分かっていた。これは異常だと。



 だから見ているだけで良かった。欲しがってはいけない。なのに。息子の浮気を知って、チャンスだと思ってしまった。



 息子の浮気が早くバレてしまえと願った。そしたら彼女を奪い取れるのだ。

 

 いつか自分が死ぬ時に彼女を道連れにしようと思っていた。だが、チャンスがやってきた。



 もう二度と離さない。離せない。


 
















 葬儀の最中、親族達はこのまま息子の嫁を娶れと言ってきた。最初からそのつもりだ。考えさせてくれ…と悲しい顔をしてその場を離れたが、内心、喜びでいっぱいだった。誰もが望んでいる。



 葬儀が終わり、漸く二人きりになれた。



 「喪が明けたらすぐに結婚をしよう」



 青褪めている彼女の頬に口付ける。離れないようにキツく抱きしめる。



 「私も年だからね…なるべく早く子を作らねばならない。結婚前だけど…いいね?」



 「お、義父様…っ」



 押し倒し、口付けて体を貪った。若い頃のように興奮は収まらなかった。


 一晩中、抱いても足りなかった。翌日以降も部屋に閉じ込め、抱き潰した。



 抵抗していた彼女も諦めたのか、私を愛してくれているのか抵抗をやめた。


 彼女から求めさせたり、私が激しく求め続けた。


 

 それから暫くして彼女は妊娠した。喪が明ける前だったが後継ぎにする為、結婚を早めた。



 





 数年後。




 彼女Side




 夫と義母が亡くなり、義父に執着された私はもう逃れることは出来ないことから腹を括った。


 葬儀後から抱かれ続け、あっという間に妊娠した私はもう怯えることはやめた。


 逃げられないなら戦うまでよ!お腹の子も守らないと…



 共に過ごしている時に何度も何度も義父に言い続けた。私の大事な子供を必ず幸せにしましょうね、と。


 私の言うことならなんでも叶える、と義父が毎日のように言っていたので、私も毎日同じことを言い続けた。


 子には手を出さないで、とそれとなく伝えていた。


 義父にも伝わっていたのか、必ず叶えるよと笑った。



 子が産まれて乳母に頼らず、義父と二人で育てた。それからまた暫くしてから妊娠をした。


 その頃には遠慮せずに言いたいことは言えるようになった。



 「旦那様。また子供達を甘やかして…」



 「すまない。君にそっくりだから、つい甘やかしたくなるんだ」



 「もうっ。ほら、貴方達!そろそろお勉強の時間よ。先生が待っているわ!」



 子供達がキャッキャッとはしゃぎながら、家庭教師のいる部屋へと走っていく。


 私はしょんぼりした義父…いえ、元義父、現旦那様の頬を撫でる。



 実子を、妻を手に掛けた旦那様。全ては私の為にと罪を犯した。


 執着された私は被害者だと少し前までは思っていた。けれど。


 私も旦那様と同じだ。二人を事故死で処理されたことに私は何も言えなかった。言わなかった。我が身可愛さに黙ることを選択した。



 そして生きていく為にはこの家で、旦那様と結婚しなければならなかった。


 修道院へ行くにもお金はかかる。そもそも旦那様が離すわけがない。


 『君と逝く時間が早まるだけだ』


 出ていきたいと泣き言を言った時、無表情で私の首に手を添えた。



 あぁ、逃げられない。生きるか死ぬか。悩むことをやめた。




 旦那様の愛を利用して、今日も子供達と生きている。旦那様の憎悪が子供達に向かわないように。私は旦那様に縋り付く。



 あの子達を守れるのなら私は『私』を利用し、旦那様の『愛』を利用する。



 もし私が早死にした場合のことを考え、遺言書を作成しておいた。何が何でも子供達を守ってと。必ず守ってくれる。私のお願いだもの。


 もし旦那様が亡くなった場合は…私も道連れにされるだろう。子供達はまだ幼い。長生きしてもらわないと。



 「旦那様」



 しょんぼりした旦那様を抱きしめた。びくりと震えた後、嬉しそうに笑い、私を抱きしめる。



 「…今から愛し合いたいな」



 営みたいと誘う旦那様の手を握り、精一杯の微笑みを浮かべて口付けた。



 「私が主導でいいなら…いいですよ」



 「っ!」



 最近の旦那様はマゾヒズムになったのだろう。私が主導権を握って進めると喜ぶようになった。


 …いつか旦那様が亡くなる時に道連れは免れないのだから、好きにしてもいいわよね。



 残酷で優しい旦那様。約束は守って。その為ならどんなことでもするわ。



 いつか来る未来に怯えながらも強かな私は、今日も旦那様の愛を利用して生きている。


 

 …きっと地獄にいる元夫と義母と同じ場所へ逝くだろう。それでも。



 「愛しているよ。誰よりも何よりも」



 「ふふっ。私もです。旦那様、愛しています」




 今はこの愛に溺れて生きていく。






  

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