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麺類短編料理企画「わんこそばでお仕置き~あなたは何杯食べられるかな?~」

作者: たぬき蕎麦

ここは異世界。そうゆう設定で読むように。とはいえ中世欧州風とは言っていない。


その容疑者は自分で決めた言い換えルールを自ら破った為にネット警察に逮捕された。そして今、簡易裁判法廷にて裁判長から判決文を言い渡されていた。


「被告人はネット上にて自らが主催するイベントの中で、参加者へ表現規制をかけたにも関わらず自らその禁を破った。これは運営者倫理法に著しく抵触する行為であり情状酌量の余地は無い。よって本法廷は被告に『わんこそば333杯』の刑を言い渡すものとする。以上。」


裁判長の宣言に被告である神輿みこし 恋菜こいなはがくりと肩を落とした。そして俯きながら涙を流す。

そのうな垂れた姿は裁判を傍聴していた者たちに、被告は本当に反省したと思わせるに十分な『演技』だった。


そう『演技』である。実は恋菜が流した涙は嘘泣きである。そして今回恋菜に課せられた刑罰は、実は恋菜本人が望んでいたものだったのだ。

そう、恋菜は今回の裁判でわざわざ実刑を望んでいた。それは何故か?それは本人にしか判らないのでここで恋菜の胸の内を覗いてみよう。


「よっしゃーっ!これでわんこそば333杯をタダで食べられるぅ~っ!」

いや、待てっ!マジか?マジでそんな理由で間違いを犯したのか?そもそもわんこそばってそんなに値段は高くないだろうっ!


さて、ここで『わんこそば』って何?という方に説明すると『わんこそば』とは漢字で書くと『椀子蕎麦』つまりお椀に入ったお蕎麦で、岩手県辺りで食べられている食文化らしい。

但し一杯のお椀に入っている蕎麦の量は一口分くらいだそうだ。そしてその蕎麦を次々と強制的にお代わりさせられて食べるのが作法らしい。


しかもその際に食休みを取ってはならないというシバリがあるらしい。成る程、常に食べ続けなければならないのか。

それならば確かに罰ゲームに成り得るな。


しかしざる蕎麦は別として、蕎麦って普通はお椀で提供されるよな?

いや、さにあらず。蕎麦とは普通どんぶりにて食すはずなのだ。なのでここで言うお椀とはお味噌汁などで使われるサイズの器を指すのである。


もっともこのお椀のサイズに取り決めはないらしいのでお店によっては大きなお椀で提供するところもあるらしい。

だがそんな大きいお椀でも中に入っている蕎麦の量は大した事がなく一口で食べられる量である。なので普通の女性でも30杯くらいは食べられるらしい。


だが上には上がいてネット上の情報では500杯以上を食べきる猛者もいるらしい。いやはや、これって重量で換算すると4kg以上だぞ?よくもまぁ食べられたものだ。


なので判決で言い渡された333杯というのはそれ程無茶な数字ではな・・、いやかなり無茶だよな?

だって30杯が普通だとすると11倍だぞ?仮に30杯が通常の素蕎麦一杯分だと仮定すると11杯だ。


もっとも通常のどんぶり蕎麦は大抵汁まで飲むが、わんこそばは然程汁がないらしい。つまり蕎麦だけを食する事になるので、その気になれば・・、いや、それでも333杯はきついか。

成る程、恐るべきわんこそば333杯の刑・・。微妙にできそうな数字で安易に挑ませて地獄へ叩き落すのだな。


そんな事になろうとも知らずにこの被告はタダで食べられると浮かれているのか。そんなに食費に窮しているのか?一体何にお金を使っているのだ?

ホストか?もしかしてホストに入れあげているのか?ドンペリのピンクとかを景気よく開けているのだろうか?


まぁ、そこら辺は裁判と関係ないので法廷でも説明されなかったが、食欲だけはあるらしい。

なので恋菜は判決後、嬉々として刑が執行されるのは何時なのかと問いかけていたくらいである。


因みに刑の執行日は1週間後で刑場は岩手県の盛岡市にある老舗のわんこそば屋・・、の裏手にある広々としたドッグランだった。

その広場にひとり立たされて恋菜は少しでも腹を空かしておこうと体操を始めた。うんっ、食べる気満々だな。


だがその時、ドッグランの囲いに4ケ所あるゲートが開き、もふもふとしたものが大群で恋菜に向かって突進し襲い掛かったっ!

成る程、わんこそばを食べさせると言っておいて、本当は正体不明の魔物に食べられちゃう側になるのがこの刑だったのかっ!


うんっ、えげつないな・・。でもまぁ刑罰だからな。そんなもんか。


だが、正体不明のもふもふたちに囲まれても恋菜は悲鳴を挙げるどころか喜んでいるようなのだが?

そしてその理由は直ぐに判った。そう、恋菜を襲撃したのは333匹の可愛らしいわんこたちだったのであるっ!


そう、『わんこそば333杯の刑』とはわんこ蕎麦を333杯食べる事ではなく、333匹のわんこたちが受刑者の『側』に来てぺろぺろしてくれる刑罰だったのだっ!


そして今、恋菜は333匹の可愛らしいわんこたちに囲まれて恍惚としていた。

そして一言こう呟いた。「あーっ、やっぱりペットは目黒に限るっ!」


おかしい・・、これって本当に刑罰なのか?なんか受刑者が喜んでいるんだが?

後、目黒のオチはサンマだっ!


どっとはらい

眠い・・。パトラッシュ・・疲れたろう?僕も疲れたよ。やっぱり2千文字にまとめるなんて僕には無理だったんだ。

そのせいかな、何だかとても眠いんだ。パトラッシュ・・君はいつまでも僕の・・

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― 新着の感想 ―
企画からきました! うっへぇ。嬉しいのか壮絶なのかどっちだ!? ワンコ好きなら天国かもしれませんねぇ!
[良い点] お仕置きありがとうございますm(_ _)m あー……。こりゃ天国だわ(*´ω`*)
[一言] 【追記】 〉推し活動って女の子たちの方がエネルギッシュなのだろうか?  そうらすぃですよー。 なろうの路線変更や、KADOKAWAの【魔法のiランド】が【カクヨム】へ統合される事となっ…
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