八で止まる
数を数えている
独り 部屋の中で
一、二、三、
四、五、六、
七、
八で止まる
思い切りの足りない生活
根拠のない何かに期待し続けて
得たものを考えてみれば自分でも笑ってしまう
いけないと思いはしても
変えなきゃと思いはしても
その踏ん切りはつかないままで
追われるようにして過ぎていく生活
目の前のノルマをこなすことに精一杯で
その先にあるものがちっとも見えてこない
目を凝らして遥か先を見ても
見えるのは自分の無様な姿ばかり
足りないのは力だけなのか?
数を数えている
独り 部屋の中で
一、二、三、
四、五、六、
七、
八で止まる
回りくどいのは好きじゃないし
面倒くさいのも好きじゃない
でもやっぱり人にはやらなきゃならないことがあって
全てを放り出すほどの勇気もなくて
何だかんだ言っても結局は止まったまんまだ
前に進む方法も
後ろに戻ることのデメリットも
全部分かってるつもりだったけど
負け犬って言葉が大嫌いだった
負け犬にだけはなりたくなかった
負けないようにいつも勝負を逃げて
勝てる勝負だけ選んでたら
空前絶後の負け犬になってた
あんまりかっこ悪いんで
涙も出なきゃ腹も立たなかった
数を数えている
独り 部屋の中で
一、二、三、
四、五、六、
七、
八で止まる
周りがみんなでかく見えた
自分の小ささがやけに意識された
弱さが怖かった
それはつまり
負けるのが怖かったってことで
突き詰めて言うと
君に惨めな姿を見せたくなかったのさ
数を数えている
独り 部屋の中で
一、二、三、
四、五、六、
七
俺は君のことを思っている
先に謝っておくよ
すまない
俺は君のことをまだ思っているよ
こんなところで俺は今も
君のことを思っているよ
数を数えている
独り 部屋の中で
一、二、三、
四、五、六、
七、
八で止まる