真面目なホストと書店店員
初めての小説家になろう作品です。
慣れてない部分も多くありますがどうか暖かい目でご覧下さい。
普段は別の小説サイトやらネットアプリなどで二次創作やらオリジナルやらなんやらと書かせて頂いております。
小説家になろうではオリジナル作品のみの投稿とさせていただきます。
では、ご覧下さい。
僕の職業はホストだ。ホストと聞いて、いいイメージを想像する人は少ないだろう。
僕は昔から真面目だった。勉強もテスト期間に入る前からテスト範囲を予想して勉強してたし、部活だって1年の時からレギュラーだった。
彼女も居たし良い青春を過ごしていたと思う。
しかし、今はホストだ。笑えてしまう。
事の発端は父が死んだことから始まる。体に異変を感じて病院へ行った時にはもう遅かった。進行があまりにも早く、余命宣告を無視してかなり早く死んでしまった。
その日から母は壊れてしまった。
日々家に新しい彼氏を連れ込み、その間僕は自室に籠ることを強いられる。
母に聞いた。彼氏がそんなに必要なのかと。
「私、あなたのパパが大好きなのよ。ご飯みたいな物だったのよ。」
と、父がなくなってから初めて母の本心を聞いた。
なら何故別の男を作ってしまうのか聞いた。
「お菓子よ。」
ぽつりと、端的に、そう告げられた。
なるほどと思った。僕が疲れた時に甘いものを食べるように、母だって疲れたら甘いものが欲しいのだ。
数週間後、母の消息はぱたりと消えた。
そこから現在、ホストへの道へと進む事になってしまった。
……親戚がいればなぁ
残念ながら親戚はいない。親戚がいればどれほどまでに楽だったことか分からない。
一気に稼げるのはやはり夜の世界だ。
その中でもホストは人気にさえなれば勝ち組なのだ。
今は昼時。街へ出て本を買いに行こうとしている。
「あ、猫」
野良猫だろうか、道路を渡ろうとしている。
「危ないよ」
ここの道は死角が多い。そのため車が来てしまえば確実に轢かれてしまう。
小走りで猫を抱え込み、道を渡りきる。
「もう大丈夫。」
野良猫を降ろすと礼も言わずに立ち去った。実は余計なお世話だったりして、なんて思うと今しがたした行動に意味はあったのかと考える。
「ん、こんな細道あったっけな」
自分の左側にふと目線を向けると、私の知らない細道があらわとなった。
生まれてこのかた24年。この街で生まれこの街で育った僕にとって、知らない場所などないと思っていた。
実際この道は小学校の時から通っていた道だし、みんなと走り回りながら帰って遊んで、としていた為、全部の道通ったと思い込んでいたようだ。
その道の奥から光が差している。
僕は唐突にその奥に何があるのか気になった。
肩幅ギリギリの道を無理やり通る。
どんどん歩が早くなっていく。これ程まで気分が高揚した経験は片手で数える程度だ。
…道が開けた。
目の前にはWonderBooksと書かれた看板が。ツタが巻きついている。
Booksって事は書店か…?
「お、お邪魔します…」
「いらっしゃいませー」
レジの奥から定員と思われる人物が出てきた。
「……!」
「…?どうかされましたか?」
「いえ、何も、ない、です」
何だこの気持ちは、この心臓が飛び出そうな感覚。体が火照る。
この人と出会ったのは何らかの意味があるのだろうと直感的に思った。
「それにしても、よくこんな店見つけましたね。普段は全然お客さん来なくて赤字気味なんです」
「なんか、ふとした時に見つけて」
「有難いです、ゆっくりしてってくださいね。うち、結構掘り出し物ありますから」
「ええ、そうさせてもらいます。僕、ミステリー小説が小さい頃から大好きなんです」
「え、そうなんですか!私もなんです」
思わぬ共通点を見つけてしまった。こっから話題が広がるといいが。
「どの作家さんが好きですか?」
「僕は基本東野圭吾さん読んでますね」
「私も読みます!あと私、湊かなえさんと相沢沙呼さんも好きです、メディウムとか最高でした」
「あ、メディウム僕も読みました!面白かったですよねあれ、ラストの大どんでん返しが予想外の方向ですっごいワクワクさせられました」
「いいですよねぇ」
その後1時間ほど2人とも前のめりになって本について話し込んだ。
連絡先を交換して、また来ますと伝え家に帰った。
「こういう時ってどうしたらいいんだろうな」
暫くは家に帰ってスマホとにらめっこする日々が続く事になるだろう。
〜完〜
終わり方を見失いましたが、なんとか書けました。
これからはゆったりまったり不定期投稿させていただきます。
スクロールお疲れ様でした。是非これからの作品もご覧下さい。