寛容とは賢人の心に広がる美しい海である。突然大きな地震に見舞われても、その心は穏やかに凪いでいる。
寛容とは度量の広さである。現代社会では、ちょっとしたことでわめき散らしたり、怒鳴ったりする人が非常に多い。お店で待たされれば、すぐにストレスがたまり、店員に怒鳴り散らす。理不尽に遭遇すればすぐにカッとなる。
しかし、私たちが目指すべき賢人の姿はそれとは真逆である。突然、大きな地震、つまり理不尽に遭遇しても、決して動じることはない。賢人の心に広がっている瑩然たる大海原は、激しい陽光を鏡のように跳ね返し、どんな時でも宝石のように煌めいている。波音一つ立てることはない。
賢人はどれだけ待たされようが、イライラせず、むしろ店員の心配をしてあげる。誰かにどんな悪口を言われても、笑顔で颯爽と受け流す。相手が間違いを犯しても厳しく咎めず、優しく諭す。そして失敗からちゃんと良い点も引き出してあげる。
私もまだまだ未熟で、この域には達せられていない愚人である。だからこそ見習わないといけない。目指すべき賢人の心。突然大きな地震に見舞われても、波が立たないなんて! そんなことがありえるだろうか! そんな玲瓏たる大海原のような心を育むことができれば、どれだけ生きやすくなるだろうか。
たとえ波が荒くなったとしても、それは燃え盛る復讐の炎を大きな波で飲み込むときだけである。
もし突然、大きな理不尽に見舞われ、心に波が立ちそうになったら、このアフォリズムを思い出してみよう。心に波音一つ立てずに笑顔で対処することが賢人への第一歩である。自分にできるか不安だろうか? 大丈夫。あなたにならきっとできるはずだ!