あきた
1つ目
「あきた」
そうつぶやいた彼は作者だ。
だれる彼の背後に突然に闇が現れた。向こうを見通せないほどの漆黒の闇。
あまりの寒気に振り返るとそこには魔王が顕現していた。
「なんだ!そういうことだったのか」
やつがすべての元凶だ。そう理解した作者は護身用のエクスカリバーを構えると闇に立ち向かう。
「お前がすべて悪い」
そう叫びながら切り裂いた。するりとよける。切れたのは空気だけだ。
激しい戦いが繰り広げられそして戦いは終わった。どちらが勝ったのかよく覚えていない。気づくと一人たっていた。まるで夢から覚めたときのようにあやふやだ。
「まあいいか」
そうつぶやいてデスクに戻るが作者から闇が漏れている。
作者はそのことに気づくことはない。それどころかすっかり忘れてしまったのだった。
これから彼の周りで不思議なことや奇跡がたびたび起きるがそれでもこれが原因だと思い出すことはなかったのだった。