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  作者: 蘇芳
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行きは良い良い帰りは…

きらきら光る眩しい空間に目が慣れてきた。


高い天井の白い部屋?


いいや、部屋というより廊下かな。


端が見えないほど前後に続く幅5m程の廊下に左右には階段の様な棚がビルの高さまである。


それがずーっと前後に続いている。


良く見ると天井は無い様だ。ふわふわとしゃぼん玉が浮かびきらきらと光が光り、その奥に綺麗な星空が広がっていた。


しゃぼん玉は空へとゆっくり上がっていき、その途中でシャラララララ〜と綺麗な音を出しながら光の粒子へと変わると大気に溶ける様に空へと上がっていく。


低い所で光の粒子へと変わる物もあれば見えなくなる程の高さまでいって光の粒子へと変わる物もあって。とても綺麗だ。


左右の棚を見ると短い物、長い物、細い物、太い物と色々な大きさのローソクがあった。


ローソクに点いている火も色々でローソクの大きさに関係なく大きく小さく点っていた。


短く細いローソクに大きな火が点いてたり、長く太いローソクに今にも消えそうな火が点いていたり、その逆だったりと色々とある。


ローソクを見てると長く太いローソクの火がふっと消え、リーーーンと綺麗な音が鳴るとローソクを包み込む様に透明な虹色の丸い膜が現れふわりと空へとゆっくり上がっていく。


(浮かんでるしゃぼん玉はこれかぁ)


ふわりと上がっていくそのしゃぼん玉は私の目の前あたりの高さで綺麗な音を立てて光の粒子になって消えながら上がっていった。


しゃぼん玉となり浮かんでいったローソクの場所にはシャラララララ〜と綺麗な音と共に光の粒子がくるくる回りながら集まり、先程とは違うローソクが現れた。


ざわざわと鳥肌がたった。小さな頃に聞いた昔噺が頭を過ぎったからだ。


ローソクは人の寿命でローソクの火が消えたらその人はお亡くなりになると。


(えーーーと。……此処はもしかしてあの世なのかしら?…私、死んだ?…この先の見えない廊下を進んで行くと三途の河原?)


その場で暫くローソクを眺めていたが誰も現れない。怖い物は現れて欲しくはないけど。この状況をどうにかして誰か助けてほしい。


シャラララララ〜。リーーーン。と、綺麗な音と光を聞き眺めながら。兎も角、前にとぼとぼと歩いてると前方からとてとてと足音が聞こえた。


(なに!……何々…なに?何かが来るぅぅぅぅぅ)


フリーズして足音のする方を見て立ち尽くしているが内心はとてもとても凄く焦った。


(逃げなきゃ。早く…早く早く逃げなきゃ死んじゃう。…いや、えっとでも死んでるからいいのか?嫌々イヤ良くない気がする。気がするから逃げたいのに、逃げたいのに、身体が動かない)


怖くて腰が抜ける様にしゃがみ込み、目を瞑って足音が何事もなく通り過ぎて行くのを願って待った。


待ったが長い廊下に姿は見えず聞こえた足音。


心臓の音がばくばくして怖くて早く通り過ぎてと願う。のに、足音の主は現れた気配がしない。


ばくばくとなる心臓が恐怖からどんどん早くなるのに、私の所までなかなか来ない。


(早く来なさいよ。心臓の音で爆死するわ)


なかなか来ない足音の主にイライラしてきた。


(………………あれっ。これって逃げられたんじゃ)


だいぶ時間がたってふと冷静になって思った。


その時、とてとてと足音が私の前で止まった。


固まったまま数分がたった。足音の主の気配は私の前で止まって動かない。何も無い。


恐る恐る前を見ると小さい足が見えた。


ゆーくり目線を上げると平安時代の様な服を着た子供が二人。不思議そうに此方を見ていた。


一人は白銀の髪に目はブルー、白い服を着ている。


もう一人は白金の髪に目はアメジスト、黒い服を着ている。


二人共もちもちぷにぷにな肌で凄く可愛い。


「君達は…誰?」


………………。


かけた声に首を傾げられ、お互い顔を見合わせてまた此方を見るとにっこり笑顔になり元気よく声をあげた。


「みぃッ」


「みぃみぃッ」


「えっと。みぃちゃんとみぃみぃちゃんって言うのかな」


かけた言葉に二人は首を傾げ暫くするとぶんぶんと首を横に振り違うと言う。


「違うのか。んーーー…白と黒?……もしかして……私が追いかけた毛玉ちゃん達だったり…して……ははッ…」


まさかとは思いながら思いついた事を口に出すとこくこくと首を縦に振り正解と告げてきた。


きらきらした宝石の様な綺麗な目で此方を見上げて。ふわふわした柔らかそうな髪の毛を見てると撫でたくてうずうずしてくる。


にこにこしながら此方を見ていた二人が鼻歌を歌いそうなくらいご機嫌にくるくると舞を舞い始めた。すると、地面に光の線が走り魔法陣を描いていった。完成すると魔法陣から黄色く光る扉があらわれた。


スカートの裾を引っ張り扉へと促す二人。


「開けろって事かな」


二人は元気よくうなずいた。


「此処に居ても仕方がないし。行くか」


ゆっくりと扉を開けると、そこは本がたくさんある部屋だった。二人に引っ張られ扉をくぐると扉は静かに閉まり光の粒子となり大気に溶けていった。


其処は円柱形の建物の様で真ん中は上まで吹き抜け、各階の周りの壁は本がぎっしり入った棚、天井に明かり取りのステンドグラスがとても綺麗だ。

一階の真ん中には机が並び上に行く階段に隠れる様に扉があった。


二人は私の服の裾を掴んだまま動かない。此処で誰かを待っているのだろうか。私が動こうとしても動かない二人には逆らわわず一緒に立っていると扉が開いた。


「お待たせー」


女の人の声に其方に向くと


「えっ!」



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