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ここから始まる異世界生活・2

 あまりの出来事に頭がおいついてなかったせいでその後に何か言われていたみた

いだけど何も耳に入ってこなかった。それに気が付いたラウラ姫は召喚されて

すぐで疲れてもいるだろうからと部屋を用意してくれてそこに案内された。

 「気持ちを落ち着かせたいので一人にしてほしい」と言って今は部屋に自分

ひとりしか居ない。


 とりあえず今の状況を冷静に考えてみよう。

 ラウラ姫は転生ではなく召喚したと言っていたのであっちの世界で私はまだ

死んでいないということ。帰れるかという問いに今までそう言った人が居なかっ

たと言っていたので帰る方法を文献に残していないだけで何処かにあるかも

しれない。

 その為にもこの世界の事、異界人の事などを調べれるだけ調べて、生きていく

すべを身に着けてから帰る方法を探すべきだろう。


そうなのだなんとしても帰らなくては!私の癒しの為に!


 と、方針は決まったが別の問題が目の前にある。

 私は部屋にある姿鏡の前に仁王立ちしていた。


 白銀の髪に黒い瞳、背は160ちょいくらい。

 (この年齢にしたらちょい低いのかな?)

 見た目年齢は15歳。

 顔は元の世界の私とは月とすっぽんなくらいの美少年。

 女の子に間違えそうな美少年ではなく男の子らしい美少年なのである!

 (将来絶対イケメンだよコレ!)


 元の世界の私は顔はまぁギリギリ普通?くらいではあったと思うが男ではない!

正真正銘の女であったはずなのに何故男の子になっているのだ?

 着ている服は寝る時に着ていたホームウェアのまま、瞳の色の黒は元の世界と

同じ、髪はまぁ召喚された弊害で白髪になった?と思えば違和感は無いかもしれ

ないが、さすがに性別と年齢と顔が違うのはありえないだろう。これも召喚の弊害

だとしたら違和感ありまくりである。というかまるっきり別人なんじゃ?

 さらに彼氏居ない暦実年齢の私にとって脚のあいだにある物だけは付いてた

ことも触ったことも無い。


「どうすればいいんだろうなぁこれ・・・・・」


 独り言を言いながら大きなため息をついた。

 この時妙な視線を感じ、あたりをキョロキョロと見て回ったが誰かが居るはず

もなく気が張っている為だろうとまたため息を付いて部屋をゆっくり見渡して

みた。

 部屋に着いてすぐは頭が混乱していたが今は少し落ち着いたせいか回りがよく

見えるようになったので色々観察してみることにした。

 建物は海外旅行で見学した城をさらに大きくした感じで、部屋の中もその時に

みたものと大差ない感じだ。奥に扉があるので開けて入ってみると寝室があり

でかいベッドが置いてあって入ると自動的に明かりがついて部屋を照らす。

 明るさは元の世界と変わらないくらいに明るい。窓の外にも明かりが見えた

のでベランダに出てみると城門を照らす明かりと家々の明かりだと分かった。

(結構文明も発達してるんだなぁこの世界)

 明日からの事を考えると憂鬱だが夜中なようなのでとりあえず寝る事にする。


「目が覚めたらやっぱり夢だったってオチにならないかなぁ・・・・」



           ****   ****    ****


 夢オチにはならなかったようだ・・・・・


 メイドが朝の挨拶をして入ってきてこの世界の洋服に着替えるよう促される。

 自分で着替えるといっても聞いてもらえず着替えさせてもらうハメになった。

 そんな経験今までになかったので何かの羞恥プレイのようで恥ずかしかったが

「慣れるしかない」と心に言い聞かせるしかなかった。


 さっさと朝食を済ませて早速ラウラ姫にこの世界の事や異界人の事を聞いてみた。


「アオイ様の世界とこちらの世界では色々違う所が多いようですのでアオイ様には

教師をお付けしようかと思っております」

「教師ですか」

「異界人の方々は1つの事に特化しておりまして、座学・剣術・魔法・魔道具生成

を学んでもらいどの方面に特化しているのか見極めなければなりません」

「え!勇者無双とかそいうんじゃないの?」

「勇者無双というのは?」

「剣が使えて魔法もドッカンドッカン撃って最強の魔道具を作って!」


 漫画や小説で出てきた異世界勇者みたいなのをイメージしていた私は少し

興奮ぎみに言ったのだがラウラ姫はきょとんとした顔をしてから少し考え込んだ。


「そのような話は聞いたことがございません。

 この国に今まで召喚された異界人様は剣術の方と魔道具生成の方しかおりません

がどちらの方もほかの事は出来なかったと聞いており、他の国も同様であると」


 なんと!どうせ異世界に来たのだから勇者無双でガンガン行ってやる!という

最初の計画がこんな早くに頓挫するとは思ってもみなかった。希望としてはせめて

剣術か魔法に特化していてくれれば少しは楽なのに、こればかりは神に祈るしか

ないようだ。


「教師ですが剣術は私の専属護衛騎士のメノウがいたします。他の教師は後ほど

紹介させていただきます」


 そういって昨日見かけた男装の麗人騎士を紹介された。


「メノウと申します。誠心誠意勤めさせていただきます」


 無表情のまま挨拶をされたがこれはこれでいい!

 そのクールな感じがまた私のツボに見事にハマった。

 これは異世界に強制召喚された私を不憫に思った神様のお慈悲なのか!

 

「基本午前を座学、午後を剣術などの実技系に当てようと思ってます。ある程度

座学が進みましたら街の見学などいかがですか?」

「授業は今日からですか?」

「いえ、今日は城の中を私が色々ご案内いたしますので授業は明日からに

いたしましょう」


 そういって微笑むラウラ姫の美しい笑顔にくらっとしてしまう。(マジ女神!)

 同じ女としてうらやましい限りだ。!

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