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垂る血~When the world changes~  作者: へいほーマツダ
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part2 追跡(後編)

「開けていいか?」そう思ったのは出発してから約二分後のことである。コード3の部下は、俺らを見失ったためにしばらく何もなかったので何か行動を起こそうと考えたのだ。だがバッグを俺らが確保したため逃げたことはすでに分かっているはずだ。だがら俺の姿がばれてはやばい。しかも三人乗りなんておかしいだろう?そう思って今俺らは本部から派遣される車に乗せられて事務所に帰る予定だった。

「ああ。いや、」肯定した瞬間にバッグを開けたので俺は有山のいや、という言葉は聞いていなかった。開けた瞬間バッグの中から『GPS作動、位置情報を確認』という音声が聞こえた。

「馬鹿」有山の声が聞こえる。やっちまった。とにかくこの時の一番優先される行動は、GPS取得装置の破壊である。しかし、このGPSはごく賞なのかどこにも見当たらない。おそらくICチップのようなものがバッグのどこかに組み込まれているのだろう。そうなってしまうともうお捨てるか燃やすしかない。かなり部下との距離ははなれていると思うが、一瞬でもだいたいの位置がわかってしまうとかなり迷惑だ。

「捨てるのはだめだ。何か移動するものに固定するか乗せるかしないと…」有山はそういう。

「だがテトロドトキシンはどうやって運ぶんだ?」

「お前の責任だろう?お前が考えろ」

舌打ちをしてから考える。移動するもの、固定できるもの……。あっ!

「あの宅急便のトラックの中に放り込む!」テトロドトキシンは、これか。箱の中に入っているものだろうが、これぐらいならそのまま持っていても差し支えなさそうだ。立ち上がってバイクのトランクを開ける。ただし有山が運転中だからかなり危険なのでその分ちゃんとやる。少しだけトランクと車体の間を開けて箱を入れる。(どっちかというと放り込む)

「目標dはOKだ。バックを後は……いける」時速90㎞で走るバイクから、動いていない路肩に止められているトラックに狙いを定める。

(落ち着けよ…)だんだん迫ってくる。有山はぎりぎりまで歩道側にバイクを激突しない程度に近づけて、おれは左手でバックをしっかりつかむ。さん、にー、いっ

 視界が真っ黒になる。顔にぱらぱらと何かが当たる感覚がある。そして視界が急に明るくなったので眩しさで目がくらみ、そして地面が揺れたかと思うと、生物的本能なのかバイクから飛ぶ。そして激しい風が響いたかと思うと、何かがとどろくような衝撃に襲われる。そして、轟音。

 やっとの思いで目を開いて立ち上がるとそこはもう火の海だった。左の建築物を見ると跡形もなく激しく損傷しいているのに気づいた。すると何かが抜けるような音がして魔の前に何かが飛んでいく。かっと顔が熱くなると、再び轟音。

「RPGだっ!避けろっ!」

そうだ。そうだ。

なるほど。


そのまま走り出して、バイクに乗ろうと思うとまた顔が熱くなり、腹に何か圧迫がかかったと思うと体にかかる重力が反転した。爆風だ。そのまま地面にたたきつけられて少し上を見ると有山の姿があった。頭から確認する。大丈夫だ。足の先まで見てみると、なんとも無いようで彼の顔を確認する。

目があいている。

「有山、逃げるぞ」そう言って二人で立ち上がると銃声が聞こえた。ぴゅんぴゅんと音がするので、こちらに撃ってきているのは確かだ。「走れっ!」有山が走り出したのを見て俺も後から続いた。いや、まて。テトロドトキシンを回収しないと。後ろを向いて走り出し、何か有山の声が聞こえたと思うとバイクが爆発した。それと有山の危ないという叫び声が聞こえたのは同時だった。

再び腹がが圧迫されて次は高く飛んだのだろうか、何か浮遊感を感じたと思うと強く背中をたたきつけられた。

「うぅ…」地面の感じがアスファルトと違うのは確かだ。地面を見るとコンクリート、カビが生えている。周りを見渡すと、ここはビルの上だということに気付いた。ここは二階だから、爆風でここまで来るのも考えられないこともない。もう一度足元を見ると、血。俺の血だということに気付いてから、急に全身が痛んだ。顔を触るとかなりの血が付いた。コンクリートとの激しい摩擦によってだろう。するとまた銃声が聞こえて、慌ててしゃがむ。下から俺のほうを打っているのだからしゃがめば死角に入る。そして後ろを振り向いて、助走をつけ、隣のビルへ飛び移る。

そして隣の排水管を伝って下まで降りる。ビルとビルの間の狭い路地裏を縫うように走り、部下らをまいたたころで本部と連絡を取る。

「銃の配給を頼む」

「そんなものこの社が持っていると思っているのか?」

「有山が持っていただろう?」

「……本部へ戻れ。そこは危険だ」

了解とだけ言い捨て、無線を切った。さぁ戻ろう。もうここは嫌だ。有山も自分で帰ってくるだろう。

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