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あなたと沈む、深く、深く蒼い海底

作者: 遥彼方

なななんさま主催の「夏の涼」企画への参加作品です。

テーマは『涼』ですが、通り越して寒いかも。

 ゆらり、ゆらり。

 白と水色、不規則に揺れる水面。

 差し込む光がカーテンのように魚や岩を照らす。


 それもゆっくりと遠ざかり蒼が濃くなってゆく。


 ゆらり、ゆらり。

 長い髪が視界に揺れる。

 うねる毛先が名残惜しそうに上を向いている。


 周囲の暗さが増し光は遥かなる頭上へと去っていく。


 ゆらり、ゆらり。

 腕の中には水の温度と変わらない体。

 力ない手足が遅れて付いてくる。


 もう目を開くことのない抜け殻を抱えて沈む。


 ゆらり、ゆらり。

 やがて頭と背中へ小さな衝撃。

 ゆるりと素足が砂に食い込む。

 

 嗚呼。あなたと横たわる褥は光射さぬ深淵。


 ゆらり、ゆらり。

 深海の生き物に喰われて分解され。

 私たち二人ぐずぐずに溶け合う。


 誰にも邪魔されることのない永遠の園で。



 今度こそ結ばれましょう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 水の表現 沈んで行く表現 予感させる言葉 冷たくなっていく温度 深い情念 [一言] これこそ! メリーバッドエンドとはこの詩のような事を言うのだと思いましたっっ!・゜・(つД`)・゜・
[良い点]  企画から来ました。心中の詩に感じました。 [一言]  読ませて頂きありがとうございました
[一言] 初めまして、メリバ企画から参りました! 水の中という、青く幻想的な光景が目に浮かぶようでした。水は生命に満ち溢れたもののはずなのに、このように死の気配の色濃く揺らぐものにもなるのがとても好…
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