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口裂け女

作者: 水無瀬 雫

「あたしのこと可愛いと思う?」

だなんて聞いて

ブサイクだと思うなんて返って来る訳ないじゃん


陰で私の事をなんて言ってるのかなんて

聞きたくなくても耳に入って来るし

そんなこと私に伝えてくる人も何を考えているの?


ああきっと世の中は欺瞞だらけ

でもそれは元からそんなダメな世界だったんじゃなくて

私自身がダメな世界を作り上げてるんだってこと

痛いくらいに分かっているんだ

だけど私はそういう風に生まれてしまったのだし

不器用と言われてもそういう生き方しか知らない

変わることには酷く体力を使うし

私にはもうそんな体力なんて残ってない


知らない方が幸せなことだって沢山あるし

それは例えば皆にとっての本当の私なんだろう

だから私はマスクを取らずに

醜い自分を覆い隠すんだ


こんな私だけど、貴方は本当に私が好きだって言えるの?



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